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今年みてよかった映画4選 -2020-

2020年みてよかった映画を選んでみます。どれもよかったけれど、特に心に残っているものを4つ選んでみました。五十音順で並べています。

『アバウト・タイム』

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ぱっと見では普通の恋愛映画に見えるが、これがまさかのタイムトラベル映画。ただしタイムトラベルですべての問題を解決するのかと思いきや、そううまく事は運ばない。何気ない日常のすばらしさ、人生の難しさ、そして愛の尊さが伝わってくる。

主人公のティムとティムのお父さんの間に描かれる父子の絆に涙が止まらなかった。「生きる」ってなんだろう、というシンプルな問いに、そっと寄り添ってくれるような作品だった。

家族への愛。我が子への愛。初めから終わりまで、ほっこりするシーンが多い。やさしい気持ちになれる。この映画を観終わったとき、あなたもきっと誰かにやさしくなれるはず。

『カサブランカ』

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「君の瞳に乾杯」の名訳が生まれるもとになった映画。

2020年公開の話題作『TENET』を観たあと、『カサブランカ』をもとにしたセリフが『TENET』の中に出てきていることを知り、「それなら『カサブランカ』も観ないと」と思い鑑賞。

名作と言われるだけあって、あっという間の2時間だった。強面ながらも情に厚い主人公のニック。ニックが自分の上司だったらどこまでもついて行ってしまうと思う。
そんなパーフェクトガイのニックが「自分が愛する人は、果たして自分を愛しているんだろうか?」という葛藤の中で悩む様子が描かれる。

作品中の時代は第二次世界大戦期。世界を二分する大戦と、それに振り回される人々。反ナチ映画として描かれており、当時の反ナチ感情がひしひしと伝わってくる。
すっきりできるエンディングで後味もいい。『マリアンヌ』はとにかく悲しかった覚えがある。

大学生のときに訪れたモロッコ・カサブランカ。この映画を観てから訪れていれば、あの頃とはもっともっと違った感情を抱けたのかな、と今さらながら感じた。

『グラン・トリノ』

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クリント・イーストウッドの作品。作中にたびたび差別用語が出てくるけれど、気分が悪くなるような映画ではない。

クリント・イーストウッド演じる退役軍人のウォルトと、たまたま彼の隣に引っ越してきた東南アジア系の若者タオとの間に生まれる、年齢を越えた友情が描かれている。
ウォルトの心が少しずつ変化していく様子に、観ているこちらもやさしい気持ちになれる。

ほのぼの系のエンディングを予想していた自分にとって、エンディングはなかなかに衝撃的だった。友情だけでなく、いろいろなことを感じ取れる作品だと思う。
クリント・イーストウッドが考える理想の「若者を支える老人」とはかくありきということか。自分もこんなおじいちゃんになりたいなと思った。

『トゥルーマン・ショー』

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観始めてすぐに「これって本当にコメディ映画?」と思うようなストーリー。

『トゥルーマン・ショー』は、アメリカの「リアリティーショー文化」を皮肉った映画と言われている。2020年の現在、いろいろなところで「プロセスエコノミー」という言葉がささやかれているけれど、「プロセスエコノミー」が行きすぎると『トゥルーマン・ショー』が現実になるのでは?と(安直ではあるが)感じてしまう。

作品内に登場する視聴者が、『トゥルーマン・ショー』をエンターテイメントの一種と単純にとらえてしまっている部分に恐怖に近い感情をおぼえました。

「自分は本当に自分の人生を生きているだろうか?操られている部分はないか?」と考えるいいきっかけになった。ちなみにこの映画がもとになって「トゥルーマン症候群(トゥルーマン・ショー妄想)」という病名ができたらしい。



2021年もたくさん映画観るぞ〜。


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