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ロボカップジュニア・岐阜ブロック大会2023 サッカーライトウェイト 開催レポート

2023年1月9日(月・祝)岐阜県郡上市にある郡上八幡青少年センターにて、ロボカップジュニア・岐阜ブロック大会2023のサッカーライトウェイトリーグが開催されました。

岐阜県内の地区大会より推薦された16チーム37名が参加しました。この大会は、自分でロボットを制作し、搭載したマイコンにプログラムを書き込んだ2台のロボットでサッカー競技を行い、ロボット製作の技術力を競い合うものです。自動で赤外線を発行するボールを追いかけるようにプログラミングされたロボットたちは、相手のゴールにボールを押し込もうと動きます。見事、ボールが相手ゴールに入れば得点です。

試合開始の様子

各チームは個性的な各々のロボットを作り上げ、様々な戦略で戦う姿が見られました。また、完璧に動くロボットというものは人が(しかもプロではない彼らが)作ったものである以上存在しませんが、優勝チームのチーム名「Singularity」のロボットはコートの中を所狭しと動き回り、かなりのスピードと正確さでゴールを決めていました。

大会に出場したロボットたち

今回は、例年のブロック大会の参加チーム数より多く16チームが参加しました。1日で各チームは6試合を行い、競技結果により、順位を競い合いました。

優勝は全勝で、ほぼすべての試合で点差を広げて勝利した郡上ノードの「Singularity」。今年は文句なしにこのチームの技術力がトップでした。

2位には、大垣ノードから「牛乳弁当」まだまだ不安定さはあるものの、チャンスを確実にゴールに結びつけ、2位となりました。

3位は郡上ノードの「GR7」。なんと予選1試合目でロボットが動かず、まさかの敗退。入賞は無理かと思いましたが、その後連勝を続け、決勝トーナメントでは強豪相手に確実に勝利して3位となりました。

この競技の難しいところは、技術力が高いから必ずしも競技に勝てるわけではないところです。技術は高くてもうまく得点に結びつけることができなかったり、その日、突然故障してしまったりすることもあります。
ですが、その場合に選手はどのような対応をするかが試されています。壊れたからあきらめる、というのはもっとも簡単な方法です。しかし、あきらめず当日にある部品で修理してなんとかする方法を考える。それができないといつまでたっても勝率はあがりません。もちろん、耐久性が高く壊れにくいロボットを制作することができれば、勝利しやすくなります。

当日競技中に故障したロボットをはんだごてで修理する選手たち

サッカー競技だけでなく、自分たちで作ったロボット製作の成果を発表するポスターも大会の重要な要素です。事前に各チームがA3横サイズで製作したポスターが会場に貼りだされました。今後、上位を狙うチームにとっては先輩のポスターは参考書以上の価値があるものです。

ロボット製作の成果を発表するポスター

ポスターでは、ロボットの製作においての目的、方法と結果が正しく表現されているか、独自性があるかを基準に審査されました。そして、最も素晴らしいポスターを制作したチームに贈られるのがプレゼンテーション賞です。

プレゼンテーション賞には、「SpeeD ShooteR」が選ばれました。改造を行う目的、改造前と改造後の比較、成果などが丁寧に記載されており、非常に他の選手にとっても意味のある内容となっていたことが評価されました。

ロボカップジュニアでは、自主性が最も重視されます。自分たちで製作する、という自主性ももちろんですが、自ら考えて問題の解決方法を考えることや、試合に遅れないように時間通りに動くことが求められます。遅刻にはペナルティがあり、遅れそうだから親が呼びに行くなどの介入は禁止されています。

2台のロボットで1チームとなり、2対2でサッカーをします。

普段より厳しい環境であるはずなのですが、選手の皆さんはとても生き生きしています。そして終わったら「ああ楽しかった」と言ってくれます。自分で考え、自分で動くことを許される場だからこそ、自主的に動く力が身につきます。そしてそれは楽しいのです。現代社会でそれができる場は、驚くほど少ないと感じます。

見事上位を勝ち取ったチームは、全国大会(ロボカップジュニア・ジャパンオープン)が待っています。全国大会では、ブロック大会よりもさらにレベルの高い競技が繰り広げられます。勝っても負けても選手たちの糧になります。そうして自分のレベルに合わせて自分のレベルを順番に上げていき、より上を、自分の理想を追い求めていくのがロボカップジュニアです。

この大会があるからこそ、一年間、頑張れるという事もあると思います。いくらロボット製作が好きだったとしても目標や、仲間がいなければなかなか続けることは難しいものです。

例え、今回は入賞できなかったとしても、来年は今年よりも順位を上げ、再来年は・・・、そうすれば必ずジャパンオープンへの参加の道も開けるでしょう。ロボカップジュニアは19歳以下のコンテストです。19歳まで参加することができます。慌てずまずは来年に向けて、自分の技術を磨いていってほしいと思います。選手のみなさんの今後に期待しています!

参加した選手たち全員で(顔はぼかしてあります)

競技終了後には、優勝チームによる、ロボットの紹介が行われました。みんな、食いつくように見ていて、そのすごさに感嘆の声が上がっていました。良い交流と情報交換の場になったと思います。

優勝チームによるロボット紹介

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