見出し画像

メタファーに気づいた日【日記:2023/5/7】

アニメや漫画を見ていて、時計や花、信号機などが映り込んでいると、「なんでその時間なのか?」、「なんでその花なのか?」、「なんでわざわざ信号機を映したのか」ということを考える癖がある。
おかげでまともに読みもしないのに、花の図鑑を買ってしまったほどだ。
昔からこういう作品考察みたいなのは好きで、FC2やlivedoorなどで得体の知れない考察記事を梯子する子供時代を過ごしていた私だったが、自分だけで作品の意味を考え出すようになったのは結構成長してからだったと思う。
具体的に言えば、2017年の春ごろから。
春休みを利用して、約二年遅れでようやく視聴した
アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」がきっかけでした。

最初にこの癖を自覚したのはアニメのオーラス、24話「Barefoot Girl.」の中盤、主役「島村卯月」がプロデューサーを前にして自分の不安を吐露するシーンを繰り返し見ている時でした。かつて自分が手伝いで来たことがあるライブ会場の舞台裏。黒子の立ち位置から光り輝くステージを望む卯月。自分の笑顔すらも忘れてしまい恐怖に震える彼女が、それでも進むことを決意して指で笑顔を作ろうとする……人間の勇気と意思を感じさせる素晴らしい名シーンなのですが、そこに何故かカットバックで信号機が映っている!
「このままここに留まるのか。可能性を信じて進むのか。どちらを選ぶかは、島村さんが決めて下さい」
プロデューサーのセリフの裏で赤から青に変化して。
そして画面は客が入り始めた、今日卯月たちがライブする会場の方にカメラに移動していく。

「ふーん、なるほどね。信号機が変わる絵で卯月の心境の変化を暗示しているのか。そういえば、この話のちょっと前のカットでは赤のまま変わらない信号機が映ってたな」
何回見てようやく悟ったのか正確には覚えていませんが、それに気づいた時、妙に嬉しかったのは覚えています。私がメタファーに気づいた日です。

アニメ「アイドルマスターシンデレラガールズ」がそういう作風だったというのもありますが、探してみるとそういった暗示的なカットは沢山あった。
ちらりと花が映ったり、時計が映ったり、靴が映ったり、階段が映ったり、光と影が映ったり、星と空が映ったり。プロデューサーと上役の美城常務はポエムバトルをしているし。
深ぼりしなくてもゴロゴロ転がっているので、調子いい時の潮干狩りみたいでとても楽しかったですね。

今ではその感性が完全にしみついてしまっていて、メタファー的な妄想が広がるものが好きになってしまった。だから星座も好きだし花も好きだし、タロットカードも好きだしカクテルも好きだし古典芸術も好きだ。
おかげで古典文学を読みたがるような面倒なオタクになってしまった。
たまに読んでいて、正直面白味が全く分からんと思う作品に出合うことはあるものの、「元ネタを鑑みると~」っていう奴をどうしてもやりたい欲が抑えられない。

最近だと、太宰府の「斜陽」が気になっている。
何故なら現在TVアニメ放送中の「僕の心のヤバいやつ」のOPテーマの曲名が「斜陽」だからだ。
映像の雰囲気や歌詞を鑑みると、主人公の市川の心情を「斜陽」という文学作品と重ね合わせているのだと思うのですが、読んでないから分からない。
だから読む。読んでしたり顔をする。
明日、5月8日からFullバージョンが配信開始らしいので急いで読む。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?