「自分達らしさ」こそ、10年続く組織に必要なビジョンデザインの肝
昨年2021年10月に10周年迎え、次の10年に向けて動きだしたグラグリッド。
お世話なってきた皆さまにご挨拶をしている中で「10年続く秘訣はなんですか?」聞かれることがあります。
誠実さ、懸命さ、広い視野に深い洞察、挑戦する心など、いろいろあるかもしれませんが、私達がこれまで大事にしてきたことを、せっかくのよい機会なので、記事にしておきたいと思います。
「自分達らしい姿」を追求してきた10年間
ふりかえるとたくさんの分岐点。そこでの判断や選択の一つひとつが、会社の基盤をつくり、事業の姿を形づくっていきました。気づけば、私達がやるべきこと、私達がやってはいけないこと、自分達らしい姿が明らかに。
“10年続く”という理由に関係あるかはわからないけれど、「自分達らしい姿」は、辛い時に心の支えとなり、手抜きをしそうな時に目を覚ましてくれる刺激となりました。そして今は、どんな未来をつくっていきたいのかを考えるための大事な指標にもなっています。
私達の目標は、売上やKPIではなく、いつも「自分達らしい活動をし続ける」ことでした。(もちろん、売上もあげるけど、自分達らしく。)
だから、きっと「自分達らしい姿」があること、「自分達らしい姿」を追求し続けることは、会社が長く続くためにとっても大事なことなんじゃないかと思います。
10年の活動を支えた、私達らしさ
私達は、ウェブサイトに「グラグリッドの大切にしていること」として5つのポリシーを掲げています。
これらのポリシーは、たくさんの失敗や、葛藤を経験した上で、自分達で大事にしていこう、と決めたことです。このポリシーがあったことで、少し常識から外れたことも、自信をもって進んでくることができました。
私達らしさ1:徹底的に楽しもう!そのために知恵も努力もアホな姿も惜しまない。
例えば、「楽しむ」ということ。
私達は、仕事の仕方、考え方、飲み会の方法にいたるまで、あらゆることを楽しむために、徹底的に考え提案、準備します。どうすれば、みんながワクワクできるのか?自分がドキドキできるのか?真剣に考えています。
クライアントのみなさんに「こんな風に楽しく仕事ができるなんて思ってもみなかった」「ずっと一緒にやりたい」とおっしゃっていただけるのも、そのせいかもしれません。
そして、楽しむためには知識も度胸も応用力も必要であることを知っています。楽しんでいくためのチームのありかたを模索する日々です。
私達らしさ2:思考をゆさぶれ!抽象化と具体化をいったりきたり。
例えば思考法。
私達は、ひとつの物ごとを考えるとき、具体論と抽象論、両方を行ったり来たりして考えます。具体的には何が起こっているのか?この現象にはどんな意味があるのか?2つの視点で物事の本質を探求します。
この思考法は、デザインワークの中では特別珍しいことではありませんが、私達は、プロジェクトのふりかえりでも、夕礼でも、趣味の話でも、それを習慣的にやっています。新しいメソッドを開発したり、さまざまなデザインツールを生み出していける文化はここにあるのかもしれません。
私達らしさ3:チャレンジしよう!やってみたいことを抱えて過ごす
例えば、研究開発。
私達には、1年に1回自分のやりたいことをプレゼンし、予算化&プロジェクト化できる機会があります。やってみたいこと自ら提案し、仲間を集めて動いていく活動方法は、誰かに言われて誰かのためにやる活動とは全く異なり、多くの成果を生み出しています。
具体的には、新しいツールを開発してクラウドファンディングにチャレンジしたり、溜まってきたノウハウでウェブサイトをつくってみたり、メタバースの研究会を立ち上げてみたり。小さくはじめたチャレンジが、提案性のあるかたちで、成果を生み始めています。
ビジョンデザインの肝は、「自分達らしさ」の再認
そして、改めて思います。
この「自分達らしさ」って、実はとても大事なことなんじゃないかと。それは、ビジョンデザインのお仕事の中でも感じていたことでした。
私達たちは、幸運なことにこの2年ほどビジョンデザインのお仕事をする機会に恵まれてきました。社会環境や人々の価値観の激変に伴い、会社の存在意義を見つめ直し、中長期戦略を練り直すお手伝いをしていくお仕事です。
このビジョンデザインで最も厄介なのは、自分達の会社の存在意義を研ぎ澄ましていくプロセス。「今までやってきたから」とか「売れたから」という理由が通じない世界。「なんのためにやっているのか?」「社会をどうしたいのか?」を、一人ひとりの人間として思考しなくてはいけません。
そんな時に、まさに大事になってくるのが「自分達らしさ」を原点や経験を紐解きながら考えていくプロセスです。
経験をうけとめ、選択をしてきた人のみが見つけられる「自分達らしさ」
しかし「自分達らしさ」は、どんな人にでも見えるものではありません。
経験をとおして深く考え、選択してきた人のみが気づくことができる、尊いものだったりします。
独自のストーリーを持ち、そこで考えたことを語っていけるということは、真剣に生きているからこそできること。だから尊くて価値がある。
経験に意思があれば、道になる。
失敗も成功も知見となり、組織の姿を形作る。
そうして、自分達らしさが見えてきます。
今こそ、自分達らしさを考えるチャンス
私達は10周年という契機に、自分達らしさを改めて見つめ直すことができました。そして、これからの10年間は、いままでの延長線上にはない、新しいビジョンをもって進んでいけると確信しています。
ビジョンデザインは、新しい道をつくり照らしていくことができます。
この、行き先が見えない時代にこそ、足元を、根っこを、見つめ直してみる好機なのではないでしょうか。
(三澤)
■関連情報
グラグリッドの「ビジョン創出支援事業」
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