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「バズ」が生まれる要素とは?正体不明のバズをフレームワークにしてみた

こんにちは。とあるメガベンチャーでとある新サービスのアプリマーケティング責任者をしているサイトウといいます。

今回は、「バズ」が生まれる要素について、事例とともに考察をしていきたいと思っています。

・SNSでUGCを増やしたいと思っているマーケ担当の方
・担当するキャンペーンの盛り上がりをもっと作りたいと思っている方
・そもそも「バズ」の言語化に興味のある方

にはぜひ読んでいただきたい記事です。

そもそも「バズ」ってどういう流れで起きるの?

「バズ」が生まれる要素についてお話しする前に、まずは「バズ」が起きる流れを分解してみます。

流れを分解すると、

①ユーザーがコンテンツを「見る」
②ユーザーが何らかの理由でコンテンツを「拡散する」
③②の中で、「ブースター」がコンテンツを魅力的にプレゼンし「ブーストする」

このような流れになると思います。
順番に解説します。

①ユーザーがコンテンツを「見る」

とにもかくにも第一接触を一部のユーザーにリーチしなくては始まりません。オウンドメディアからの発信か、広告の活用をして、一部のユーザーにコンテンツを届けます。

②ユーザーが何らかの理由でコンテンツを「拡散する」

コンテンツを見たユーザーが、「何らかの理由」でそのコンテンツを拡散します。この「何らかの理由」こそが本noteのテーマなので、後ほど詳細にご説明します。

③②の中で、「ブースター」がコンテンツを魅力的にプレゼンし「ブーストする」

突如聞きなれない言葉が出てきたかもしれません。

この③はマストではなく、コンテンツ自体が超優秀であれば②が永遠に続くこともあり得ますが、それはホームランを打つより難しいことだと思います。

せっかくSNSが台頭している現代だからこそ、この「ブースター」を上手く使っている事例が最近は多いです。

例えば、映画『カメラを止めるな』。口コミが口コミを呼び、文字通り「バズった」コンテンツとして有名ですが、これも一部のブースターによりバズが加速したと言われています。

指原さんのこのTweetだけでなく、たくさんの有名人がこの映画についてはTwitterで魅力的に口コミを行い、そのTweetがバズっていっています。

おそらく『カメラを止めるな』の製作委員会が作る広告コンテンツと同等かそれ以上に、このTweetはリーチをしたことでしょう。

このように、特に近年においてはこの「ブースター」の存在が非常に重要で、「ホームランを生むコンテンツを作る」よりも、「ブースターがとり上げたくなるようなコンテンツを作る」方が打率は高いのではと僕は考えています。

ユーザーがコンテンツを拡散するための要素とは?

さてようやく本題です。
様々な事例を分析して、ブースターを含むユーザーが「コンテンツを拡散するための要素」についてまとめてみました。

1)受容要素(ユーザーがコンテンツを受容する要素があるか?)
2)拡散動機(ユーザーがコンテンツを拡散したくなる要素があるか?)
3)拡散形式(拡散を補助する要素はあるか?)

この3つが非常に重要だと思っています。
順番に解説していきます。

1)受容要素(ユーザーがコンテンツを受容する要素があるか?)

先ほども言いましたが、最低条件として、ブースターを含む第一接触者に、そのコンテンツを見てもらわないと始まりません。

これはすべての広告クリエイティブに言えることなのですが、僕はコンテンツを見てもらうために重要な要素は大きく2つだと思っています。

①コンテンツが「目に留まるか」
文字通り、コンテンツが「目に留まるか」は、当たり前ですが情報があふれかえっている現代においてはすごく難しいことです。

アイキャッチの工夫はされてるか/新規性はあるか/広告色は濃くないか/ファーストリーチするターゲットの好きなものを活用できているか

等の要素を考慮しながら、まず「目に留める」ことを達成する必要があります。(ここは長くなると思うのでいつか別noteにまとめたいなと思います…)

②視聴ハードルが高くないか(動画コンテンツの場合)

動画コンテンツの場合は目に留まるだけでなく、視聴完了をしてもらう必要があります。

無駄に長尺になっていないか/シンプルなコンテンツになっているか/即時再生するか(リンクで飛ばないか)

等の要素の考慮が必要になってきます。


2)拡散動機(ユーザーがコンテンツを拡散したくなる要素があるか?)

