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専門店の圧と自意識の壁【日記:2023/09/25】

 基本的に私は、専門店という場所が苦手だ。その分野に関して詳しい人しかおらず、常にアウェーさを感じるから。もしにわかを晒そうものなら、”分かってない奴”認定され、周囲から総スカンを喰らう、そんな気がしてしまう。そのくせ店内が狭めなのも辛い。どうあがいたって、絶対に話しかけられる。せめてこちらも二人組なら心強いのだが、友達がいないのでいつだってソロ攻略を余儀なくされる。

 だから私は、初めて訪れる専門店に入る前には、その分野について表面的な知識を付けるようにしている。例えば紅茶であれば、有名な産地や分類の用語を覚えるのがそれにあたる。全くの初心者として店に赴くのは、店員に腹を見せることに他ならず、私はそこまで他人に信頼をおけないから。それに、知らなすぎることは面白くないというものある。せっかく専門店に行くという、万力ごとし勇気を振り絞っているのに呆けた顔で店員さんの言いなりではもったいない。ノー知識はノー好奇心だ。

 無論、ほとんどの場合、こういう場所の店員さんはニュービーに優しいものだし、面倒な自意識で自分の足に重りを付ける行為は浅ましく愚かしいということも分かっている。今日行った紅茶専門店『Gclef 吉祥寺本店』の店員さんも非常に丁寧で、試飲と称して紅茶3杯にジャムまで食べさせてくれたしね。だが、分かってはいるものの中々治らない。無知を晒すのが怖い。

 思えば、こういう性格は中学生頃からずっと続いている。昔から、知らなすぎることが許せなくて、友達との会話で見てないアニメの話が出るとWikipediaで調べて「1話しか見てないんだけど、どんな感じ?」とちょい知ったかぶりをしていたものだった。

 知識欲があること自体は美徳だと思うんだけど……無知を恐れて質問を遠ざけるのは無駄が多い。世の中、人に聞いて良いならそうした方が大概速いから。全然知らないんで、教えてもらっていいですか?って言えるのが一番カッコいい。そろそろ社会人に戻らないといけない身としては、肝に銘じておかないといけませんね。


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