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ジュニアアスリートメディカルサポート通信Vo.5 〜ジュニアアスリートの腸はまだまだ未熟。それを意識した栄養摂取の話〜 

ジュニアアスリートメディカルサポート代表の宮田大揮です。我々は、小中学生のアスリートをサポートして5年ほどが経ちました。2024年7月から、クローズされていたサポート体制をウェブ上にオープンしました。具体的には、医学の力をジュニアアスリートの能力を最大限引き出すためにフルコミットする形で使っていこうというのがコンセプトで、アジアから世界に誇れる選手を様々なスポーツで輩出することを目的としています。

 第5回では「ジュニアアスリートの腸はまだまだ未熟。それを意識した栄養摂取の話」と言う話題を取り上げたいと思います。第4回で腸を成長させることの大切さをお伝えしましたが、逆を言えば小中学生の胃腸はまだまだ未熟であることを表しています。
 世の中にはジュニアアスリートに向けた栄養士の方の情報がとても多くありますので、基本的にはそれを尊重していただいて良いと我々は考えております。ジュニアアスリートメディカルサポートは医学的なバックアップをすることをメインにしており、管理栄養士の方にも支えてもらいながらバックアップシステムを構築しているので、相反するものはありません。

 今回、話題にしておきたいのが、未熟な腸管に効果的にエネルギー源を補給する方法をお伝えしたいと思います。タンパク質の摂取が身長医療に重要であることは前述の通りですが、ジュニアアスリートは脂肪酸についても注目しておく必要があります。脂肪酸には種類がありますが、MCTと言われる中鎖脂肪酸は未熟な腸管にとっては、吸収速度も早く、持久力をはじめとするエネルギー源ともなるためすごく有効です。

中鎖脂肪酸は、小腸の毛細血管から吸収され、門脈(肝臓の血管)を介して肝臓に流入し分解されていきます。肝臓で分解吸収されるため、エネルギーへ転換される速度が速く、一般的な油の成分である長鎖脂肪酸の約4倍と言われており、脂肪組織として蓄積されにくいためにエネルギーとして利用される効率が良いものになります。

もう一つは、短鎖脂肪酸になります。これは、運動に興味を持っている方ですとご存知の方が多いかと思いますが、Aubと言う会社が出しているアスリートの腸管を整えることが、健康を維持し、運動能力を高める可能性を広めていますが、このサプリメントがメインターゲットとしているのが短鎖脂肪酸になります。

短鎖脂肪酸は、腸内環境を安定化させる働きがあり、医療界でも古くから注目されていましたが、Aubはアスリートに注目し特に長距離に関連するアスリートは優位に短鎖脂肪酸が多いことを見つけ、そこにできるだけ多くの腸内細菌を定着させることでアスリートをサポートしています。最近になりジュニアアスリートにも広げてくれているようですので、ご興味のある方は上記サイトから確認してみてください。

 MCTの効果的な摂取方法や短鎖脂肪酸については管理栄養士の方などが出されている著書などを参考にしていただければと思います。ちなみに自分は、子供たちにMCTを含むお菓子の摂取を勧めています。管理栄養士の方の著書では、運動後の補食についても多く記述されており、「カステラが最高のエネルギー補給になる」と書いてあるものもあり、大変興味深く読んでいます。
 
 今までの栄養管理指導についてはどうしてもPFC比(タンパク質、脂質、炭水化物の比率)に注目が挙げられがちでしたが、脂肪酸もジュニアアスリートには大切で、そのMCTなど脂肪酸の種類も大切であると言うマニアックな話でした。腸内環境を調べたり、日々の食事トレーニングや脂肪酸を意識してとっていることが効果が出ているのか?などを確認することも我々は同時にサポート内容に含めています。

このようなことに医学的にフォローすることは日本の保険診療ではできませんので、小児科などで相談することができない側面もあり、我々は2024年7月からジュニアアスリートメディカルサポートとして一般向けにオープンいたしました。ご興味のある方はぜひとも下記サイトもご覧ください。


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