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#19 DFBサッカーの教科書 その5 ジュニアサッカーコーチのためのトレーニング哲学。この年代における理想の試合形式。

こんにちは!引き続きDFB出版のタレント育成について!先日の後半。基礎能力獲得。キッズ、ジュニア年代の話。

子供たちの利益を唯一の基準とする。
クラブや学校でのサッカーはまず子供たち自身の興味やニーズ、そして現在のスキルを重視する必要がある。子どもたちは何を望んでいるのか。何ができるのか?ボールを使ったスポーツやサッカーに熱中している女の子や男の子のファーストコンタクトは特別な感情を持っている。

大人のサッカーと子供のサッカーの違い

子どもたちのサッカーに求められるもの
1.スポーツやサッカーを楽しくする
2.スポーツの汎用性を高め、運動不足を補う
3.ポジティブな性格の持ち主を育成する
4.短期目標でサッカーを教える
5.子どもたち一人ひとりに配慮する

子どもたちのサッカーは多くの大人が思っているのとは全く違うものなのです。トレーニングも遊びも一秒一秒が子どもたちだけのものでなければならない。その年頃の女の子や男の子はどんな感じなのでしょうか?彼らは何を求めているのか、何を楽しんでいるのか。そして、どのような動きや遊びのタスクがすでにできるのか?

未来のための子どもサッカー指導者の哲学
・トレーニング
指針:子どもたちは何を望み、何ができるのか?
ボール/ムーブメントスキルを促進する
サッカーを楽しくするために
短期目標でサッカーを教える
・大会
サッカーで楽しもう
ゲームの主催者、進行役になる
すべての子どもたちを長く試合をさせてあげよう
簡単なコツをそれは「応援」「ほめる」
・サポート体制
教育者であり、友人であれ
熱意を伝えよう
子どもたち一人一人を励ます
あらゆる場面で手本になろう情報提供とさらなる資格取得
未来志向の子供向けサッカー

、、、→これらに加え協会から情報提供とさらなる資格取得。未来に向けたの子供サッカー。

子どもたちのサッカーに対する特別な哲学を!
多くの少女や少年がクラブでサッカーをするようになった。キッズ年代で早くもクラブサッカーに触れる子どもたちは多いが、遅くとも小学生になると、友達とサッカーをする以上に、普段からクラブで練習したり、競技としてプレーしたいという気持ちを持つ子がほとんど。トレーニングの質や魅力、大会、クラブやチームの雰囲気、そして何よりコーチとの人間関係が、子どもたちが長期的にクラブにとどまり、後に競技サッカーで活躍できるかどうかを決める。ジュニアコーチが子どもたちのサッカーに対する独自の哲学を心に刻み、実践することで、子どもたちはサッカーの魅力に触れることができる。大人のサッカーの真似をするのではない。

子どもたちを励まし、挑戦させる。
クラブでサッカーをすることは常に若いプレーヤーに総合的な挑戦をすること。つまり、変化に富み、年齢に合った、やる気を起こさせるゲームや練習で、身体的、精神的、社会的、感情的プロセスを促進することを目指していなければならない。この教育的な任務を、子どもたちのために果たすため、ジュニアコーチはいくつかの実践的なヒントを心に留めておく必要がある。
・子供たちを思う心を持つ!それが基本!
・常ににポジティブで恐怖心のない環境を確保
・プレッシャーのない試合
・子どもたちの背景を知ろう
・手本となり、それを伝えていきましょう
・興味を示す。積極的に子どもたちの方を向いてあげて

また、対戦型ゲームも重要な機能だ。大人のサッカーでいうところの「11対11」は、子どもにはふさわしくない。

子どもたちのサッカーにおける10のルール
1.スポーツの楽しさ、面白さを伝える
2.シンプルなルール、軽いボール、小さなフィールドに
3.遊び心のあるタスクを設定
4.小さなプレイグループを作ろう
5.試合は短時間で済ませるように
6.子どもたち1人につき1個のボール
7.タスクやゲームを簡単に説明し、実演してみる
8.多くのボールコンタクトを可能にする
9.汎用性の高い動作タスクを設定しよう
10.あらゆる姿勢で試合を楽しもう

子どもたちのサッカー大会
1.試合結果の前に試合体験
2.小さなグループ、小さなフィールドで
3.現在の試合結果は重要ではない
4.現在の順位は重要ではない
5.サッカーを楽しむことが一番大切
6.個々のサッカー学習が重要
7.個性を大切にする

キッズサッカー大会における理想の形
ゲーム形式:4vs4(GKなし)
フィールドの大きさ:最大20m×15m
ゴールサイズ:最大2mのゲート
大会形式:午後に試合をするだけ!

