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ジョアンメソッド導入半年の成長〜定期考査は基準があるから採点ができる〜

10月は4月から学校が始まる人にとってはちょうど半年の節目の月になる。自分も、4月に職場が変わって半年。幸いなことに環境には恵まれている。毎日人工芝で練習ができ、週末の公式戦や練習試合もホームゲームが多い。GKも5人と少人数なのでカテゴリーわけを気にすることもない。来週のトレーニングを終えると技術サイクルが1周するのと、ここ最近GKたちの成長を感じるので節目の備忘録。

①GKコーチが変わる
「GKコーチが変わると言われることが変わる」というのはGKあるあるだと思う。例えば「トレセンでOKと言われた技術がチームではNGだと言われる」というような感じだろう。TwitterではGK関係者同士で皮肉を言ったり否定しあったり喧嘩をふっかけるようなことはしばしばある(昔自分もそういう痛い時期もありましたが。。。)がそれはネットだから表面化しているだけでよくある話で。まぁ、とにかくGKコーチが昨年までと変わったGK5人は今までと求められる技術が変わったのでディスカッションする機会も多かったしぎこちなくプレーすることも多い半年間だった。WindowsからMacに変えた時もこんな感じだったな〜笑 馴染むと明らかに早くなるところも同じ。

②「キャッチ」
4月はキャッチの練習しかしない1ヶ月だった。それまで、取れれば「OK~!」こぼせば「しっかり〜!」だった無頓着キャッチを素手で1から練習したのはキャッチングの技術の向上以上に、「技術に対するこだわり」を持つことの大切さを高校生が学べた1ヶ月だったと今振り返るとそう思う。それ以降さまざまな練習や試合に取り組むわけだが、意識の部分を変えるきっかけはこの1ヶ月だった気がする。

③「ポジショニング」
最初に基準を提示した時は「絶対ループシュート打たれまくる」と5人が口を揃えて質問し「FKでここに立ったら直接打たれる」と必死に反論してきたのが懐かしく思える。半年間の試合と練習の映像は全部自分のパソコンに残っているのだが、いわゆるループシュートで失点した数はここまで0。1対1の練習をしてからはエリア内のこぼれ球にBでアタックする回数と、FKのボールをインターセプトする回数は明らかに増えた。

④「メンタル」
キャッチのところでも書いたが、GKたちがこの半年で最も成長したのは「メンタル(頭・心)」の部分だと思う。「なんとなく」で今までやっていたことに対して「こだわり」を持つ。自分にしか気付けないようなエラーに気づく。他のGKができているかできていないか伝える。最近では自分が突っ込もうと思ったことを先回りして言われたり、自分が気付けなかった現象を指摘したりすることが多くなってきた。ピッチ外でも今までYouTubeでスーパーセーブ集しか見てなかった子がJリーグのゴールシーンを見て分析するようにもなってきた。
そんなことを実感する中まさに本日。Bチームのリーグ戦が最終節を迎え、2位との直接対決を制して優勝を決めることができた。(Aチームが優勝できなかったので昇格はなし)。スコアは1−0。現地で指揮をとったコーチから「今日のMVPは間違いなくGK」と言う試合だった。実際映像を確認するとPKストップ含む4つのビックセーブがなければ負けていてもおかしくない試合だった。ただ、試合を終えて帰ってきた本人はPKを止めたことを誇りつつも試合で出た課題を1つ1つ報告してくれた。5人の中で一番「感覚派」で「ノリが軽い」彼が(小さい世界ではあるけど)大一番で結果を出したのに反省の弁が出てくるとは4月には考えられないことで大きな成長を感じた。

⑤成長の理由
もちろん、今の時点で完成ではないしまだまだ伸び代しかない子達だし、自分ではないもっと優秀なGKコーチが見れば今の時点でもっとすごいGKになっているんだろうなと思うことも多々ある、と言うかほぼ毎日思ってる。ただ、客観的に見ても4月から彼らが成長したのは事実でそれはただ毎日練習していたからではないと思う。一番の要因は「採点基準が日々の練習で明確になっている」からだと思う。「いいものはいい、ダメなものはダメ、それはなぜか」を理解しているから他人のプレーにフィードバックができるし自分のプレーの良し悪しを気にすることができるのだと思う。どのようにキャッチするのか、それはなぜか。どこに立つべきなのか、それはなぜか。それを理解しているから自分ができていないことを修正することができし、他のGKがやっていないことを指摘できる。(いや、でも1年生が3年生に指摘するとか自分の高校時代には絶対できないな。3年生が素直なのか1年生が頭おかしいのか。。。両方だな笑)要は「頭⇨心⇨体」の順番でトレーニングすることが大事でそれがある程度はできた半年間だったと思う。次の半年はより早く成長曲線を描けるように準備したい。


とまぁ自分が今のチームでGKコーチになってからの半年を振り返って見たわけですが、何を隠そうジョアン・ミレッの教えが大きいのは間違いないわけでありまして。今もジョアンの講座を継続して受講しているわけですが、なんだかんだでピッチでの技術論はもちろんですがそれ以上に座学でやった心構えというか、「GKとは何か」というGK概論の方が自分としては大事にしなければいけないなと思ってます。あとは、ジョアンだけでなく、自分が煮詰まっている時に無表情なタメ口でサポートしてくれる年下の奈良県民を始め仲間がたくさんいるのもありがたいことだと思います。
それと同時にここ数年は「GKのことは一度ジョアンだけに染まる!」と決めていたので他の流派(?)のGK関係者からも勉強して幅を広げていきたいなと思います。

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