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#84 プロクラブと街クラブで重要なスキルの差。

こんばんは。
最近感じたことをまとめようと思い、書いていこうと思います。

・街クラブで苦労すること
ドイツでも、日本でも、割合的に大半のサッカーコーチは街クラブでの活動が主である。
ドイツでのブンデスクラブや日本でのJクラブでの所謂プロコーチはほんの一握り。
プロクラブと街クラブではそこにくる選手の気持ち、ヤル気、サッカーへの向き合い方など精神面のことや技術、戦術などのサッカー選手てしてのスキル面のことが変わってくる。

特にサッカーへの向き合い方は違うわけである。

SVホッホドルフU19は街クラブである。
18.19歳になると、サッカー以外のことにも興味が出てくる。
日本では高校サッカー引退し、大学に入ると酒を飲み始め、遊びを覚える。または忙しい大学生活、社会人生活に慎む。そしてサッカーから遠のくことは珍しいことではない。俺の友達たちも多くがそうだった。親友の1人はサッカー推薦で大学にいったが、遊びの誘惑に負け、サッカー部を辞めてしまったりしていた。
ドイツでもそれは同じで、彼女ができたり、遊ぶことを覚えたり、勉強が忙しくなったり。サッカーから少し遠くなってしまう様子が見られる。

それは寂しいことだが、悪いことではないと思う。
自分の世界を広げ、将来のことを考え。
新しい物につい手を出したくなる気持ちはわかる。

日本ではその辺の線引きがガッチリしてるイメージがある。
大学以降では、本気でやるやつのみが活動できる場は割と充実しているが、
「毎週練習と試合はちょっとキツイなぁ。遊びたいし。」
と少しサッカーから気持ちが遠のいているやつの場はあまりない。
「そんな奴はサッカーやらなくていい」
そんな感じの環境。
それが少し寂しくて、すごく勿体ない気がする。

ドイツでは少しでもサッカーをやりたい気持ちがある選手を受け入れる環境が整っている。
それは羨ましいことでドイツがサッカー大国と言われる1つの要因であると思う。

ただ、だから街クラブでは各選手のサッカーへの向き合い方への差が顕著に出てしまうことがある。
そこがコーチは難しい。

練習に全然来ない選手だったりが少しずつ出てきてしまったりする。少ない時は8人だけの練習参加だったりする。
するとチームとして同じ目標に向かうために、全員がまとまることはなかなかに難しいし、コーチがいくら情熱を持ってグラウンドに向かったとしても「いや、そんな本気ではいいんだけど、、、」と選手のニーズとは噛み合わなかったり。
ヤル気がある選手も周りとのモチベーションの差に負けてしまい、モチベーション維持が困難だあったり。
各選手の価値観の違いがあるわけだから、しょうがないんだけど色んな問題がある。

そこでコーチの立ち回りはまじで難しいと思う。
先日キチコーチと話して、キチコーチもここに苦労していた。

自分のやりたいことを押しつけてしまうことになってしまうし、そもそも練習にこないから積み重ねることも難しい。チームでの守備練習や戦術の打ち合わせもなかなかできない。
理想通りにはなかなかいかない。
試合もほとんど出たところ勝負で、監督として計画性をもって積み重ねることが難しい。
先日の試合も、上手くいかず大差をつけられて負けてしまう。

ここ最近SVホッホドルフU19は大差をつけられての負け続き。
先日の試合後にベテランコーチ2人が頭を抱えて、「どうしたら良いんだ、、、」とものすごく悩む。
やれることはやっている。
でも上手くいかない。そんな難しさがある。
僕も無い頭で考えてみるけどどうしたらいいか
わからない。

この日はいなかったが、もう1人コーチがいる。
僕以外のコーチ3人はベテランコーチ達だ。でも上手くいかず悩むことがある。

街クラブにそんな難しさがあること。
理想通りにはいかないこともあること。
選手それぞれのサッカーへの価値観が違うこと。
それらを理解し、知ることができたのはすごく良い経験だったと思う。

「だから上手くいかねぇよ。嫌になっちゃうね。」
そんな風に腐らず、もし今後同じ様なことが起きたときに、
現状より少しでも良くするにはどうすればいい?何ができるのか?
と考え続けるようにしていきたい。
そう思えた経験だった。
だってベテランコーチ3人でも上手くいかない時があるんだから。
僕にだってそんな時が多分これから訪れる。
それにいちいちイライラしたり、絶望する必要はない。前向きに考えることが大切だ。

色々話したが、これらの明確な解決策はよくわからない。その時その時で考えて、行動するしかない。
U19の話を例に挙げたが、どの年代でも同じ問題は挙がることはあると思う。

・プロクラブでは?
では、プロクラブでは?
例えばドイツでのブンデスクラブのアカデミーはどんな選手が集まるだろうか?

サッカーに人生をかけてるやつらが集まる。

「サッカーより少し遊びたいなぁ。」
そんな選手は淘汰されていく厳しい世界だ。
知り合いのブンデスクラブ所属の方の話を聞くと、毎シーズン次の年代にあがれるか?と考えるし、13歳にもなると週5ペースでなにかしらのトレーニングがある。
サッカーへの意識も高く、自分の試合を見返して、振り返ったり、常に自分がどうすれば成長できるのか?と考え続ける。

もちろん、サッカーだけにならないように余白、余裕を作るようにクラブ側も取り組むし、休暇は休暇でしっかり遊び、休むこともしている。

個人的な印象としては街クラブの選手達とでらサッカーへの関わり方は大分違う。
だから先程話した街クラブでの悩みや問題は多分上がらない。練習に来ないなんてありえない。

・我々が学ぶべきところはなんだ?
では、我々街クラブの指導者が学ぶべきはなんだ?
ドイツに行く前にある知り合いから
「何しにただの街クラブに1年もいくの?意味なくない?折角ヨーロッパに行くならバルセロナとか観に行けばいいのに。」
と言われた。

「俺が街クラブの指導者をやりてぇからだよ!!!」
とは、返せなかったけど笑
今も強く思う。

多くの人が、アカデミーやプロクラブに興味を示す。僕もアカデミーやプロの練習や試合をもちろんみるようにしている。
最新のトレンドをチェックしたり。
良い選手とは?目標とすべき選手像は?を見たり。
トップクラスのコーチはどんなことをしているのか?
戦術は?練習は?
これらを知ることも必要なことだと思うから。

ただ、街クラブの指導者がこれらだけを持って帰ることは果たして有効なことなのか?
と疑問に思う。

高度な練習や戦術をやる前にやることがめちゃくちゃあると思う。
チームをまとめたり、サッカーへの意識を高め合ったり、、、
子どもへの適切な関わり方や練習負荷を学んだり。
高度なものの前にサッカーの基礎をしっかり知識として持ったり。
それらも同じぐらい学ぶべきことだ。

先程話したSVホッホドルフU19で経験したことはSCフライブルクのアカデミーの試合を見るよりも自分のためになったと確信している。

プロクラブと街クラブの指導者は共通するスキルはもちろんあるわけだが、
それぞれ重要なスキルは変わってくると思う。
盲目的にトップクラスのものばかりではなく、我々の目の前にいる選手らに、今、本当に必要なことを見極めることが大切だと思う。

日本ではそんな街クラブの指導者の活動がもう少し認められるといいなぁ、、、
って思いながら、、、笑

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