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基山瑣末の短編小説

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【短編小説】水晶の池

【短編小説】水晶の池

ある少年の死  少年が急斜面の袂へ倒れていた。山中に似つかわしくない軽装であった。僕もまた軽装ではあったが、それは僕がこの付近の村に住んでいるからである。村民は全員が互いに顔を見知っている程に少なく、倒れている少年に見覚えのないのは決して忘れているからではない。
  近寄ってみると、頭から流血しているのが見えた。さらに近寄ると、目を見開いたまま倒れているのに気付いた。年の頃は10代前半くらいに思え

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