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どいつもこいつも

※この物語はフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係がありません。


 「もう無理!」と絶叫し、聡子は大ジョッキをテーブルにバンと置いた。修正すべき資料が山のようにあり、飲み会でのストレスが最高潮に達していたのだ。

「なんでこんなにうまくいかないの?」と、怒りに震える聡子。

その怒りに同情しつつも、彼女の話に耳を傾けるのは大学時代からの友人たち。

業務の話になると、「これでコピーすれば終わり!」と、資料作成を終えた安堵の表情を浮かべてコピー機へ向かう聡子。そこにはれながおり、「紙がなくなっちゃって。補充してくれる?」と優しく頼む。


だが、コピー機からは異音が…ピーピーピー。故障のサインだ。


「あらら、壊れちゃったみたいだね。修理には1週間かかるかもよ」と、れなが明るく、聡子に伝えた。




「その話って、完全にコピー機が悪いわよね」と、同級生たちは話を聞きながら笑いをこらえていた。

「だって、あと一歩で印刷して完成だったのに」

「ねえ、それで提出できなかったけど、上司に何か言われたの?」

「実はね…」と聡子。





何やら焦って上司のオフィスへと向かっている。その様子を見た聡子は、何か問題が起きたのではないかと心配になった。



時間が経ち、れなはオフィスに戻ってきた。いつもの明るい表情はどこかに消え、代わりに困惑が顔に浮かんでいた。聡子に近づき、言葉を選びながら話し始めた。「ごめん、急ぎの資料だったよね。任せて、俺が何とかするから!」


聡子は少し驚いた表情で応えた。「えっ、本当に?ありがとうご、ございます」と感謝の意を表した。



話題がその人になると、同級生たちは「いい人そうだね、もしかして何かあるの?」とからかい始めた。


お酒が回ったのか、それとも別の何かが原因か…。



いやっ酒のせいか、聡子の顔はみるみるうちに真っ赤になっていった。





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