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ひとこと読書記録・夏の前触れ&梅雨編

お久しぶりです。小説を読むのが大好きな女子大生・針夜ゆるです。

本記事とはあんまり関係ないんですけど、もうすぐ始まりますね! 夏の文庫フェア!!(ナツイチ、カドフェス、新潮文庫の100冊!)
毎年、私はこの季節が来るのをわくわくしながら待っています。楽しみすぎて、欲しい本のリストまで作ったりしています。

さて、話を戻しますがこの記事は、私がここ一ヶ月の間に読了した小説の感想を一言ずつ綴っているという読書記録です。
今回の読了本は、短編集とアンソロジーが多めになりました!

5月後半〜6月中盤の間に読んだ本は、13冊

ラインナップは以下の通りです。

【2023年5月〜6月の間に読んだ本】


つめたい転校生(北山猛邦)


震える教室(近藤史恵)


瞬殺怪談 鬼幽(平山夢明ほか)


いるいないみらい(窪 美澄)


さかさま少女のためのピアノソナタ(北山猛邦)


スイート・ホーム(原田マハ)


小戸森さんちはこの坂道の上(櫻いいよ)


ほろよい読書(織守きょうや、坂井希久子、額賀澪、原田ひ香、柚木麻子)


5分後に世界が変わる(スターツ出版文庫編集部)


この恋が壊れるまで夏が終わらない(杉井 光)


アーモンド入りチョコレートのワルツ(森 絵都)


金曜のバカ(越谷オサム)


仇花とグランドフェイク(八方鈴斗)


※感想にネタバレは含めていないつもりですが、物語の内容に少し触れている場合もあるので、予めご了承ください。



これは、個人の感想です。



① つめたい転校生

『つめたい転校生』北山猛邦

初読みの作家さん。人であらざるものと人との恋を描いた短編集。最後、意外な感じで終わる話が多くて非常に面白かった。特に、一番最初の「かわいい狙撃手」を読み終わったとき、私は「なんてキュートな話なんだ……っ!!」と目が潤むくらいキュンとしました(「こ、こんなに可愛い話を書いたのが男性……!?」という驚き)。さまざまな終わり方をする短編めっちゃ良かった。個人的には「小さなピアニスト」がとても好きです……。


② 震える教室

『震える教室』近藤史恵

こちらも初読み作家さんでした。音楽で有名な女子校に通う真矢と花音。二人が手をつなぐと怪異が見えるという設定が斬新! 二人はその力で学校にいる怪異の謎を解き明かしていくのだが……。学校の怪談的な話が好きなのでチョイスした一冊。ホラー要素ばっちり入ってて怖いんだけど、人間関係の複雑さのほうが怖いかもと思った……。「捨てないで」、「ピアノ室の怪」、「隣のベッドで眠るひと」が怖くって印象に強く残ってる。

③ 瞬殺怪談 鬼幽

『瞬殺怪談 鬼幽 平山夢明ほか』

私のなかで怖い話ブームが来ているのかもしれない。「瞬殺」の「怪談」だけあり、一話一ページから数ページ、あるいは数行で終わる短い怖い話がギュっと詰まったアンソロジーでした(このシリーズ9冊くらい出てるらしいぞ……)。「めちゃくちゃ怖い!」っていうよりかは、不可解というか「ゾッ…とする系」の話が多かった印象。文体や作風も作家さんごとに結構バラけていて良かったです。


④ いるいないみらい

『いるいないみらい』窪 美澄

初読み作家さん。「夫婦」とか「子供をもつこと」について考えさせられるというか、そうかあそういう見方もあるのね、と思える一冊でした。「金木犀のべランダ」で、終盤のシーン、節子さんが繭子にかけている言葉にグッときました。五つの短編で構成されてるけど、登場人物だったりパン屋の名前だったりと繋がっている部分があるのも個人的にツボ(子羊堂のメロンパン美味しそうなので私も食べたい!)。


⑤ さかさま少女のためのピアノソナタ

『さかさま少女のためのピアノソナタ』北山猛邦

思いもよらないラストを迎える、五つの短編が詰まった一冊。「見返り谷から呼ぶ声」は、切ないけど「主人公って○○だったんだ……」と読後、冒頭から読み返したくなる。表題作の「さかさま少女のためのピアノソナタ」は、世にも奇妙な物語でドラマになった作品。不可思議だけど綺麗な終わり方で、面白かったです。あと、「今夜の月はしましま模様?」は、今までこういう終わり方をする小説を私は読んだことなかった……!と衝撃を受けた。


⑥ スイート・ホーム

『スイート・ホーム』原田マハ

初読み作家さんでした。連作短編で、どの話もつながってるんだけどとっても優しくて温かくて幸せな気分になれる物語ばかりだった。読んでいてほっこりしました。一年に一度は家族写真を必ず撮るっていう習慣といい、店からお客さんをお見送りする時のスタイルが父から娘へと受け継がれてることといい、「こういう家族ってめっちゃいいよなぁ」、と羨ましく思った。私もスイート・ホームで、ケーキ買って食べたい……。


