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ジュニアアスリートメディカルサポート通信Vo.6 〜小中学生の貧血を評価/改善する〜 

ジュニアアスリートメディカルサポート代表の宮田大揮です。我々は、小中学生のアスリートをサポートして5年ほどが経ちました。2024年7月から、クローズされていたサポート体制をウェブ上にオープンしました。具体的には、医学の力をジュニアアスリートの能力を最大限引き出すためにフルコミットする形で使っていこうというのがコンセプトで、アジアから世界に誇れる選手を様々なスポーツで輩出することを目的としています。

 第6回では「小中学生の貧血を評価/改善する」を話題に取り上げたいと思います。ジュニアアスリート としてトレーニングしている陸上選手やサッカー 、ラグビー選手、生理などが始まってきている女子アスリートは貧血(特に鉄欠乏性貧血)が起こりやすいと言われています。
 スポーツ選手では、鉄欠乏性貧血が多く、一般人に比べて大量の汗をかくや筋肉量が増加し、鉄の利用が増加するために相対的に減少するためと言われています。また、剣道などを初め陸上などでは、行軍ヘモグロビン尿症候群と呼ばれる症状があり、激しい運動で足の裏の毛細血管内で自分の赤血球が破壊されるために溶血性貧血を発生することがあります。

 実際に当施設でサポートしている総数からすると、実際に検査値から貧血がある人は全体の20%程度にも及び鉄が不足している潜在的な鉄欠乏性貧血の選手まで広げると40%にもなります。
 では、貧血を認めた場合にどのように対応していくか?ですが、すぐに治療として鉄剤を開始するわけではありません。もちろん、貧血の程度にもよりますが、潜在的な鉄欠乏性貧血の場合には食事量や成長発達の聴取を行います。食事量が少なかったり、成長ホルモンが相対的に少ない場合は、成長ホルモンの補充や食事量の是正(腸管トレーニングのnoteもご覧ください)で1ヶ月ずつ改善していくのが手にとるようにわかるので、鉄剤は胃の負担が多いので安易に始めることは気を付けています。

 貧血についてはあまり数値が低い場合は、治療し改善すると明らかなパフォーマンスの向上を感じることができますが、我々のサポート体制では、貧血の症状を発生させない予防に力を入れているため、治療やカウンセリング、栄養指導で劇的なパフォーマンスの向上を感じてもらうことは少ないです。これは、古くからスポーツで起こりうることがわかっていることなので、発生させないことに力を入れています。医学の中では「未病」と言われる領域ですね。病気になる前に防いで行くので、予防医学の分野になってくるので、小中学生ではやはり医療保険の対象からは外れてしまいます。

このようなことに医学的にフォローすることは日本の保険診療ではできませんので、小児科などで相談することができない側面もあり、我々は2024年7月からジュニアアスリートメディカルサポートとして一般向けにオープンいたしました。ご興味のある方はぜひとも下記サイトもご覧ください。


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