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話題のAIツールをnoteもリリースしたらしいので試してみる

noteを開いたら、「note AIアシスタント(β)」を先行ユーザーとして、お使いいただけるようになりました、という通知が来ていました。
何かなと思って確認してみたら、noteの新しいAI機能で、今話題のChat GPTを使用したツールとのことです。

使える機能は、今のところ以下の5つ。

せっかくの先行ユーザーに選ばれたとのことなので、
順々に試して皆様に機能を紹介できればと思います。

①記事の切り口を提案

例えば「キャンプ初心者にキャンプの楽しさを伝えたい」などというように、自分の方で簡単な方向性だけ提示すれば、それに対して切り口を提案してくれるとのことなので、とりあえず適当に入れてみましょう。

入力

さて、どうなるか。
AIの生成を待つこと、数十秒。以下の文書が生成されました。

・キャンペーンやイベントの企画を行うことでテーマパークがお一人様デーに対して魅力を広める

・テーマパークの施設を単体で販売する時間制限付き券を販売することで参加コストを下げる

・入場料の割引を活用した特典を用いて、一人でも安く遊ぶようにテーマパークをアピールする

・混雑時間帯を分散させるために、特定できる時間に入場する特典を設ける

・セキュリティをサポートして安全なテーマパークを利用できる環境を作る

出力

うーん……ちょっと”切り口”というと違う気がしますね……
これはどうしたらいいのか、という問い自体の答えであって、記事としてそれをどう書くべきかという切り口の提案にはなっていないので、このままではちょっと使いにくいですね。
試しに本家のChat GPTに提案してもらったら、以下のような回答を頂けました。

これをベースに記事がかけてしまう程、素晴らしいディレクションです。
……正直これを見ると、現状少なくともこの分野に関して、Chat GPTではなく、noteのアシスタントを使う意味は現状薄そうです。

②タイトルを提案

では、お次は記事のタイトルです。
これにはかなり期待ができるので、早速入力してみましょう。

出力

①「驚愕!パンチで窓割れ!」私が教える絶対的マル秘筋トレテクニック
②「想像を超えるパンチ力!」秘筋トレで得る力とは?
③パンチで窓割れ!瞬間秘筋トレでマインド&ボディを変える
④私が教える「空前絶後!驚異のパンチ力」を身に付けよう
⑤パンチ力前代未聞!究極の秘筋トレテクニックであなたも「バズる」少年に

おお。お題の時点でそこそこタイトルっぽくしていたのもあるのかもしれませんが、割とバリエーションにとんだタイトルを提案してくれました。
これぐらいのクオリティであれば、数を出す記事のタイトル案はnoteのAI任せでもいいかもしれません。

ちなみに、意味不明なタイトルを入力しても、結構頑張って解釈して案を出してくれました。意外と優秀。
※追記:ただ、出てくるタイトル案の方向性がどうにもYoutubeやまとめ記事っぽいので、そういう内容以外の時は使いにくいです。

出力

①「ぺぽぽっぽ vs. ぱぱぴ! 三択クイズであなたを驚かせる!」
②「ネット上で話題に! ぺぽぽっぽぱぱぴでお題を出してライバルを発見せよ!」
③「ぺぽぽっぽ&ぱぱぴ擬人化! 今こそ「自分」と「相手」を試そう!」
④「ぺぽぽっぽ x ぱぱぴ 爆発的人気の中身を徹底解剖!」
⑤「驚きの相性! ぺぽぽっぽとぱぱぴの組み合わせをご紹介!」

入力

③目次をつくる

この機能については、そもそもどういうこと?ってなっている方も多いかもしれませんが、試してみたところ、記事の内容を入力するとどんな目次をつけるべき提案してくれる機能みたいです。

出力

1. ブローノ・ブチャラティがジョジョの世界で関わることになったのは15歳の時!
2. 「救いの手」を求める孤独なブローノの生き方は誰もが泣いちゃうほど感動的!
3. 息の根を止めるイタズラを阻止した”ピストル・レイヴン”は話題に!
4. ブローノが主役として登場する最高の戦いを描いた黄金の風は大人気!

入力

ただ、かなり精度が怪しいです。
記事を完成させてから、詳しい内容を入力すればもっといい答えが返ってくるかもしれませんが、目次を生成したい時って記事を作る前にとっかかりが欲しい場合だけな気がします。
存在意義に疑問が生じてしまいますが、これも、①の「記事の切り口を提案してほしい」と同様、使うなら本家のChat GPTを使った方が現状よさそうです。

④プレスリリースの構成を提案

4つ目。この機能に関しては、何故あるのか良く分からないですね……
noteでプレスリリースを配信する企業あるんですか?
意図が読めませんがとりあえずやってみましょう。
発表内容の要点を箇条書きで入力すれば良いみたいです。

入力

タイトル:株式会社エルフの剣士、新商品「ドラゴン必殺ロングソード」を4月1日より発売
概要:株式会社エルフの剣士(エルフス)は、武具屋をはじめとする全国の店舗、自社ECサイトなどで新商品 「ドラゴン必殺ロングソード」を4月1日より発売すると発表しました。このロングソードは勇者、戦士、騎士職など我が国のドラゴンに対して、通常と比べて3倍のダメージを与えることができます。
背景:エルフスは、今や滅びかけたドラゴンの脅威から我が国を守るために、武具を創造し続けてきました。今回、エルフスは新しいロングソードでこの古き良き伝統を受け継ぎながら、より高い戦闘力を実現しました。ビジョン:エルフスは、当社の新商品「ドラゴン必殺ロングソード」を通じて、多くの勇者、戦士、騎士職などの力強さと彼らのより強固な立ち回りを支援し、ドラゴン脅威から我が国を守り抜こうという強い信念のもとに活動していきます。

