旧優生保護法、岸田首相、蓮舫氏、政治家の役割

旧優生保護法、岸田首相、蓮舫氏……まったく関係のなさそうな事柄だが、個人的に思ったことがあったので、書いてみる。

旧優生保護法に基づく強制不妊手術を受けさせられた原告に岸田首相が謝罪をしたというニュースが飛び込んできた。

最高裁が旧優生保護法を憲法違反とした判断によるものとのこと。

岸田首相が大勢の原告を前にして深々と謝罪をしていた。

そして、ふとX(twitter)を眺めると、蓮舫氏が自分を批判した朝日新聞記者の発言について、弁護士に相談するという勇ましいポストがリツイートされていた……。

さて、これを見て自分が感じたこと……それは政治家の役割というやつだ。

どういうことか。

まず旧優生保護法だが、これが成立したのは1948年(ポイントは戦後ということ)、そしてこの法律はなんと1996年まで存在していた。(これを数年前に知った時は色々と衝撃だった)

さて、1948年という時期が重要だ。
これは日本において男女普通選挙が初めて実施された後の国会ということになる。

つまり、今とほぼ同じく20歳以上(今は18歳)の男女が選挙権を持っていて、彼ら彼女たちが当選させた政治家たちが成立させた法律という訳だ。

そして、旧優生保護法は左翼も右翼も一緒になって超党派で成立させた法律ということである。
(今流行りの自民が!、立民が!、とか言い訳できない)

何がいいたいのか……。

つまり、旧優生保護法の強制不妊措置について第一義的な責任があるのは我々日本国民であるということである。

旧優生保護法の見直しの議論は1980年代まで起きなかったことを考えれば、なおさらだろう。

だけど、現実的に当時の日本国民を責める理由にはいかない。

だから、今の日本政府の代表者である岸田首相を責めるということに便宜的にしているのである。

いったいお前は何がいいたいのか。
岸田は首相なんだから、謝るのは当然だろう。
そう思うかもしれない。

いや……まあ確かにそうではある。

だけど、冷静に考えれば岸田首相には個人的には旧優生保護法の強制不妊措置について責任はない。

旧優生保護法の強制不妊措置が大々的に行われていたのは1950年〜60年代で、岸田首相は子供だったのだから……。

だけど、岸田首相は国の代表なのだから、謝るのは当然。
これは国民のほとんどが同意するコンセンサスだろう。

もしも岸田首相が上記の反論を言ったら、みんなズッコケルだろう。

そして、まさに自分がズッコケてしまったのが、蓮舫氏の朝日新聞記者に対する対応なのである。

確かに、蓮舫氏には批判した記者に対して、弁護士に相談し、法的措置に訴える権利はある。

蓮舫氏は落選しているから、私人であり、そんな私人に対してXで批判した行為に対して、法的措置に訴える。

なるほど……間違ってはいない。

だけど、それは先ほど自分が書いたこと……「岸田首相に旧優生保護法の強制不妊措置について個人的責任はないから、謝る必要はない」という話と同じくバカバカしいものなのである。





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