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拝啓、Dead Cellsの牢獄から

皆様、おはようございます。少しずつ暖かくなってきましたね。春がもうそこまで来ている気がします。時の守護者の姿が見えなくなって久しく、最近もまた……まてよ、今はいったいいつなのだ?


まぁいい。今日は、まだ名作アクションゲーム『Dead Cells』をプレイしていない君たちへ伝えたいことがある。結論から言うと、このゲームをみんなにプレイして欲しい。

ニンテンドーは2月24日からDead Cellsを期間限定だが無料でできる「いっせいトライアル」なる施策を発表した。これを機に、このゲームをプレイする者が増えて欲しいので記事を書こうと思う。

ローグライクでメトロヴァニアで融合召喚

Dead Cellsは巷ではメトロイドヴァニア(2Dダンジョン探索アクションゲーム)にローグライク要素(死んだら一からスタート、ダンジョンで手に入るものはランダム)を加えたローグヴァニアと呼ばれている。
思い付きから取ってつけたような合わせ方ではない、2つの要素がお互いの味を活かし高めあっている。


転生したらスライム(緑)だった件


そういえばまだこのゲームの主人公を紹介していなかったな。こいつだ。

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このゲームは排水口から出てきたミドリのゲル状生物が死体に取り付いて復活するところから始まる。個人的にはこの人外設定がこの死にゲーにとって良い作用を生んでいると思っている。
このゲームは死にゲー、いわゆる死んで憶えるゲームだ。敵の行動を覚えるために何度も死ぬし、装備の扱いが上手くいかない間に死ぬ。
俺にとってゲームで死ぬことはそれなりにストレスだった。不思議のダンジョン系は結構好きだが、どうしても自分の操るキャラクターが死ぬのに心的なストレスがあった。
だが、このゲームにはそれが無い。こいつは何故か死んでも蘇る、不滅のゲル状の生物だからだ。後述するが、この生物は思考もそんな善人なタイプではないので、死んでもあまり心が痛まないのもポイントが高い。
それでいて、キャラの見た目や動きはニンジャっぽくてカッコいいのがまたニクい。良いバランスだと俺は思う。

そういうわけなので死ぬことがストレスにならない死にゲーが完成した。これから毎日死体になろうぜ?俺は毎日ダンジョンに挑んでは死んでいる。

気持ちのいいアクションは雑に行われる

このゲームの良さはやはりアクションだ。アクションゲームだからな。だから個人的に好きな部分を列挙していきたい。

・攻撃モーションを出した後でも方向転換や回避の入力が効く。
 「剣をこっちに振りたかったのに間違えて逆向いてたから死んじゃったぁ~」「攻撃モーション中に敵の攻撃が来て死んじゃった~」などはアクションゲームをやっていれば少なからず遭遇するだろう。それを「操作性が悪い」と罵りクソゲー扱いする輩も少なくない。しかしこのゲームは、他のゲームに比べてかなり方向転換や回避の入力に寛容だ。攻撃モーションを出してる最中でも入力を受け付けてくれる設定が長いので「攻撃しようと思ったけどヤバそうだから回避!」がすんなりできる。かなりプレイヤーに有利な設定になっている。

・遠距離武器はオートエイムで楽々
 このゲームは割と寛容なので弓を撃つ時狙い撃つ必要が無い。ある程度距離を取って撃てばだいたい敵に当たるようにオートで狙う設定になってる。真上の敵を撃つ、など細かな狙い撃ちはできないが雑に撃っても大体当たるので強いというのがとても良い。敵に狙いをつけるのに戸惑っているうちに別の敵に接近され、やられることがないのは利点だと思う。

・気持ち良いアクションは攻撃だけじゃない。(防御・移動の全てが気持ちいい)
 盾を使ってのパリィがとにかく気持ちいい。敵が攻撃する直前は必ず頭上に!マークが現れる。それを見て、「キィン!」。敵の攻撃のパリィする。その音を聞くのが快感となり君はパリィ中毒になるだろう。
このパリィの仕様も寛容で全ての敵が攻撃直前に!マークで知らせてくれるし、割と入力が早くても成功するので判定は甘めに設定されている。更に一度成功すれば再度すぐに盾を構えることができるので連続でパリィを狙うことができる。連続攻撃を仕掛けてくる敵は、一度コツさえつかめば逆にチャンスとなるわけだ。だがこの盾、一度使用すると若干のクールタイムが設定されているのでタイミングを間違えると痛い目に合う。防御には冷静な判断が求められる。

このゲームは落下するのも気持ちいい
というのも、下に降りる時再度↓ジャンプを入力するとスタンプ攻撃となり、敵に攻撃することができる。雑魚ならその一撃で潰れるし、体力のある敵もひるむので攻撃し放題となる。頭上からアンブッシュし追撃……まさにニンジャ。これはクセになること間違いない。

