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ひとこと読書記録・夏の始まり編

お久しぶりです、ここ最近めちゃくちゃ暑いですね。小説を読むのが大好きな女子大生・針夜ゆるです。

皆さん、いかがお過ごしでしょうか。私は、頭では「早く夏休みになぁーれ」と思いながら、手元では鬼のような量の課題レポートを書くべくキーボードをガチャガチャ言わせています。もう一週間ほど小説を読んでいません。

ですが、今月は忙しくなることを見越して先月あほみたいに読みまくっておいたため(二週間で10冊とか読んだ)、前回の読書記録に出てきた読了本の冊数とあまり大差ないです。

というわけで、六月後半~七月中盤の間に読んだ小説は12冊でした!

ラインナップは以下の通り。

【2023年6月~7月の間に読了した本】


私たちが星座を盗んだ理由(北山猛邦)


また、同じ夢を見ていた(住野よる)


檸檬先生(珠川こおり)


真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ(大沼紀子)


行きたくない(加藤シゲアキ、阿川せんり、渡辺優、小嶋陽太郎、奥田亜希子、住野よる)


世界でいちばん透きとおった物語(杉井 光)


心が折れた夜のプレイリスト(竹宮ゆゆこ)


東校舎、きみと紡ぐ時間(桜川ハル)


1095日の夕焼けの世界(櫻いいよ)


傲慢と善良(辻村深月)


そういふものにわたしはなりたい(櫻いいよ)


かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけのの平凡。(最果タヒ)


※感想にネタバレは含めていませんが、物語の内容に触れている場合があるのであらかじめご了承ください。




これは個人の感想です。




① 私たちが星座を盗んだ理由

『私たちが星座を盗んだ理由』北山猛邦

甘くて優しい話かと思いきや、ラストで残酷に裏切られる短編集……的なことがあらすじに書かれていたが本当にその通り。『恋煩い』の最後がゾッとした。表題作の『私たちが星座を盗んだ理由』は……なんかもう主人公のことが可哀想になった。ラストまで読んでも「どういう意味なんだ??」とよく分からない作品もあって、ネットで意味を調べて納得したりした。高度なテクニックが散りばめられてて、読み応え抜群。


② また、同じ夢を見ていた

『また、同じ夢を見ていた』住野よる

中学の時に図書室から借りて、一度読んでから、読んでいなかった作品。久々に読みたくなって買っちゃいましたね。内容は自分でも意外なくらいめちゃくちゃ詳細に覚えていたし、ラストがどういう結末なのかも何となく記憶していたけど、それでもぐいぐい読んでしまった。非常に面白かったぜ……。小学生だった時の空気感みたいなものを思い出せた。改めて、いま読むと主人公、めっちゃ賢い。あと、桐生くんが素敵。


③ 檸檬先生

『檸檬先生』珠川こおり

音や数字に色がついて見える小学生の男の子(少年)が、同じ感覚を持つ中学生の女の子(檸檬先生)と出会う話。数年前からずっと読みたかったので読めて良かった! 人と違うって大変なことだし、難儀することも多いだろうけど、檸檬先生たちが自分の感覚を作品に昇華しようとする姿勢が眩しかった。境遇も容姿にも恵まれていたはずの檸檬先生が、ああいう結末を迎えてしまったことがどうにもやるせない……。


④ 真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ

『真夜中のパン屋さん 午前0時のレシピ』大沼紀子

自由奔放な母親のもとに生まれ、幼いころから親戚や知人の家をたらい回しにされて育った、孤独な女子高生・希実。そんな彼女が、夜にやってるパン屋さんに居候することになる話。それぞれの人間関係にドラマがあって面白かった。最初はめちゃくちゃ尖ってた希実が、パン屋に来るお客さんとの一悶着で少しずつ心を開いていくところが良かったです。パン食べたくなる。シリーズものらしいので続きも読んでみようかな。


⑤ 行きたくない

『行きたくない』加藤シゲアキ、阿川せんり、渡辺優、小嶋陽太郎、奥田亜希子、住野よる

「行きたくない」をテーマにしたアンソロジー。表紙につられて購入。さまざまなシチュエーションを用いて「行きたくない」というテーマが活きた短編が収録されていて、読みごたえがあった。個人的に一番好きだったのは、奥田亜希子さんの「終末のアクアリウム」。哲大と佳緒の会話が微笑ましかった。まひろのことは普通にむかつくけど、全体的にしっとりとした優しい話。哲大と佳緒がどういう選択をしたのかが気になる……。


⑥ 世界でいちばん透きとおった物語

『世界でいちばん透きとおった物語』杉井 光

ツイッターでよく見かけるので気になって購入。ネタバレ厳禁と帯に書いてあるので、あんまり詳しくは掛かないけど、小説家の父が最後に書き残した「世界でいちばん透きとおった物語」という小説の行方を、主人公たちが追う話。「世界でいちばん透きとおった物語」がどこにあるのか、どんな物語なのか、早く真相を知りたくて仕方なかった。これは間違いなく、世界でいちばん透きとおった物語でした。


