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名作を見る理由【日記:2023/5/14】

最近、「カウボーイビバップ」というアニメを全話視聴した。
1998年に放送されたSFアニメで、今も根強いファンが多い名作だ。
前々から気になっていたのだが、中々見るタイミング掴めず後回しに。結論から言えば、もっと早めにチェックしておけばよかったと後悔した。
25年も前の作品だとは思えない魅力的で際立ったキャラクター、寂しさを孕みつつも爽快感のあるストーリー、アニメとしては非常に珍しいジャズ中心の劇伴。2023年の現在から見てもあちこちが新しく見えた。

お気に入りの回はたくさんあるが、仮に一つだけ挙げるのであれば第20話「道化師の鎮魂歌」を選びたい。
この回はいわゆるホラー回で、主人公「スパイク」が謎の凄腕殺し屋「東風」に襲われるという話。東風はシルクハットを被った肥満体の老人に見えるのだが、とにかく強くとにかく不気味。
常に笑い声を上げており、人間離れした動きをする。バッタみたいに跳ね回るわ、原理不明のバリアを出すわやりたい放題。主人公のスパイクも、単身でマフィア組織とやり合える程度の実力者なのだが、その彼が手も足も出せないぐらいにボコボコにされてなんとか逃げ切るので精一杯。
せっかく逃げてもすぐに居どころを突き止めてきて、脅しのメールを送って来る。観念したスパイクが決戦に向かうが、果たして彼は勝てるのか?というのがこの回の流れなのだが、これが非常に面白い。
例えるなら「バイオハザード」でタイラントやネメシスに追われている時のよう。迫りくる不気味な敵の怖さと、それに対抗する主人公がそれをどう攻略するのかというワクワク感がせめぎ合っていて目が離せなくなる。

物語的な側面は前述の通りだが、舞台設定もその感覚を増幅するように適切に練られている。まず最初にスパイクが襲われるのは、人気のない路地裏で、横では東風に始末された死体が5,6転がっている。全体としては暗い場所なのだが、東風とスパイクがいるところだけは謎の街頭により不健康な程明るく、東風の不気味な容姿を強調する。
そしてそこから辛くも逃げ切って、呼び出しがかかった第二ステージは夜の遊園地。独りでに動き出すメリーゴーランドは調子外れのテーマ曲をかき鳴らし、遊園地のマスコットと思われる妖精や着ぐるみが何に操られたかのように纏わりついてくる。異界感があって非常に怖いのだが、東風がウキウキでセッティングをしていたのかと思うと少しだけ面白い。メルヘンだなぁ。

総じて、25年も前の作品とは思えない本当によくできた回でした。
良い名作に出会えると一挙両得という感じがして、とても嬉しくなる。
名作でも波長が合わない作品だと、見ていて「今私は名作を見たことがあるカッコつけのためにこの作品を見ている……」という気持ちになることあるからな……
次は「少女革命ウテナ」を見ようと思います。
「機動戦士ガンダム 水星の魔女」と「少女歌劇レヴュースタァライト」が好きなので、非常に期待しています。ワクワク。




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