さて次は、ユーザーがコンテンツを見た後に、「拡散したくなる動機」づくりです。

様々な事例から、「拡散」には下記要素のいずれかがあることがわかってきました。

①表現欲(意見や表現を打ち出し、自分らしさを伝えたい。)
②共振欲(自分の心が動いたものを共有し、共感してほしい)
③自己顕示欲(価値ある人と思われたい)
④ミーハー欲(流行りに乗っておきたい)
⑤強制要素(拡散する必要がある)

簡単に解説していきます。

①表現欲(意見や表現を打ち出し、自分らしさを伝えたい。)

下のTweetをご覧ください。

総1千万表という、とんでもない規模のキャンペーン。
投票だけでなく、「なぜきのこが好きか」などのプレゼンも多数発生したキャンペーンでした。

元々人は、「自分の意見を打ち出したい」という欲求を持っています。

それを、議論の余地の残るキャンペーンを企画したり、表現の自由があるキャンペーンを企画することによって、拡散動機をくすぐっているという訳ですね。

診断コンテンツなども、この一種だと思います。

②共振欲(自分の心が動いたものを共有し、共感してほしい)

これはイメージしやすいのではないでしょうか?

面白い、感動、ツッコミどころがある、驚く、納得感がある、可愛い、怖い、などの感情の起伏を、他人に共有したくなるという心理です。

例えばこのドッキリ動画、再生回数3,000万回を超えるバズコンテンツですが、LGのTVの薄さを訴求した広告動画です。

この動画を見ると、「ドッキリのリアクションが面白くてシェアしたくなる」人が多いのではないでしょうか?

この拡散動機は非常に強力である反面、どうしても難易度は高いのが難点です…。
「共振欲」の中でも、「ツッコミどころ」なんかは、上手くコツを掴めば有効に活用できそうです。

③自己顕示欲(価値ある人と思われたい)

Appleの新製品を例にしてみようと思います。

こちらのnoteでも書きましたが、
Appleの新型製品が販売された当日のAppleショップの大行列をニュースなどで目にした方も少なくないのではないでしょうか?
Appleは徹底した秘密主義によって製品発表会まで製品の詳細をほとんど明らかにしないため、ファンの間で「噂」が飛び交います。中にはデマ情報なども数多く発生するのですが、様々な憶測が繰り返し流れメディアにも紹介されることにより、「興奮・熱狂」が生まれていきます。
そうした中で新製品を手にした人は、あたかも自分が非常に価値のあるものを手にしたかのように人に感想を話す、というわけです。

希少性をマーケティングによって作り出すことができれば、拡散もそれに付随して発生していく、ということです。

④ミーハー欲(流行りに乗っておきたい)

これはシンプルな話です。

拡散されていればいるほど、流行りものに乗っかっておきたい、という心理ですね。

ここで重要なことは、「流行りを可視化する」ことです。
先ほどのきのこたけのこの例だと、投票数を常に公式SNSで実況するなどして、「祭り感」を出すことが重要です。

⑤強制要素(拡散する必要がある)

最後は奥の手ともいえますが、「強制的に拡散させる要素を入れる」ことです。

例えばアイスバケツチャレンジ。
2014年にアメリカ合衆国で始まり、瞬く間に日本でも流行したこのチャレンジは、皆さんもご存知の通り、「指名制」「時間制限」がありました。

このように、拡散を強制するような要素を入れる、というのも、無理やりではありますが拡散を促す手法の一つです。


3)拡散形式(拡散を補助する要素はあるか?)

さて最後の要素は、少しテクニック的な話になります。

ユーザーが「拡散したい!」と思った時に、それを補助するための仕組みを作っておくことがバイラル係数をあげるためには重要です。

具体的には、

・皆が知っている言葉で説明できる
  ・・・「このドッキリ動画見て!」
・似たものの存在がある
  ・・・「〇〇に似た動画なんだけど~」
・芸能人を起用している
  ・・・「人気俳優〇〇が出てる動画だよ!」
・一言で言える
  ・・・「スマホジャック動画」
・導線が作られている
  ・・・Twitterでのコンテンツ投下(RT)

などが挙げられます。

ぜひバズコンテンツを投下したい時は、拡散を補助する仕組みを忘れずに考えてみてください。

まとめ

長々と大変失礼しました。今までの内容を図示するとこのような形です。

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「バズ」という得体の知れないものが、ほんの少しでも分解/言語化できたでしょうか?

皆さんがコンテンツ一つ投下するときも、ぜひ今回ご説明した要素を、どれか一つでも入れ込んでいただければ効果を実感していただけるかと思います。

皆さんが施策をしていく上で、「バズ」というホームランヒットの打率を少しでもあげるため一助になれれば幸いです。

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