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基山瑣末の短編小説

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短編小説をまとめたよ。
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#花言葉

【短編小説】混迷

【短編小説】混迷

 友人の死は私の下へ1番に知らされた。彼には身寄りがなかったのである。
 遺品整理を頼まれた私は彼の借りていたアパートへ来た。寂れた2階建てであった。彼は売れない物書きだった。
 外観に違わず、部屋の中も辛気臭かった。どことなくじめじめしていて、黴の臭いが満ちていた。何も面白味のない簡素な部屋だったが、ただ1つ、異様な存在感を放つものがあった。
 机上の花瓶に、枯れた花が1輪挿されていた。花瓶の形

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【短編小説】贖罪

【短編小説】贖罪

1. 私と富士津西燭の出会いは30年前にまで遡る。
 私の実家に彼の描いた絵が飾られていたのである。
 その絵は、富士津が美大在学中に描いた作品だ。何のことはない、ただのシロツメクサの絵である。しかし、在学時から既に稀代の天才と囃されていた彼の筆力を以てすれば、8才の少年に画家を志させるに足る尤物となる。
 富士津の絵は写実的である。だが、見た物をそのまま写すのならカメラの方が余程上手くやる。彼の

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