出力

これはちょっと使い物にならなそうですね……
何故か勝手に企業名の略称を作られましたし、プレスリリースとしても体裁がなっていない気がします。
こういうフォーマットがかっちり決まっているものは、AIが一から生成するの苦手なんですかね?
どちらにせよ、これを使うなら「PR times」の文章を参考に、つぎ足しながらChat GPTやAI のべりすとに描いてもらった方がよさそうです。

⑤童話を作る

ラストは童話を作る機能。
何故童話をピックアップしたのか、note担当者の頭がワンダーランドに行ってしまったのか謎が残りますが、要するに小説を出力できる機能ですね。

入力

オーストリアの街、ウィーンで生まれた少年ジョージは、チョップでコーヒー豆を挽く仕事をしていました。両親はいつもお金が足りないので、ジョージも助けるように手伝っていたのです。そんなある日、ジョージはまたもや仕事に出かけるために、お金がないと言われました。ジョージは反論しても、何もしてほしくないと言う両親。彼はとても悔しくて、毎日の生活が無駄だと痛感しました。しかし、こうしてジョージは夢をあきらめず、仕事に励みました。そして、ある日の段階でジョージが挽いたコーヒー豆がとても良質であったことが発覚します。その良質な素材を使用したコーヒーが、国内外から高く評価されるようになりました。ジョージは収入を得るため仕事を続け、お金をためました。自分が夢見ていた緑豊かな田園地帯に引っ越すことができたのです。彼は以後、努力と信念

出力

うーん、微妙ですね……
大分意地悪な内容にしたとはいえ、完成していませんし、そもそも意味が分かりません。
矛盾したり、途中で破綻するのはいいのですが、内容が虚無過ぎるとせっかくAIに提案してもらう意味がありません
まあただ、ほぼ一から書いてもらっているので難しいのは当然です。
ですので、性能比較をしてみましょう。
以下、AIのべりすとに書いてもらった作品です。

オーストリアの街、ウィーンで生まれた少年ジョージは、チョップでコーヒー豆を挽く仕事をしていました。
お金のない辛い日々ですが、彼には一つ夢があります。
それは、いつか立派な作曲家になって、美しいピアノ曲を沢山作ることでした。
ある日のこと、いつものようにコーヒー豆を挽いていたジョージの前に、一人の青年が現れました。その人は、とても綺麗な声で、こう言います。
――君に作曲の才能がある、と。
ジョージはその言葉を信じてみることにして、その日から毎日ピアノに向かい始めました。そして彼は、少しずつ少しずつ曲を作っていきました。
しかしそんなある日、彼はとんでもない事実を知ってしまいます。実は彼が出会ったあの青年こそが、この国の王子だったのです! 王子様は言いました。

――君の作曲した曲があまりにも素晴らしかったから、私も何か作りたくなったのだ。だが私は音楽など分からないから、代わりに君の作った曲を歌ってくれないか? と。
そうして王子様に請われたジョージは、それから毎日、王子様のために素敵なピアノ曲を捧げるようになりました。
けれど、そんな幸せな時間は長く続きませんでした。なぜなら、王子様の婚約者である隣国のお姫様が、王子様を奪い返そうとしてきたからです。
お姫様は言いました。
――貴方が作った曲は素晴らしいわ。でも、私が作る曲はもっと素晴らしいのよ。だから、私の言うとおりにしなさい。
けれど、王子様は言います。
――君は少し勘違いをしているようだね。僕は確かに君の作った曲が好きだ。だけど、それ以上に僕は、僕の為に一生懸命曲を作り続けてくれるジョージのことが好きなんだ。だから僕は、これからもずっと彼と一緒だ。
こうして二人は駆け落ちをして、遠い田舎町へと逃げて幸せに暮らしましたとさ。

最初の3行だけ入れて、後は足し引きしただけなのに、何故BLになってしまいました。
しかも、チョップでコーヒーを挽くという部分が全然活かされてないし……
まあ、このままだと使えないというのは変わりありませんが、”チョップでコーヒー豆を挽く”と”作曲”という違う要素を結び付ける、というアイデアが出ただけマシです。
AIのべりすとでは、(面白いかどうかはともかく)話を作るだけの種を見つけることができました。
これだけ見ると、AIのべりすとが大分上に見えてくると思いますが、こちらは私の方で足したり引いたりしているので、条件的には対等ではありません。

ただ現状、AIを活用した創作という場合、AIが出力して来たものを、逐一足したり引いたり、部分活用したりという使い方が一般的なので、それができないnoteアシスタントはやはり使いにくい。
総じていえば、小説生成機能という面でも、今のところ他のサービスの方が向いて良そうです。

結論

それぞれの機能を”〇”、"△”、”×”の三段階で点数付けすると以下のような形です。
①記事の切り口を提案⇒△
②タイトルを提案⇒△
③目次を作る⇒×
④プレスリリースの構成を提案⇒×
⑤童話を作る⇒×

〇:使う価値あり(外部ツールで良いと言えばそうだが…)
△:使う価値がないわけではないが、外部ツールの方が優秀
×:目的とした用途に必要な要件を満たしていない

総評としては、現状note内で使う意味がないというところですね。
例えば、過去の投稿記事を読み込んで、傾向を掴んだ出力をしてくれるなどの機能があれば、note内で使う価値が生まれてくると思うのですが……
まあ、まだまだ始まったばかりの機能ですので、今後に期待しましょう。

それでは、長くなりましたが以上になります。
お疲れさまでした。


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