目玉焼き
墓参りの日の朝、何気に割った卵がふたごさんでした。びっくりして『わぁぁぁ・・・すぅごいー』と声が出てしまいまして、旦那が気になって起きて来てくれました。
嫁に出た私は、姉が亡くなってから、何となく実家に行きにくくなってしまいました。もともと頻繁に帰るタイプでは無かったのですが、何ていうか、居心地が良くない。
姉が亡くなってから、みんながバラバラになってしまった気がします。
姉が亡くなる時、
『お母さんを頼むね』って言われました。そうだねって、心から思いました。でも、無理みたいです。母も、私よりも孫や義兄の方が気を使わずにいられる様子です。本心は分かりませんが、3人で力を合わせて生きてくれています。
姪っ子は、言動が姉にそっくりになってきました。頼もしくもあり、眩しくもあり。
バラバラになった気がするのは私だけなのかな?振り返ってみれば、私自身、美穂ちゃんと話せるようになったのも、ここ数年ですし。
もう1人の姉は、一周忌の時にも、今年の墓参りにも来ませんでした。美穂ちゃんがいてくれたら、こんなふうにはならないのにって思ったけど、これは美穂ちゃんの一周忌だから居なくて当たり前か、、、と考えていた事を思い出します。
美穂ちゃんが私に託した言葉の意味を思う時、胸が苦しくなります。『美穂ちゃんの代わりは無理だよ』って答えたら、美穂ちゃんはアハハと笑いました。少し、気が楽になりました。
私はね、美穂ちゃんのようにはなれない。だから、美穂ちゃんを尊敬してたんだ。
バラバラになってしまったのか、新しい世代に変わったという事なのか。後者なのであれば、それはそれで。😊
朝、ふたごさんの目玉焼きが出来たこと、実家で誰にも話せなかった。
でも、私は今、幸せです。
美穂ちゃんのようにはなれないけれど、私には私の幸せがある。
母には母の事情がある。
姉には姉の、義兄には義兄の、姪っ子にも甥っ子にも事情があって、それぞれ皆んな頑張っている。
台所で私が呟く声を聞き、眠い目を擦りながら、起きて来てくれる旦那。
やっぱり私は末っ子なんだなぁ。
美穂ちゃん、ごめんね。