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友達全員が東京出身者であるからといって、学生全員が東京出身者であるわけがない。

 今回の記事は、下記の記事を参考にして書かれています。

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 一つの例で一般化を裏付けることは難しい。なぜなら、選んだ一つの例が例外かもしれないからである。なので、基本的には複数の例を提示するのが望ましい。

 ただ、例が多ければ多いほど裏付けという点では好ましいのだが、紙幅の制限もあるし、主張の核心や論点が大量の例に埋もれてしまい論証自体が分かりにくくなってしまう。

 これでは本末転倒だ。となれば、やはり「サンプル」を選択する必要があるだろう。

 「サンプル」とは、数ある例の中から代表として選ばれた例のことである。

 当然ながら、とある問題に関する全ての例を網羅することなどできないので、その中から「代表的な例」を主張者は提示しなければならない。

 ここで言う「代表的な例」とは、「問題全体をよく表している、その問題の中の一部の例」のことである。

 そのような例、すなわち適切なサンプルの数は、例の内容にどれほど説得力があるか、一般化の対象範囲がどれほど広いかなどに左右される。一般的に、範囲が広ければ、より多くの例が必要になるだろう。

 例えば、あなたは、自分の通っている大学の学生が東京都出身者ばかりだということを主張しようとしている。そのためには、あなたの友人が東京都出身者ばかりだということを主張するだけでは不十分である。

 それだけでは例の数が少な過ぎるし、例そのものも偏っている。というのも、そもそも東京都出身という共通点があったから友達になりやすかったのかもしれない。

 つまり、もっと多くの例が必要なのである。自分が通う大学の学生が東京都出身者ばかりだと主張するためには、(その大学が小規模大学でない限り)あなたは、かなりの数の東京都出身者という例を集める必要がある。

 そこまでしてはじめて「問題全体をよく表している、その問題の中の一部の例」、すなわち代表的な例、すなわち適切なサンプルが手に入るのだ。

 そうすることで、一般化を裏付けるための説得力のある例を提示でき、説得力のある論証・主張を提示できる。




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