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組織ではないという身軽さ【日記:2023/7/18】

先日より気になっている店に行ってみたら、臨時休業だった。
SNSでは通知されていたようだが、フォローしていなかったので知らなかった。
少しだけ悲しい。でも不思議と「まあ、いいか」と思える自分がいる。
多分、サラリーマンか学生時代だったら怒っていただろう。
「これだから、個人店は嫌いなんだよ」そう呟く姿が目に浮かぶ。
あのころと一体、何が変わったんだろう?

一つ明白なのは、今私が無職だということだ。
無職、つまりどこにも所属していない。会社や学校はもちろん、家族や友人、ひいてはインターネット上のコミュニティにすら、今はほとんど関わっていない。
自分宛ての連絡が来るのはごくまれだ。LINEだってたまにしか来ないから、通知が来ると嬉しくなるくらい。PayPayを払う時、画面上部にアイコンがあるといっそ誇らしい気分ですらある。

そういう意味では、あの頃と比べ、私はごく個人的な存在になったとでも言えそうだ。
だから、ある種身勝手な個人店主のふるまいを好ましいとすら思えるようになったのかもしれない。自分に近いものを感じるから。
であれば、逆に組織人のころの自分をひどくイラつかせていたのも納得がいく。自由と不平等は組織から遠い。
個人であれば簡単に言える臨時休業も、公的で巨大な集団になればなるほど批判は大きくなる。情報は撤回したとしても、一度出してしまったという事実は消えないから。訂正したからそっちを見てくださいでは、いかないこともある。

「せっかく休日潰して県外から来たのに、実際に行ってみたら店がやってなかった!」サラリーマン時代にこういうクレームは何度も目にした。
そして、それに対応するたび、「取引先のこっちのブランドのことも考えてくれませんかね? これだから個人店は信用にならん」と思っていたものだ。
でも、今なら向こうの気持ちもある程度わかる。
だって誰にも怒られないから。別に自分の自由でやっていいと思うんだろう。サラリーマンのように上司はいないし、経営者のように株主はいないからね。良くも悪くも。

まあ、色々言ってきたが、別に臨時休業は悪いことじゃないと思う。
個人店の多くは、一人ないし少人数でやっているんだから、たまには休まないと体も心ももたないしね。
そんなわけで、今日は諦めてスターバックスに行ってきた。
甘くて美味しい、抹茶クリームフラペチーノ。

よどみなく頼めるようになったのも、最近の成長の一つだ。
氷の粒を噛み締めながら、独り身も悪くはないな、と私は思った。



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