⑦ 小戸森さんちはこの坂道の上

『小戸森さんちはこの坂道の上』櫻いいよ

主人公の生き方とか、考え方がけっこう私のそれと重なる部分があって「うわ~……わかる……!」って共感しまくりでした。漸が好きです。それと、あのときあのキャラが言ってた台詞が、ここで活きてくるのか……!という部分がいくつもあって読みごたえがあった。主人公あんまり内面的に成長してないというか変わってないな……?と思ったけど、ラストで少しだけ、でも確かに成長していたことに気づいてあったかい気持ちになりました。


⑧ ほろよい読書

『ほろよい読書』織守きょうや、坂井希久子、額賀澪、原田ひ香、柚木麻子

お酒をテーマにしたアンソロジー。実を言うと、私は一度も酒を飲んだことがないのですが、作中に登場するお酒は「うわ~、どれも美味しそうだな~。飲める体質だったら飲んでみたかったな~」と思ってしまうほど。就寝前に読んでたんですが、その日はなぜかお酒を飲む夢を見るほどでした(笑)。織守きょうやさんの「ショコラと秘密は彼女に宿る」という話、お菓子とお酒が融合されててオシャレだった。もう一度読みたい。


⑨ 5分後に世界が変わる

『5分後に世界が変わる』スターツ出版文庫編集部

汐見夏衛さん目当てで購入。約20ページほどの短編が16編ほど収録されているという、お得感のある一冊でした。こういう系の短編集って、そこまで意外な結末を迎えないものもあると思うんですけど、これはどの話も本当に予想外のラストになっていて、楽しく読めました。汐見夏衛さんの「ポテトチップス恋愛論」が面白い。特に気に入っているのは、朱宮あめさんの「お菓子よりも極上に甘い悪戯を」と遊野煌さんの「ツナグ傘屋」です。


⑩ この恋が壊れるまで夏が終わらない

『この恋が壊れるまで夏が終わらない』杉井光

読みやすさ抜群、というか続きが気になりすぎてほとんど一気読みでした! 時間を十二時間だけ巻き戻せるという特殊能力を持つ主人公・啓太が、憧れの純香先輩が殺されてしまった八月三十一日に何度も戻って殺人を防ごうとする話。主人公が先輩を本に例えるのが好き。「僕は久米沢純香という人の一体なにを知っているんだろう。表紙を見て気に入っただけでまだ開いてもいないんじゃないだろうか」。秀逸すぎんか。道永先輩が好きです。


⑪ アーモンド入りチョコレートのワルツ

『アーモンド入りチョコレートのワルツ』森絵都

ピアノにまつわる短編集でした。いちばん好きなのは、「彼女のアリア」。不眠症に悩む中学生男女の恋愛ストーリー。もうラストが甘酸っぱくて切なくて、かなりよかった……。「子供は眠る」は成長途中の子どもの心の繊細な動きが描かれていて、「ああ、こういうタイプの子ども、私が子どものときにもいたかもしれない」と、ノスタルジーを感じました。夏だけ親戚の別荘に集まって子供どうしで過ごすっていう設定が、めっちゃ青春だな……。


⑫ 金曜のバカ

『金曜のバカ』越谷オサム

中学の時に一度だけ学校図書館で借りて、途中まで読んで返した本。本屋で見かけてなつかしくなり、買っていました。ほっこりする短編が五本収録されているものの、内容はほとんど忘れていた……。当時も思ったけど、表題作の「金曜のバカ」がすごく好き。あらすじに「天然女子高生と気弱なストーカー」とあり、そうだったかな?と疑いつつも読んでみたら、本当にその通りだった。当時は何も気にせず読んでたけど、ポップで良い短編です。


⑬ 仇花とグランドフェイク

『仇花とグランドフェイク』八方鈴斗

ジャケ買いした本。軽い気持ちでページを開いたけど、めちゃくちゃ引き込まれる内容で面白かった……!!「左手で触れた物の残留思念を読み取れる」という特殊能力を持つ晶(美人!)が、元・奇術師の美青年と事故物件や水かけ魔事件などの謎を解き明かしていく話。晶の誠実に生きてきたところも、宍戸の飄々としたキャラもめっちゃ好き(お似合いすぎるから、もう二人ともつきあえばいいのに……!)。シリーズ化してほしい……。


今回の読書記録おわりです!
なんだか前回よりも感想が長めになっちゃった。まあいいか!

皆さんも楽しい読書ライフをお送りください!

次回は、【ひとこと読書記録・夏の始まり編】。
七月下旬ごろ投稿予定です。

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