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おしゃれタウンの秘境・根津美術館


え~~~、まさかの、前回のつづきです。



前回のあらすじ(超ざっくり)

ファンキーでスリリングでカオスな東武東上線を身近に感じながら育った私・え。
そんな東上線を運営する東武鉄道株式会社の本社ビルにある神社に驚き、はたまた東武鉄道ご自慢の新型特急「スペーシアX」のかっこよさに感嘆。
さらにスペーシアに乗って訪れた鬼怒川温泉では、謎の中国人芸人の流血壺回しにドン引きしながらも熱い芸人魂に拍手を送った え であったが、

ここまでは前置きにすぎない。ここからが本編である。






前回語った東武鉄道に深くかかわっているのが根津嘉一郎ねづかいちろう(1860~1940)という人物です。

現在の山梨県の豪商の家に生まれた嘉一郎は、東京に本拠を移して政治家・実業家となり、多くの鉄道敷設や再建に関わります。1905年には東武鉄道の社長に就任し、経営再建に取り組むこととなります。他にも多くの鉄道会社と資本関係を持ち、「鉄道王」の異名をとっています。
嘉一郎は茶人としても知られていて、茶道具や古美術など美術品収集家としても著名なのです。

嘉一郎亡き後、東京青山の自邸に嘉一郎がコレクションした日本・東洋の古美術品を保存し、展示するためにつくられたのが根津美術館です。



根津美術館が建つのは、高級ブランドショップが立ち並ぶおしゃれタウン南青山。
すれ違う人がみんなオシャレで美男美女で顔がちっちゃい!
おそらくモデルや芸能人30人くらいとすれ違っていると思われます。

このおしゃれタウンに足を踏み入れてもいいのでしょうか。申し訳ない。


そんなおしゃれタウン・南青山の表参道駅より徒歩8分。

竹垣のアプローチを抜け根津美術館に入ると、着物姿のご婦人や外国人の姿が目につきます。

根津美術館ではただいま企画展「将軍家の襖絵」が催されております。


室町時代。
京都・室町幕府の足利将軍邸。
人々が集まって能・狂言を鑑賞したり、連歌会や茶会を催した「会所かいしょ」と呼ばれる建物には、当代を代表する絵師によって描かれた襖絵がありました。
現在残されていないその襖絵の世界を、文献と屏風絵によってよみがえらせようというのがこの企画なのです。


国宝「鶉絵うずらえ」を見ていただければお分かりのように、とにかく鳥の絵が細部に至るまでリアル。実際に見ると、遥か昔にこんなにリアルな絵を描いていた人がいたのかと感銘を受けます。

優雅な花鳥画、雄大な山水画。
遠近法を使わない空から俯瞰したような田んぼを描いた巻物。

室町時代の華やかな会所の様子が目に浮かぶようです。



常設の美術品の展示や期間限定の企画展も素晴らしいのですが、私が好きなのは緑豊かな庭園。

本館から庭園口に出て、目の前の石畳の小道を降り樹々の中に入って行くと、ここがおしゃれタウン南青山の一角だということを忘れてしまうような不思議な世界が広がっています。
高低差のある庭園はまるで迷路のように細い小道が続いていて、想像していたよりかなり広大なのです。至る所で年代物と思しき仏像や石の灯篭・置物が出迎え、語り掛けてくれます。


いたるところに色づき始めた紅葉が似合う風流な茶室があります。


秋晴れの空と紅葉の色のコントラストが好き。


ハンカチ、ちり紙は持った?
早く行かないと遅刻するわよ。


鉄郎、またひとつ星が消えるわ……。


ああ~もうクリスマス。


この湧き出る液体が酒であったなら。


ご主人様、早く迎えに来てほしいあるよ。


竹藪の向こうに雀のお宿がきっとある。


ここから先に行ってはならーん。
でもどんぐりくれたら通っていいよ。


延段(のべだん・石を引いた通路の事)までアートなのです。


いらっしゃい。どっちがきれい?


一週間前に行ってきましたので、本格的な紅葉にはちょっとばかり早かったようです。
見ごろは11月後半なので、今でしょ!




庭園散策の後はNEZUCAFÉでお食事を。
庭園の樹々を眺めながらいただくコーヒーと神戸牛のミートパイは絶品です。



根津美術館。
そこはおしゃれタウン南青山の秘境。

おしゃれタウンどーんとこいな方は、ぜひぜひ行ってみてくださいね。
着物で行くのもお勧めですよ。





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