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ロボカップジュニア 郡上ノード大会を開催しました

令和2年12月26日にロボカップジュニア郡上ノード大会を開催しました。この大会は一年間の子どもたちのロボットクラブでの活動の成果発表の場として開催しています。

コロナウィルス感染が拡大しており、中止も検討しましたが参加者が限定されており、十分な対策を行えばリスクは大きくないと判断しました。

ロボカップジュニアのロボットコンテストはSTEAM教育とかアクティブラーニングとか、そういった言葉がないころから自然にそれらを行っていました。何かものを製作するということは、STEAMの意味する、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、アート、数学、すべてが必要なスキルです。そしてそれらを自分たちで学び、進めていきます。それがアクティブラーニングです。なので、今、ロボコンはとても注目されています。

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今年も一年かけて、ロボットを製作していく過程で子供たちは数々の失敗をしてきました。動かないロボットをみて子供たちは笑いあいながら、どうしてだろうと原因を考え、改良をしては失敗し、インターネットで情報を集め、様々なことを学んでいきながら成長しました。

正解が教えてもらえない、または明確な正解がない世界だからこそ、自分でなんとかしようと本気で考えます。そして我々は子供たちの活動の場所をつくり、成功、失敗をそっと見守ってきました。その中でこそ子供たちは成長していきます。自分でレベルを上げていかないといつまでたっても実力はつかないのです。積極的でない子供たちにレベルアップをせかすようなことは言いません。今は時期ではないだけかもしれないし、嫌ならクラブに来なければいいのですが、自分で好んで来ているのです。何かきっかけが必要なのかもしれません。

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大会の試合会場では、大人は見守ることしかできません。電池がなくなっても、タイヤが外れても、自分で直さなければなりません。その状態になって初めてモチベーションが上がることもあるようです。やはり、アニメの主人公も追い詰められないと本気出せないですから、きっと子供たちも一緒ですね。

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でも、数々の整ったロボットたち。こんなロボットが子供たちだけで作れるのでしょうか。彼らは3年、4年と続けているメンバーです。でも、大人は本当に手伝っていないのです。そもそも、ここまでのものの製作を手伝える大人がどれだけいるでしょうか。大人の役割はシンプルです。彼らがやりたいことを自分だけではできない場合に、私は「やり方」を教えています。子供たちのロボットを直接改造してあげるようなことは決してしません。プログラムが分からないと言えば、こう動かすためにはこう作るとできるはずだよ、といいます。必要な部品が自分で買えないと言われれば、型番と個数を聞いて、代わりに注文して渡します。手作業で切断していた部品を、精度を高めるためにレーザーカッターで切りたい、と言えば、フリーで使えるCAD(3次元設計ソフト)でデータの作り方を教えます。精度の高い部品が欲しいなら、やはりCADを使って、3Dプリンタを動かす方法を教えます。電子回路を正確に作りたいなら、パソコンで作成して基板として発注する方法を教えます。すべて「~したい」という目的から発生していますから、子供たちは苦も無く覚えてしまいます。最初だけ教えるだけであとは自分で始めるのですから教えることは非常に少ないです。

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そして、気が付けばパソコンを使いこなし、CADで設計ができるようになっているのです。誰も、将来のためにパソコンを使わないと、とは思っていないし、CADを習っておかないと、などとも思っていないです。この「必要だから、そのために使う、使いかたを学ぶ」という自然な流れがいいな、と思います。

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実は一昔前よりも今の子供たちの作るロボットは確実に進化しています。なぜなら、個人で安価で出来る範囲が広がったからです。そもそもCADだって昔は何十万も払わないとまともなものは使えませんでした。レーザーカッターも3Dプリンタも、個人では手が出ないものでした。今はそれらが個人レベルで使えるようになってきています。教育目的としても十分見合うコストになってきました。

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それら、使えるツールをすべて駆使してロボットを製作し、失敗と改良を重ね、よりよいロボットを作ったチームが優勝となる。そんなコンテストです。行った競技は「サッカー」です。赤外線を出す特殊な競技ボールを使用します。ロボットは赤外線センサーをもちいてボールの位置を認識し、相手のゴールに多くボールを入れた方が勝利するゲームです。

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そしてロボカップジュニアでは勝敗よりも重要なものがルールブックにもロボカップジュニアの精神として記載されています。⼤切なのは「勝ち負け」ではなく、その試合で「どれだけ多くのことを学んだか」ということです。試合で勝つことは目標ではあるが、目的ではなく、プロセスの一つに過ぎないということです。

今回の大会でも勝ち負け以上に価値のある試合が数多く繰り広げられました。子供たちもいつにも増してとても良い表情をしていました。

(以下、写真)

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