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生きる喜びまでもクラフトする【日記:2023/6/22】

先日、漫画喫茶に行った時『Dr.Stone』を一気読みしました。
全26巻、丁度良くまとまっておりとても面白かったです。
破滅した世界に0から科学文明を生やしていく、理系学生が一度は妄想するような荒唐無稽な物語ですが、科学監修が入っているだけあってしっかりとした手順で、そしてエンタメとしても出来がよく作られています。
これが5年間もジャンプに乗っていたのは大きな意義がありますね。若い少年少女の中にも、この作品きっかけで理系の道に進む人がいるかもしれません。
主人公の千空はハチャメチャな天才なので、彼のようになるのは難しいですが、本作を通して科学に対する憧れとワクワク感を抱くことができたとしたら、それは将来を考える上で非常に上等な原風景になるでしょう。
ギャルゲーきっかけで高専受験を決めた私よりは、少なくとも人に説明しやすい理由ですし。

STEINS;GATEのヒロイン「牧瀬紅莉栖」
77(セブンズ) ~beyond the Milky Way~のヒロイン「常葉亜紀」

丁度当時やっていたギャルゲーのヒロインに白衣キャラが二人もいたから、「科学者ってかっけぇ!」と思い受験を決めた。そんな理由で科学の道に進んだものだから、卒業しても理系企業には就職せず、最終的に無職になった人間が製造されてしまった訳です。
これでも高専~大学までの7年間も真面目に化学科に通っていたんですけどね……いや、まあ勉強よりはバイトと遊戯王の方に力を入れていたので品行方正な学生だったとは言い難いですが。

科学自体は結構好きだったんですけどね、いかんせん教科書的に学ぶ科学があまり好きじゃなかった。どうにも実験室的というか、工場の一工程的というか、「だから何?」と思うことが多くてやる気が出なかった覚えがある。
特に有機化学。紙の上で長い反応経路を覚えて、実験室では臭い液体を作るだけに見え、それが実社会などでどう応用されるのかがよく分からず退屈に感じられてしまった。単純に手先が不器用で実験がド下手くそだったから、その恨みもあるが……
逆に、物理化学は結構好きだったな。圧力鍋の原理とかスケートの原理とか、エアコンの原理とか、ワンポイント豆知識として面白かったし。

群馬高専のHPより引用
http://www9.gunma-ct.ac.jp/staff/nakajima/Lecture/FilterPaper/filterpaper.html
有機化学の実験だと、こういう「ひだ折りろ紙」というものを作るのですが、
これが私はめちゃくちゃ下手だった。
平面のフローチャートに立体の折り方を書くのが間違っているので、私は悪くないが。
私は立体の図を脳内で回せなどぬかす奴は全員犯罪者だと思っている。

結局それは、唆るか否かの違い。
学問を学ぶことだってエンターテインメントなんですよね。
動物的に生き永らえるだけなら、別に新しい技術だって要らないんですから。
だからこそ、「これを知りたい」「こうあって欲しい」という願いを抱く、科学者っていう存在はとても人間的で格好いい。
私は既に科学の道からは退いてしまった身ですが、生きる喜びまでもクラフトするその姿には今でも憧憬の念を抱いています。


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