ワープ装置での移動も気持ちがいい。ゲームの仕様上、マップの端から端を行ったり来たりが多いため、ワープ装置がところどころに配置されている。これのおかげで探索が楽になるし、エフェクトや音が異様にカッコいい。

そのほかにも鉄鎖で吊られた昇降機も度々使うことになるのだが、それが異様に凝っている。移動が速いし、移動してる昇降機にぶつかるとダメージを食らう設定だし昇降機で敵を倒す実績も設定されている(何故だ)。

基本的にこのゲームはキャラを動かすうえで不利になる要素はなるべく排除されている。上記以外にも多少ジャンプのタイミングをミスっても対岸に行けるようになってたり、崖には自動でつかんで登ってくれたり優しい設定にしている。ゲームの仕様を理解すれば、多少雑になっても許されるのが、このゲームの懐の深さだと考えている。

お前はその敵を倒してもいいし、無視してもいい。いや、やっぱり倒した方がいいかもしれない。

ローグライクゲーム、もしくは不思議のダンジョン系のゲームのセオリーの一つに「無駄な戦闘は避ける」がある。ローグライクは基本的に死んだらレベル1に戻り、アイテムも全没収になる。そのため生存を優先するため無理に敵と戦わない戦術をとる。
だが、このゲームは敵を倒すメリットが数多く設定されている。

・敵を素早く倒し続けると一時的に動きが速くなり、より敵を倒しやすくなる

・敵からもらうアイテムで機能や装備を恒常的にアンロックできる

・敵を倒して手に入れたお金で武器を強化、お店で新たな武器を買うことができる

・マップを早くクリアしたり、無傷で敵を倒し続ければ追加ボーナスがもらえる。

メリットを並べてみると、やはり敵は倒した方がいいように思える。しかし敵は相当な種類いて厄介な敵も多い。多勢で波状攻撃を仕掛けてくるので、油断をするとあっという間にこちらが死ぬことになる。
ローグライクゲームのキモは「常に取捨選択を強いられる」ことだ。ここは敵を無視して進む場面か、倒して稼ぐかを常に考えながらプレイしていく。
ボス向けの装備を充実させるか、雑魚敵を倒しやすい装備で探索するか。体力ギリギリだけど探索を進めて装備を探すか、切り上げて次のステージに進むか……。
ステージの構造も手に入る武器もランダムのなか、信じられるのは自分の判断力……そんなシビアでクールな戦いを、このゲームは提供してくれる。


何度も死ぬことで、ハマっていく

ローグライクは死ぬと最初からやりなおし……並大抵のゲーマーはすぐに心が折れてやめてしまうだろう。俺もその一人だ。……そのはずだった。だが、Dead Cellsは鞭と飴を使い分けてくる。
ステージとステージの合間に休憩ポイントが設けられているのだが、ここでは手に入れたセル(敵を倒すと手に入る青い玉っぽいの)を使うことで装備やスキルをアンロックすることができる。一度アンロックすることができれば、以降ステージのどこかしらで手に入れることができる。死んでもこのアンロック情報は消えない。とにかく中継地点までたどり着ければ、次のステージで死んでも全て無駄になるわけじゃない。
何度も死を繰り返していくうちに少しずつ敵の動きも読めるようになり、武器も充実していき、いつのまにかステージをクリアできるようになるわけだ。この苦労と達成感が病みつきになる。
気づいたらDead Cellsの攻略のことばかり考えるようになってしまう。


作りこまれた世界とそれをすべて語らないクールさ

Dead Cellsは世界観も素晴らしい。ドットで書き込まれた背景の美しさや敵キャラ。アコースティックギターで奏でられる軽快で悲壮感のあるBGMなど挙げればきりがない。だが、その作りこまれた世界の情報を得る機会は少ない。なぜこんな島があるのかなどは合間のローディング画面に表示されるtipsやステージに隅に配置されている何もない部屋の住民の手記などから推察するしかない。
そもそもこのゲームの主人公がなんもわからん。この生き物が何者なのか。何のために戦っているのかもはっきりしていない。しかもこいつは他の死体を蹴るわ、部屋を漁って金目ものを奪うわ。人間の倫理観で動いていない。(そのためこいつ自身が死んでも心が痛まない)
分からんことだらけだが、主目的はとにかく進み続けることそれは変わらない。だからこそこのゲームはやめられない。

今こそ、Dead Cellsだ

そういうわけだ。期間限定ながらも無料で遊べるこの機会を逃すな。プレイしたデータは製品版を買えばそのまま引き継がれるという特典付きだ。
皆がこのDead Cellsという沼に嵌まってくれることを願っている。

俺は早くHardモードをクリアしたい。3月にはユグドラユニオンのswitch版が出るのでそれまでに区切りを付けたい……。

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