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ジュニアアスリートメディカルサポート通信Vo.4 〜身長を伸ばすために必要な消化管の準備〜 

ジュニアアスリートメディカルサポート代表の宮田大揮です。我々は、小中学生のアスリートをサポートして5年ほどが経ちました。2024年7月から、クローズされていたサポート体制をウェブ上にオープンしました。具体的には、医学の力をジュニアアスリートの能力を最大限引き出すためにフルコミットする形で使っていこうというのがコンセプトで、アジアから世界に誇れる選手を様々なスポーツで輩出することを目的としています。

第4回は「身長を伸ばすために必要な消化管の準備」という題名について取り上げていきたいと思います。最近話題になりつつある「身長医療」ですが、背を伸ばしたいという子供に医療の介入を行いサポートしていくことの総称を指していると思います。ジュニアアスリートにとっても身長が大きいことはアドバンテージが大きいので、サッカーのメッシ選手のように成長ホルモンなどを用いる医学的介入を検討される方もいらっしゃるのではないでしょうか。
 我々の施設でも身長にアプローチすることも一つのサポートとしておこなっておりますが、ジュニアアスリートにとって大切なことは、成長期に入る前と後で分けて対応しています。特に小学生の段階でどれだけよいサポートができるか?がその選手の将来を決めるといっても過言ではなく、女子選手であると小学校3、4年生くらいまでにはサポートを開始しておきたいのが本音です。

 では、小学生で必要な身長を伸ばすために必要なアプローチとは一体どんなことなのでしょうか?それは、ズバリ「腸の準備」です。アスリートを目指す子供たちは、成長期に入り、身長を伸ばすためにタンパク質が必要と知り、食事を意識することになるのですが、そのときに一生懸命食べ始めても消化・吸収する腸の準備が整っていないため、食べても吸収できずに便中に栄養素が逃げてしまっているケースが多々あります。
 人間は、食事を摂取すると胃酸で溶かし、胃→十二指腸→大腸という過程をとり、それぞれの部位で必要な栄養素が吸収するのですが、腸管にある微絨毛という組織が未発達であると吸収の効率が悪くなります。また、たくさん食べると下痢をしてしまう人がいますが、下痢を繰り返していると微絨毛が剥がれ落ちるような状態となり、再生されるのに時間がかかってしまい一向に吸収能力が高まらなくなります。

 一般的に男子であれば中学生、女子であれば小学5、6年生に成長期に入っていくため、そのタイミングで消化吸収能力が一定レベル以上に達していることが、身長が最高到達地点に届くための第一歩となります。つまり、「子どもの身長が低いのは両親のせい?」で取り上げた成長ホルモン治療のみでは十分な効果がでないことを示しており、成長ホルモン治療と腸管トレーニングはセットであり、成長期に入る前の準備というのがとても重要になります。

 実際に、医学的に腸管の発達段階をどう評価するか?ですが、当施設で便の性状を確認し日々の消化吸収能力を評価したり、成長段階を評価する血液検査で栄養状態を評価する項目を調べることで腸の成長段階を数値化し、着実に成長しているかどうか?栄養士の方にもサポートを受けながら、成長期にむけて腸管の準備をしていきます。
 もちろん、たくさん食べていれば良いというわけではないのですが、ジュニアアスリートはトレーニングで失ったエネルギーを補いながら、身長を伸ばすために必要なタンパク質まで摂取する必要があり、普通の運動量の同年代の子供たちよりもはるかに多くの食事を摂取し、かつ消化・吸収しなければならないという事実があります。

このようなことに医学的にフォローすることは日本の保険診療ではできませんので、小児科などで相談することができない側面もあり、我々は2024年7月からジュニアアスリートメディカルサポートとして一般向けにオープンいたしました。ご興味のある方はぜひとも下記サイトもご覧ください。


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