サイト制作はAIに淘汰される?Webデザイナーの活路はどこにある?
近年、AI技術が急速に発展し、ChatGPTのような質問応答システムや、Stable Diffusionのようにテキスト内容に応じた画像生成サービスがメディアで話題となっていますね。
メディアでは「AIが人間の仕事を奪う!」といった不安を煽る報道がされることがありますが、果たしてWebデザイナーの仕事もAIに奪われてしまうのでしょうか?
そして、AI時代にWebデザイナーはどのようなキャリアを築いていくべきでしょうか?
本記事では、Webデザイナーを取り巻くAIやその他の技術動向を踏まえながら、私の考えをお伝えします。
AIやノーコード・ローコードによるサイト制作の変化
冒頭で触れたAI技術以外にも、サイト制作を取り巻く環境は徐々に変わりつつあります。2018年頃から注目を集めているノーコード、ローコード開発がその一例です。
DX(デジタルトランスフォーメーション)がブームになる中、ノーコード、ローコードというキーワードがよく聞かれるようになりました。それまでのサイト制作では、ECサイトやコーポレートサイト、オウンドメディアなどをWordPressなどのCMSベースにカスタマイズするものが多かったように思います。
しかし、WixやSTUDIOなど、複雑なインフラ構築やコーディングが不要でドラッグ&ドロップでパーツを並べてサイトを作るサイトビルダーのサービスが増えてきました。もちろん、それ以前にも類似サービスは存在しましたが、この時期から機能が充実し、広く利用されるようになりました。
これらのサイトビルダーの登場により、当時、今後はサイトコーディングが不要(ノーコード)になるのではないかと言われてきました。
加えて、2022年~2023年には、冒頭で挙げたようなAIサービスが登場し、テキストや画像などの「コンテンツ」もAIで生成できるようにまでなりました。
このような状況下で、サイト制作における以下の作業が影響を受けると考えられます。
HTML,CSS,JavaScriptのフロントエンドのコーディング、プログラミングがサイトビルダーによって大幅に省力化される
バナー画像、キャッチコピーなどがAIにより自動で複数案作成される
記事コンテンツ自体もAIにより執筆できるようになる
Webデザイナーの活路はどこにある?
AIやノーコード・ローコード技術の進化により、上記のように一部のWebデザイナーの仕事が自動化される可能性はあります。では、自動化される仕事を主戦場としていたWebデザイナーは今後どのようなキャリアを考えたらいいのでしょうか?以下の3つがあるのではないかと考えています。
Webディレクターを目指す
アートディレクターを目指す
オールラウンダーを目指す
Webディレクターを目指す
プロジェクトの成功には、チーム内外での円滑なコミュニケーションが欠かせません。AIにはできない人間同士のコミュニケーションにフォーカスした力は今後より重要になります。クライアントの意向を正確に把握したり、チームの最適な作業分担を考えるディレクション、プロジェクトマネジメントの力は、今後も求められていくでしょう。
アートディレクターを目指す
AIはあくまで人間が設定したパラメータに基づいて生成されるため、現段階では独創的な発想や感性は再現できないでしょう。今までにないユニークな発想でユーザーの心をひきつける表現を設計、監修する立場はこれから重要になると思われます。
オールラウンダーを目指す
AI技術が活用することで、画像、プログラムコード、記事コンテンツは今までより容易に得られるようになります。しかし、これらを有機的に結合して一つのサイトとする能力は依然として必要です。そのためにはデザイン、エンジニアリング、マーケティングを横断的に理解し、AIに対して適切に作成指示を出したり、監修したりする能力が必要になります。
自分自身のキャリアと人生をデザインする
これからの時代、単純なバナー作成やキャッチコピーの検討、量産記事のライティング、独創性の無いサイト制作を行っているWebデザイナーはおそらくAIやサイトビルダーに淘汰されていくでしょう。
第1次産業革命では、機械化によって職を脅かされた労働者たちが機械や工場を破壊する運動を起こしました。しかし、現代社会ではあらゆる単純労働が機械化されており、結局この運動で技術進歩を止めることはできませんでした。
同様に、AIなどの技術革新を止めることはできないでしょう。新しい技術を敵視したり恐れたりするよりも、それを使って新しい可能性を模索する方が有意義だと思います。
生き残るWebデザイナーは、AIやビルダーの技術動向を把握し、できることとできないことを判断して、AIが対応できない領域のスキルを伸ばすキャリア形成を考える人だと思います。
デザインの領域に限らず、新しい技術を恐れることなく、それを活用する人になろうという意識が重要だと思います。これからは新しい技術を取り入れながら、自分自身のキャリアと人生をデザインし、未来に向かって進んでいくことが求められるでしょう。
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