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関係者の想いを可視化する「ビジョンマップ」を活用し、地域のこれからを考える。

グラグリッドの「笑門スタヂオ」がある大田区では、1年に1回「おおたオープンファクトリー」と呼ばれる、たくさんの町工場がオープンになる体験イベントが開催されます。

「笑門スタヂオ」は「自立共生の社会実験プレイス」というコンセプトの元、「ザクロの収穫」や「地域デザインワークショップ」を通じて、人と人がつながり、コミュニティを醸成していく過程から、生活文化に根ざした価値創出を目指してきました。

そんな社会実験を続ける中で、グラグリッドの培ってきたノウハウを活かし、私達の本拠地である大田区の一大イベントをより磨き上げていきたい!という思いを抱き始めました。

そして今年度、グラグリッドは「おおたオープンファクトリー」に事務局側にサポーターとして参加することとなりました!さらに、この活動にはグラグリッドだけではなく、三澤が講師を務める武蔵野美術大学(以下、武蔵美)の学生さんも加わり、産学共同プロジェクトという形で「工場の磨き上げプロジェクト」に取り組むこととなりました。

磨き上げプロジェクトとは?

工場の魅力を、おおたオープンファクトリーの来場者にどのように伝えていくのか。工場で働く方たちとともに考える。それが「磨き上げプロジェクト」です。

武蔵美以外にも、横浜国立大学や東京都立大学、私達グラグリッドのメンバーも「磨き上げプロジェクト」に参加し、大田区の工場を見学、インタビューを実施し、第三者的な視点から工場の魅力を探っていきました。

工場内を見学している様子
工場見学後に作戦会議をする学生たち

磨き上げプロジェクトの成果として、武蔵美では、それぞれの工場の魅力、こだわりを1冊ブランドブックとしてデザイン。その他の大学では、おおたオープンファクトリー当日の展示内容や、ワークショップでお披露目されていきます。

今回は、この磨き上げプロジェクトの終盤、武蔵美の学生とともに描いた大田区のビジョンマップについてご紹介します。

ビジョンマップの検討

工場の見学やインタビューを通じて、現在の大田区の状況や工場同士の繋がり、工場で働く方々の想いを知りえた武蔵美の学生の皆さんは、大田区を盛り上げて行くためのアイデアを各々胸に秘めていました。

そこで、工場の魅力をオープンファクトリーの来場者にどのように伝えていくのか?を考えるだけでなく、将来、大田区「ものづくりタウン」を「おおたオープンファクトリー」がどのようにリードしていくのかを考えるワークショップを実施しました。

おのおので、アイデアを書き出す

2050年のオープンファクトリーはどのような姿をしているだろう?というテーマのもと、各々胸に秘めていた活動のアイデアや、つながり方のアイデアなど、様々なアイデアが書き出されていきました。

もやもやしていたことが、アイデアに転換されていく!

これらのアイデアを共有しながら壁に貼り出していくと、それぞれのアイデアの似ている部分、面白い部分ががどんどん見えてきて、新たな刺激となり、また新しいアイデアが生まれてきました。

壁一面に貼り出された未来の大田区、未来のオープンファクトリーのアイデア

2050年のオープンファクトリーの姿を想像して、さまざまなアイデアを出していましたが、このように貼り出してくると、さまざまなことに気づきました。

オープンファクトリーのイベントとしての機能だけではなく、街中にロボットがいる風景、街頭で演説している人がいる風景、新しい標識がうまれている風景。これらは、個別のアイデアを超えて、ひとつの町の風景のように思えてきます。

そこで、バラバラな紙に書かれたアイデアを、わたしたちは、1枚の未来の風景画として描いていくことにしました。
こうして出来上がったものがビジョンマップです。

2050年のおおたオープンファクトリーをイメージしたビジョンマップ

大田オープンファクトリーで出店するお店のアイデアが描かれ、参加した人々がどのようにオープンファクトリーを楽しんでいるのか?
出店している工場のみなさんが、どのように連携し、参加者のみなさんとどのような交流が生まれているのか?

まちづくりタウンでは、オープンファクトリーだけではない街全体としての取り組みとしてどのようなコミュニティづくり、まちづくり、ブランドづくりがされているのか?

活動の取り組みだけでなく、より活動を周知し、仲間を増やしていくための発信はどのようにされているのか?

アイデアを共有しあう中で議論された内容もビジョンマップに追加していき、各々が胸に秘めていた「ものづくりタウン」への思いが1枚に集約されていきました。

そして、共有されたアイデアをビジョンマップとして描いていくことにより
大田区が「ものづくりタウン」として「取り組むこと」だけでなく、「どんな街になっていたいのか」という大きなビジョンが見えてきました。

完成したビジョンマップを前に、みんなで話し合っていたとき、
学生から「学生だけでビジョンマップを作ったけど、工場で働く方々にも参加していただき、ビジョンを一緒に話していきたい」という意見が出てきました。

各々の想いを共有しあうことで完成するビジョンマップは、作る過程で、別々の方向を向いている参加者が1つの大きなビジョンを見ることができるという側面があります。

このビジョンマップがあることで、
この場にいない人ともビジョンを共有することができる!
学生はそのことに気づいたようでした。

この先、学生だけでなく大田区で活動されいる方々や、地域の方々も含め、ビジョンマップを見ながら「ものづくりタウン」としてのコンセプトや方針などを検討し、みんなで一緒に大田区を盛り上げて行くことができると良いなぁと思っています。

11月25日に開催される「おおたオープンファクトリー」では、今回描いた2050年の大田区の風景(ビジョンマップ)や、触れる試作品などで表現し展示します。

活動に興味がある方、ビジョンマップに興味がある方、
皆様ぜひ!遊びに来てくださいね!
グラグリッドの「笑門スタヂオ」でお待ちしております!

(川村)


▼グラグリッドの様々な実験については、こちらから御覧になれます。

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