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欲望と偏り、あるいは利害の衝突

 画像はマイクラ用のモデリング作業のスクショ。気にしない気にしない。

 で、これでMBTIやユングのアレとかについて語るのは最後になると思うが(飽きた)、心理機能の本質とは偏った欲望にあると思う。

 たとえばFeにはFeの、TiにはTiの欲がある。他者と感情や価値観を分かち合いたい欲と物事の真偽に拘りたい欲は、わかりやすいほどに利害が衝突する。その結果として、「あいつは空気を読まない上に人の感情を傷つけるクズだ」とか「あいつは人の感情に阿って物事の真偽を検証しない愚か者だ」とかいう諍いが起こる。容易に想像がつくし同様の事例も溢れかえっているので、この辺は概ね同意を得られるのではないか。

 本来MBTIで論ずるところではない「相性」の話が頻繁に持ち上がるのも、結局のところ互いの欲望と利害の衝突によるところが大きい。

 私にとって身近な例で言えば、ISTPとENFJは心理機能の配列が逆転しているため、やはり容易に利害が衝突する。ISTPが「皆が物事の真偽を気にするわけではない」と理解して持論と個人主義を引っ込めること、ENFJも個人主義者をある程度尊重する形で接し方を学ぶこと、この二つが揃うまではどうしようもない。すなわち、双方が欲望を制御しなくてはならない。しかも片方だけの努力では解決できないのだ。もしこの2タイプがお互いに仲が良い(ように見える)とすれば、両方が相応に成熟しているか、両方あるいは片方が猛烈に譲歩・我慢しているか、そもそもタイプミスであるか、お互い脳みそが半分弾け飛んで溶けているかのいずれかだろう。

 これはどちらが悪いとか劣っているということを言いたいのではない。大前提としてISTPもENFJも欲のジャンルが偏っているということを頭にいれた上で、やりたいことを我慢しなければ相互に攻撃し合って終わるのがオチというだけである。結局のところ、まずは各々方が自分自身の欲と折り合いをつけるのが先決だろう。

 当然、他の心理機能にもそれぞれの偏った欲がある。面倒なので各論までいちいち書きたくないが、普段自分が認知していない心理機能に関連する欲望については理解しがたいと思う人も多いのではなかろうか。

 個人的な意見を言わせてもらうなら、正直なところ無理をしてまで相互理解に至る必要はないと思っている。少なくとも、私は理屈で物事を割り切れるならそれでいいし、「ほどほどのところで適当にする」という論で生きている。ああ、あいつはそういうやつなんだな、で納得できれば十分だ。


 どうも「苦手な機能を鍛える」とかいう話が大流行りらしいが、少なくとも第三機能以降に関しては「長いこと学習を重ねればそれっぽいこともなんとなくできる」というだけの話ではなかろうかと思う。Seによる観察を踏まえてTiあるいはNiで考察・予測し、なんとかFeっぽい挙動ができたらラッキーだね、くらいのものだ。いわゆる「歳を食うと丸くなる」ってやつ。

 だからいざ本当にその機能が必要なときが来たら、漏れなく炙り出されて焼かれるだろう。努力自体は否定しないし必要なことでもあるが、個人的な経験則からするとおそらくそんなにうまくはいかない気がする。

 また、特定の偏った性向が何某かの病なのだとすれば、それは性格診断や自己啓発ごときで納得して済ませるべき事ではない。プロフィール欄に診断結果をずらずら並べる前に医者に行けという話である。ちなみに私はISTP/ソシオSLI/エニア8w9/Δ853だ(早口言葉)。もちろん、これは私なりの冗談だ。後半は適当に点数で決めたし内容もまともに見てないので知らん。


(2023.05.26 15:30追記)
 ネット上でやたらESTJやENTJがよく叩かれていたり、性格がいいランキングなどを作って特定の型を持ち上げたりする傾向を見るに、「ああやっぱりそういう使い方をする人間の方が多勢なんだな」と少しばかり落胆している。

 どのジャンルの情報もそうだが、ネットの記事を見るよりかは本を買って読む方がまだ有意義であるように思う。

 マイヤーズ・ブリッグズ親子も草葉の陰で泣いているだろう。

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