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【学校教員向け】指導案ではなく授業デザインを書け!【学びの共同体】

こんにちは御犬です。現役技術科教員です。

はじめに / なんの記事?

指導案と授業デザインの違いについて、また授業デザインのメリットについてです。当noteでは指導案では書かず、授業デザインで授業内容を記していきます。その理由について解説します。

指導案と授業デザインて簡単に言うとなに?

まずは指導案と授業デザインを改めて見直してみましょう。

指導案とは

・授業の「単元」「目標」[準備物]「学習の流れ」を書く。
・学習の流れは主に3列の表にして、[子どもの活動][発問と予想される反応][指導上の留意点]などを事細かに示します。

引用:小学校高学年の「書く」指導 - 指導案 | 学びの場.com https://www.manabinoba.com/plans/019219.html
引用:小学校高学年の「書く」指導 - 指導案 | 学びの場.com https://www.manabinoba.com/plans/019219.html

授業デザインとは

・授業の「単元(テーマ)」「目標」「学習の流れ」←ということは同じ
・学習の流れは[課題]と[子どもの活動]のみ。
・作成に時間をかけない。

私の普段の技術科授業デザイン


2012年に行った公開授業の技術科授業デザイン


指導案とはそもそも「誰がやっても同じ授業になる案」

指導案、本気で作ったことありますか。僕は附属小学校へ教育実習へ行ったときに6時間分の図画工作の授業で2万文字以上の指導案を作成し、ほぼ寝る暇もなく事細かに授業の内容を書かされまし書かさせていただきました。指導案作った人ならわかると思います。

「時間と手間がかかりすぎる…」


私の教育実習の指導案
本時案だけでコレである

指導案指導が厳しすぎて、肝心の授業の内容が練れない本末転倒な事態に(この経験が無駄になったわけではない)。これは極端な例ですが、そもそも指導案というのは、

「誰がやっても同じ授業になる案」を作る

ということが前提にあります。そのために事細かに事前に予想し、記しておこうというものです。
そのため、仮に授業で子どもが想定外のことを言ったり起こしたりしても、なんとか「レールの上に戻そう戻そう」となったり、特になりたての教員は「次はなんだっけ…」とまるで面接の時に予め暗記しておいた文章が出てこないようなそんな状態に陥る人もいたりします。

授業デザインは「授業中にコーディネートされ授業後に完成する大枠の案」

対して授業デザインはというと、大雑把に枠組みだけ書いて、中身は授業をしながらその場にいる子どもたちや教師によって作られていくというものです。
[課題]に対し、この子がこういう疑問を出し、それをクラス内で共有して新たな課題とし、意見を言い合って・・・といった感じです。授業が終わった頃には授業デザインは見るも楽しい授業記録となっていることでしょう。

なぜ指導案ではなく授業デザインなのか

指導案を書く暇があるなら課題づくりに時間をさくべき

おそらく、ほとんどの教員が公開授業等以外では指導案を作成するなんてことはしていないでしょう。なぜなら、指導案を作るのには時間がかかるからです。

対して授業デザインは制作に時間をかけるものではありません。私の場合ほぼすべての授業で授業デザインを作ってあります。これは私が常に授業を公開しているということもありますが、やはり作成の手間が指導案に比べて大幅に少ないというところが大きな要因です。

指導案はそもそも子どもが主体的・対話的な授業では無理

では事細かく書かれた指導案がなぜ通用していたのか。それは教師が喋り伝えることが主な授業だったからです。

対して、現在は「子どものなぜ?なに?から始まり、子どもが自ら考え、他者とともに自ら学ぶ」という「主体的、協同的、対話的」スタイル。当然子どもたちによって疑問も違えば、意見も違います。このような授業スタイルで事細かに記す指導案の考え方では無理が生まれます。

全く同じ授業など存在しない

全く同じ授業なんて存在するわけがないのです。当たり前ですよね。生徒一人が違えば教室は変わります。従来の指導案のような作り方をしていたら学校ごと、クラスごとに計画を作る必要が出てきます。

授業デザインには「聞く・つなぐ・戻す」「課題作り」が必要である

はい、じゃあみんな簡単だから指導案やめて授業デザインにしよー、となるのは良いのですが、それと同時に学ぶべきことがあります。

・「聞く・つなぐ・戻す」という授業中のテクニック
・「課題作り」

です。大事なので2回言います。

・「聞く・つなぐ・戻す」という授業中の子どもと子どもをつなぐ、子どもと対象(課題や教材など)をつなぐ、教師の授業テクニック
・「共有課題」「JUMP課題」といった課題作り

です。

この2つが理解できていない段階で授業デザインを作ったとしてもおそらく指導案と大して変わらないでしょう。あらためていいますが、授業デザインの形式にするのは、子どもが主体的、協同的、対話的になるような授業にするからできることです。

→聞くつなぐ戻す記事 リンク予定
→課題作り リンク予定

指導案が全くだめなのではない

なので勘違いしないでほしいのが、指導案が全くだめなのかといわれるとそうではないということです。指導案は指導案で、例えば教育実習等の慣れない初めての授業などでは必要になってくるでしょう。

はじめから指導案を全く書いたことがないという人はまだまだ人と同じ授業すらできない場合もありますので注意が必要です。特に学生さんは要注意。

その他 私の授業デザイン例


おわりに

というわけで授業デザインと指導案の違いと授業デザインのメリットでした。


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