⑦ 心が折れた夜のプレイリスト

『心が折れた夜のプレイリスト』竹宮ゆゆこ

ジャケ買いした本。どういう内容の話かって言われると、けっこう説明が難しいんだが……。でも、簡潔に言えば大学生の主人公が飲み会で知り合った素性のよく分からない変態の先輩(男。ドM)と一緒に、ラーメン食べに行ったり、温泉行ったりしてる話? 先輩が本当に変態すぎて面白かった。穴雪ちゃんと主人公は上手くいくのかどうか気になりながら読み進めてた。ラーメンみたいにこってりと濃い青春小説でした。


⑧ 東校舎、きみと紡ぐ時間

『東校舎、きみと紡ぐ時間』桜川ハル

国語の先生に恋してしまった女子高生の話。年の差が好きなのでチョイス。『「I love you」を「好き」とか「愛してる」という言葉を使わずに訳せ』、っていう作中に登場した問題は、自分だったらどういうふうに訳すだろうか…とちょっと真剣に考えてしまった。先生のキャラが面白くて、主人公と先生のやりとりがかわいかった。マジで帯に書いてある通り、切ないのにキュンとして、ラストでは感動できる優しい青春恋愛小説。


⑨ 1095日の夕焼けの世界

『1095日の夕焼けの世界』櫻いいよ

優等生だけど、「空っぽ」な茜が高校三年間で変化していく様子を描いた物語。読んでいて、茜が加賀谷と衝突しつつも徐々に仲を深めていく様子とか、茜が切ない恋をする部分を読んで、この子は未熟ながらも本当に強い子なんだなと感じた。読了する時には、すっきりとした気持ちになれた。「高校三年間で、大人にはまだほど遠いけど成長できた」という一文で、私も無自覚だっただけで高校三年間で成長してたんだろうなと気づかされた。


⑩ 傲慢と善良

『傲慢と善良』辻村深月

去年、帯に惹かれて買ったものの、「ここまで分厚い小説あまり読んだことないしな……。あとで読もう」と正直ちょっと敬遠してた。でも、本を開いたら面白すぎて一日で読み終わってしまった。結婚の直前に姿を消した婚約者の行方を探していくうちに、彼女の隠されていた部分が少しずつ露わになっていく過程が気になって、一気読みだった。読んでて思ったけど、マジでタイトルが秀逸すぎる。真美みたいな子って結構いるのかもしれない。


⑪ そういふものにわたしはなりたい

『そういふものにわたしはなりたい』櫻いいよ

優等生で、皆の人気者だった睦月澄香。そんな彼女が、雨の日の川で流され、昏睡状態に。事故?自殺…?とクラスには動揺と衝撃が走り…。五人のクラスメイトの視点から、澄香とのエピソードが描かれているが、彼女に対して五人はそれぞれ優等生とは少し違う印象をもっているのが意外だった。当たり前だけど皆、色んなことで悩んで葛藤しているんだなぁ……。高田くんのパートが読んでて切なかったです。


⑫ かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡

『かわいいだけじゃない私たちの、かわいいだけの平凡。』最果タヒ

女子高生の魔法少女×アンドロイドの風紀委員という組み合わせが斬新! インターネットの力で魔法少女に変身し、ネットの悪意から生まれた魔物を倒している織田日月。そんな彼女が、校内のネットいじめやネットでのなりすましを解決したいアンドロイドの風紀委員・安楽と手を組み、校内のネットの風紀を正していくポップな青春小説。登場人物の名前が独特で面白かった。葡萄ヶ原って名字はじめて見た。最果タヒ節が炸裂している一冊。


今回の読書記録おしまいです! そして、大したことないお知らせがあります!

ほら、夏の文庫フェアやってるじゃないですか今の季節って。ナツイチとか。カドフェスとか、新潮文庫の100冊とか。

私は、あれが大好きでしょうがないので、あのフェアで取り上げられてる小説のなかで、私が読みたいものだけ選んで読んで【ひとこと読書記録・夏の文庫フェア編】、みたいな記事を書きたいと思います。

でも、フェアで取り上げられていない小説も普通に読みたいのでそっちも読んで、普通の読書記録も書きます(さすがに、二桁は読めんかもしれんが…)。

夏はじまったばかりですが、皆さまも、良い読書ライフを!

次回は【ひとこと読書記録・盛夏編】&【ひとこと読書記録・夏の文庫フェア(ナツイチ、カドフェス、新潮文庫の100冊)編】の二本立てでお送りします。
八月下旬ごろ、投稿予定です(が、九月にまで食い込む可能性もなきにしもあらずなので悪しからず…)。


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