WONDERLANDへ行ってきた


 個人的終活プロジェクト(下記リンク参照)の一つとして、先月頭にドリカムのライブに行った。

https://note.com/give_me_gohan/n/nc3d7fe94d995

 そう、ドリカム。DREAMS COME TRUE。89年デビューの、ジャパニーズ・スーパー・ミュージシャンである。

 おそらく日本国民の半数以上の人はドリカムの歌を耳にしたことがあるのではないか。そんなウルトラ・ヒットソングを持つミュージシャンが、日本に何組いるか。そう多くはないだろう。
 現代日本において、ドリカムの音楽はもはやシェイクスピアやクラシック音楽並の古典的素養の域に達していると言っても過言ではない。いや、ちょっと過言かもしれない。
 とにかく、そんなドリカムに会いに行った。
 
 すごかったよ。
 あの夜、ボーカルの吉田美和さんは私の中で人間国宝になった。

 今回参加したのは、四年に一度行われるツアー『史上最強の遊園地〜DREAMS CONE TRUE WONDERLAND 2023ワンダーランド』のミニバージョンだ。本来はドームツアーなのだが、東北にはドームがないのでドリカムはわざわざ利府くんだりまで来てくださったのだ……。あんなアクセスが微妙なところに……ありがとう……。

 四年に一回のスパンで開かれるデカイベントって、スケールが五輪とW杯並みだと思うんだけど、本当にすごくないか?
 そもそも、デビューして何十年も経つのというのに、未だにドームライブ(しかもツアー)ができるって、本当にトップオブトップ。本当に稀有な存在だよ。ドームを埋められるミュージシャンにしか出せない凄みって、やっぱりある気がする。

 圧倒的なパフォーマンスに飲み込まれつつ、なぜドリカムの人気は衰えないのかを考える。その答えは観客席にあった。気がするぞ。

 若い人が、案外多いのだ。
 その隣には、必ずと言っていいほど親御さんと思しき年齢の方がいた。

 かく言う私もそうだ。今回ライブに行ったのは、「日本のトップアーティストを観に行こう!」という野心溢れる理由からのみではない。第一の理由は、母がドリカムのファンだからだ。

 みなさんの中に、原風景ならぬ原音楽(?)はないだろうか。
 夏休み、おばあちゃんの家へ向かう車内の後部座席で聞いた音楽。それが、私にとってのドリカムだった。

 ドリカムは母の音楽だったが、その音楽の素晴らしさは、時代も世代も一足飛びに越えて、子供時代の私によく馴染んだ。

 ドリカムが未だにドームツアーができるのは、そういう層が継続的に掘り起こされているからではないかと思う。多分、孫も含めて親子三代で来るような人もそこそこいるんじゃないかな。

 かつて後部座席で音楽を聞いていた私は、今やライブ会場まで車を運転する側だ。
 けれど、吉田美和さんは、ずっと歌っている。私が子供だった頃も、今も。あの頃聞いていた『朝がまた来る』も『決戦の金曜日』と『未来予想図II』も『うれしい!たのしい!だいすき!』『LOVE LOVE LOVE』も、時を超えて未だに生で、しかもめちゃくちゃカッコよく歌ってくれるのだ。
 それって、とても幸せなことじゃないだろうか。

 月並みな表現だが、ドリカムの歌には力がある。背中を押してもらえるような、キャッチーで不思議な力が。それは東日本大震災後に『何度でも』がひっきりなしに流れたことからも言えるのではないか(Wikiによると、震災直後にラジオで1番再生された曲らしい)。

 人生に寄り添って、背中を押してくれる音楽。それが、ドリカムの楽曲なのだろう。
 ドリカムに限らず、ベテランのアーティストのライブは、すごい。観客席から信頼が伝わってくる。自分の人生はドリカムと共にあったのだという誇りがはっきり見える。

 すげーなあ。

 冒頭でも書いたように、WONDERLAND ツアーは四年に一回だ。
 私はあと何度、ドリカムのライブに行けるだろうか。願わくば『何度でも』だが、こればけりはそういうわけには行くまい。ドリカムのお二人が元気でも、母の足腰が弱ったり、私がデカい病気をする可能性だってある。その逆も然り。

 次のWONDERLANDまで、頑張っていたい。ドリカムは、そういう人生に張り合いを与えてくれるミュージシャンなのだ。

 実に素敵な一夜だった。
 そういう宝石みたいな夜が、あと何回人生にあるだろう。できればたくさんあってほしい。

 余談だが、ライブ当日は中村正人さんの65歳のバースデーだった。いよいよ社会保険が介護保険に切り替わったらしい。

 ライブ中、吉田美和さんに優しく寄り添う中村さんの姿に何度ときめかされたことか。ドリカムは、中村さんあってこそだ。いつまでも変わらずチャーミングでセクシーでいてほしい。

 余談の余談だが、ドリカムのライブを通じて、私は「落ち着いて渋くて魅力的なミュージシャンの男性(年上)」と「才能あふれる歌姫(年下)」が「絶対に恋愛関係にならない」という構図にめちゃ弱いことが判明してしまった。
 オタク的にも楽しいライブだったな。


明日は
福島競馬場という名のWONDERLANDへ行ってくる。
私の夢はそこにあるぜ。
なんかこの画像も勝手に選択されてました。
ある意味WONDERLANDなので採用します。

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