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豆知識第3弾 「アンティーク銀食器」

こんにちは。溝辺ゼミ12期の花です。

骨董市・美術館巡りと料理が趣味で、古いものに心惹かれる21歳です。

私が今回取り上げる豆知識は『銀食器』についてです。

銀食器①

銀食器は19世紀中頃から英国を中心にヨーロッパで愛されるようになりました。日常使いに使用されることは少なくなりましたが、現在でもヨーロッパでは生まれた子どもにシルバースプーンを贈る習慣があるようです。

まず始めに、なぜ銀食器が貴族や聖職者達に重宝されたのかをご紹介します。

①富の象徴
銀というのは錆びやすい性質を持っています。
そのため銀食器はお手入れをしてくれる家政婦を雇うことの出来る人が所有するもの=富の象徴とされました。このお手入れの難しさが今日までに銀食器が世の中に浸透しなかった理由かもしれません。そのほかにヨーロッパでは銀が採れないことも銀食器を高価にさせる理由でした。

②毒に気づくため
これは、ふと映画を観た時に気づいて調べたことなのですが、銀は毒物に反応を起こしやすいです。狙われやすい貴族は、銀を器やカトラリーに使用することで毒物が入っていないか判別をしやすくしていました。更に、銀には抗菌作用があることも食器に使用された理由の一つだと考えられています。

次に、蚤の市やアンティークショップに出向いた際に役立つシルバーの判別方法をご紹介します。

英国で生産される銀製品には、生産者、年代、メーカーなど品質を保証するために刻印をすることが16世紀ごろから定められています。刻印されているホールマークを見て、表と照らし合わせれば初心者でも判別が可能になります。ぜひ英国の銀食器を目にしたら、ホールマークを確認してみてください。

また蚤の市であれば出品している人に尋ねてみると、たくさんの情報を教えてくれてとっても楽しいです。

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(ロンドンで製作された製品の年代別ホールマーク, 出典: https://www.antique11.com/?mode=f21 )


最後の呟き。ヨーロッパには、良いものを永く使っていくという考え方の文化が強く残っています。大量生産時代に生まれた私は、人は変われど丁寧に造られたものはずっと残っていく考え方に感動しました。辿ってきた歴史を使いながら感じられるところも魅力的に思います。また永く大切に使う精神は、今日の大量生産による環境や労働の搾取などの問題解決に繋がっていると考えています。あまりアンティークや骨董は身近なものではないと思いますが、この記事を読んで少しでも興味を持って頂けたら幸いです。(花)

〜今日の1曲〜

SaToA - 青草のにおい

東京をベースに活動する3人組ガールズバンド。力の入っていないゆるっとした歌声と少しのズレが心地良い。この1曲が収録されているアルバム「スリーショット」はのんびりしたい朝に聴いてみて欲しいです。


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