新しいことに踏み出せる、仲間をつなぐビジョンカード
春から始まった実践的なチャレンジとしてご紹介した、和菓子素材の卸問屋・秀和産業さんとのプロジェクト。新しいビジョンを社内外へ伝えながら、共に産業を発展させるために進み続けています。
企業の考えを示し、共感を生むビジョンカード
秀和産業さんがこれから変えていこうと考えているのは、自社ではなく、自分たちを含んだ産業全体を対象としています。
各所から品物を仕入れ・届けながら見えてきた課題を新しい機会にしていくためには、関わる皆さんにもうなずいてもらえるような、ワクワクを持った共感が欠かせません。
私たちは、企業の活動そのものが直接タッチポイントになっているという大きな強みを活かし、その物流のコミュニケーションの中に盛り込むことができるビジョンカードを提案しました。
和を盛り上げたい思い、どう伝える?
理念や思い、信条を伝えるカードといえば、クレドカードのようなものが有名です。しかし、今回は自分たちの在り方や思いを伝えるだけではなく「一緒に盛り上げていきたい」と思ってもらいたい。カードを手にした人に何をしようとしているのか理解できる内容である必要があります。
そしてもうひとつ重視したのは、手に取った後もつい見返したくなる、後から話題に登ったり、社内でも「あの◯◯の」と、理念を代名詞で話せるぐらいの見せ方ができるビジョンカードを作っていこう!と考えました。
カード以外にもインフォグラフィックや製品パッケージ、タグなど、色んなものからアイデアを膨らませて、カードの構成を検討していきました。
パートナーシップを強固にするビジョンカードへ
ビジョンカードは、全部で12枚の構成にしていきました。
●メッセージ ビジョンカードに込めた植田社長のメッセージ
●インデックス カードの全体像を示すカード
●8つの理念 個々の理念を示すビジュアルとメッセージ、実行目標
●秀和物語 舞台裏が伝わるような日常のエピソードを2つ
8つの理念を表すカード
インタビューを通して浮かび上がってきたものを、分類・概念化。ビジョンカードへの編集には、サービスデザインの現場で企業の未来創造をし、新しいビジネスモデルを生み出すサポートをしてきた知見が活きています。
また、理念をうたえる代名詞として伝わるように、カードにはそれぞれの理念が示すイメージを、概念的なアイコンとして載せています。歴史ある和の文化を受け継ぎ、新しい発展を想起させるアイコンで、カードをお渡しするパートナーたるお客様との会話のきっかけを生み出していきます。
問屋が担う「届ける」ことを、新しく捉え直す
お話をうかがっていると、植田社長は素材の生産者、加工メーカー、店舗など、和の産業を取り巻く全てに対して、どうにか盛り上げていけないか?と考えていました。問屋さんとしての視点ではなく、産業全体を見渡したエコシステム自体を見直そうとしているのです。
問屋は品物を仕入れ、卸すのがメインの仕事。先代社長の頃から長く働き続けている従業員さんを含めて、足を運び各社・各店舗に出向いている皆さんが長い間培ってきた信頼関係。この関係性があるからこそ聞こえてくる課題。それを新たな機会に変えていくために、問屋としての商売に留まらない試みを動かし初めています。
日本全国のお客様に、共に創る未来像を届ける
ビジョンカードは全国4,000件のお取引先様へ、お品物を仕入れたり、届けるときに一緒に渡っていきます。
変革を迎えて共に変わって行こう、盛り上げていこう!という思いと、新しいチャレンジも、ビジョンカードは広く広く伝えていくものになるはずです。
この先、ビジョンカードがどんな場面を生み出したか? お伝えできることを楽しみにしています。
(三澤・沼野・川村)
●前回のお話
●サービスデザインを支援するグラグリッドの事業
●サービスデザインとは?
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