普通のシングルマザーがフェスを夢にする-音楽と共に歩んできた no.7《泉州のダンスホール》
泉州のレゲエイベント
それだけではなくライブに
足を運ぶようになって
それはより明確になった。
泉州にある「DOWNTOWN」というクラブ。
大阪はレゲエのシーンが昔からアツい。
特に泉州はレゲエタウンと呼ばれるほど、
レゲエ好きが多く、
親が聴いていることから
子の世代へ繋がっていっている
日本でも特殊なエリアだと思う。
夕方からのイベントだった。
ゲストは、先述した
20年私がずっとファンでいるアーティスト。
Spinna B-ILLさん。
そのアーティストの、
ずっとイヤホンを通して聴いていた歌声を
15年ぶりぐらいに生で聴いた。
聴き込んだ音楽でも、
ライブとなればそのアーティストの息遣いや
感情がリアルに伝わってくる。
痺れた。
ダンスホールってこういうことか!
レゲエの現場では、
客が一体となって楽しむ文化がある。
人生の喜怒哀楽を、
1つのイベントの中で音楽を通して感じ
共有する時間なんだと、、
とあるサウンドマンが話していた。
音楽をかける人、
レゲエのシーンでは
サウンドマンというのだが、
その人が曲の紹介をし、
いい曲がかかったら客が喜び、
全身でその曲に陶酔する。
サウンドマンは
他のジャンルの音楽のDJと違い、
マイクを握り、
音を止め、
自分の主張したいことを話す。
その場にいるみんなが1つの家族のように
仲良くなる、
前向きで温かな空間がそこにはあった。
「個」で聴くのではなく、
「一体」となって音を楽しむことが
こんなに幸せな気分にさせてくれるとは!
私はその魅力にどっぷりハマってしまった。
演者は皆、自分のいる土地や、
他のアーティストをリスペクトしている。
そして、レゲエが本当に大好きな人たち
ばかりだった。
この日、主催したKING JAMの
pikkalさんとの
出会いも大きかった。
いい意味ですごく普通の人で、
でも世界のいろんなところでプレイする
すごい人だ。
地元を盛り上げるため、
レゲエシーンを盛り上げるため、
みんなと総力戦で
あがっていくんだと言っていた。
とにかく前向きで、全力。
生き方に尊敬した。
当時カルチャーを深く知らずに
聴くのを遠ざけてしまったことを
少し後悔した。
日本ではまだまだマイノリティーな
シーンかもしれないが、
今のエンタメ業界と真逆をいくような
土臭い温かさに、何か可能性を感じた。
魔法にかかる時間
飲食店同様、
ライブにはその一瞬だけの
魔法のような瞬間がある。
それは1人では絶対に生まれない。
提供する側の準備、
聴く側が合わさった時のグルーブ、
音楽は時にその一瞬から心を動かす
とてつもないパワーが生まれる瞬間がある。
自分らしい関わり方
ずっと音楽と歩んできた人生を振り返り、
自分なりの向き合い方で
関わっていきたいと思うようになった。
関わっていくことは、
飲食の世界だけで働いてきた自分を、
型にはめず自然体でいれることだとも思った。
そんな中、私は1つの決断をする。
経営していた飲食店とは別に、
自分だけで間借りの店「花盛栄場」を
始めたのだ。
カウンターと小さな席が2つある、
駅近くにある日本家屋の
ゲストハウスが外付けで作った場所を借りた。
ロゴは同じ奈良出身のレゲエシンガー、
武くんにお願いした。
自分にできることは、料理。
音楽に合う料理を作って、
好きな音楽をかけたり、
MIGHTY JAM ROCKのTAKAFINさん、
ONEDERくんにライブをしてもらった。
自分らしさを前面に押し出した。
それはとても楽しかった。
その中で、
いつしかその規模を大きくしていきたいと
思うようになった。
あとがき
ライブしてもらった
TAKAFINさんの一番好きな曲。
ONEDERくんは、
ビルさんの時と同じくらい衝撃を受けた
アーティストです。
好きな曲は本当にたくさんあるのだけれど、
この「HANA」という曲を
一番聴いてるかもしれません。
これはまだデビューしたてだと思うのですが、
情熱がすごくて音楽って上手下手だけで
済まされないものがしっかりあると
思いました。
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