F-Junioren(7/8歳)の理想
ゲーム形式:5vs5-7vs7(GKあり)
フィールドの大きさ:約35m×25m(5.6人制)
                           約40m×35m(7人制)
ゴールサイズ:幅5m 高さ2m
大会形式:選手権大会なし

W-Junioren(9/10歳)の理想
ゲーム形式:7vs7
フィールドの大きさ:55m×35m
ゴールの大きさ:幅5m 高さ2m
大会形式:地区レベルでの大会のみ


これにて第二章の基礎能力獲得の時期については終了です!
約10歳までのジュニアサッカーについての哲学について書かれていました。
日本では小学3年(8.9歳)から8人制のハーフコートで試合をします。さらにそれに向けて1.2年生からその形式で試合をするチームもあります。僕の住んでた地域ではそれをやってるチームはこの辺では強豪チームと呼ばれるところばかりでした。なぜ8人制が問題なのかは昨日の記事でも少しお話ししました。ここまでの内容ではしつこく何度も「サッカーを楽しもう!小さなグループ、小さなフィールドで!」と書かれています。例えば6歳の小さな子どもがハーフコートで試合をした場合。日本での現場を振り返るとそこで活躍できる選手もいます。しかし彼らは成長が早く、運動神経が優れている選手達でした。では、まだ他の子と比べて身体が小さかったり、運動が苦手な子は8人制のサッカーで楽しめるでしょうか?
過去に吉之伴さんの講習会でフニーニョについて話があったことを覚えています。正確な数字が少し曖昧でしたが、大人数でのサッカーではほとんどの割合が両チーム合わせてたった4人しか関わっていないというデータがあった。例えば8人制のサッカーで16人ピッチにいても約70.80%が運動が得意な4人がボールに関わらない。そして残りの12人で残った20.30%分け合うのだ。これではあまりにも勿体無い。8人の選手がチームにいたとして2人しか試合での成長が見込めないのだ!これではたまたまその時点でサッカーが上手い子しかサッカーを楽しめず、サッカーの練習ができないのです。残った10人の方にもしかしたら晩成型の選手がいるかもしれないし、キーパーの天才がいるかもしれないし、監督の天才がいるかもしれない。しかしサッカーのスタートであるキッズ、低学年でそんなゲーム形式を採用していてはそれらの才能が開花する前にサッカーの楽しさがわからずやめてしまうかもしれない。僕はそれがすごく勿体無いと思っているし、僕自身も苦手な方だったから小さい頃の記憶が蘇る。日本はドイツのように決してサッカー人口が多いわけではないのです。サッカー王国ドイツがこれ程才能を見逃さないために努力しているのです。日本はもっとここの点について努力する必要があるのではないでしょうか?
また日本の強豪チームのサッカーは8.9歳時点であまりにもサッカーが完成されているようにみえるのです。サッカーとは思考し状況を打破する創造力を育てる必要があると思うのですが、8.9歳時点でサッカーを教わりすぎている気がします。それでは未知の状況に遭遇した際にきっと対応ができません。
色々小難しい話をしましたが、10歳までは基礎能力を身に付けることが目標です。そしてサッカーを通して友達を作ったり、失敗したり、サッカーが大好きになることが最も重要だと思います。
僕は日本のチームで代表の父に「4年生以下はフットサルチームってことにしない?」って半分冗談、半分本気で話したことがあります。小さなフィールド、小さなグループでたくさんボールを触れるフットサルとの連携はサッカーとフットサル両者の成長に繋がると思っています。
試合形式以外にもジュニアサッカーコーチとして重要なこと、心構え、必要なスキル。どれも大切なことが書いてありました。
本noteは数年後も時々見返し、思い出し、常に頭に入れておく必要がある内容だなぁと感じます。

ジュニアサッカーコーチ。僕はある意味1番大変であり、大切なポジションだと思っています。よく若手コーチがこの年代を担当します。そしてベテランコーチがジュニアユースなどを担当しています。本来は逆であるべきだと考えます。ここまで本書を読み人生経験が豊富な人こそがこの年代における素晴らしいコーチになり得ると思いました。
僕の昔所属していたチームにはレジェンドコーチがいます。その人は今は1.2年生とキッズのみの担当をしています。そのチームの規模は大きく大会でもそれなりに結果を出し続けています。その結果はこのレジェンドコーチが縁の下の力持ちとなり支えているのと思うのです。尊敬する人です。

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