見出し画像

ベストを目指し続け、ベターを実現し続ける【一般化とサンプルの偏りに注意】

 今回の記事は、下記の記事を参考にして書かれています。

     ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 多くの人々を代表できるようなサンプルは存在しないのに、我々人間はいつも人々を一概にグループにまとめて一般化しようとする。

 完璧なサンプルも完璧な一般化も存在しない。なぜなら、サンプルと一般化には “事実や正確さを犠牲にしてでも分かりやすさを確保する” という意図があるからだ。

 そもそもサンプルと一般化は事実を表現しない。サンプルと一般化は事実を表現するためのものではない。

 事実と分かりやすさは両立しないことの方が格段に多い。なぜなら、分かりやすい事実というものが希少だからだ。

 完璧な一般化・サンプルというものが仮にあるとすれば、それは ”複雑な事実を正確に分かりやすく表現した" 一般化・サンプルなのだろう(だからといって、それは事実を表現しているわけではないことに注意)。まぁ、そんな一般化やサンプルに出会うことはおそらくないだろうが。

 とはいえ、完璧を目指そうとすることをやめてはならない。完璧など存在しないが、完璧を目指してベストを尽くすべきである。

 より精度の高い一般化、より代表的なサンプル、より正確な調査を成すことを常に志向しなければならない。ベストを目指し続け、ベターを実現し続けるべきだ。さもなくば、実りある議論は息絶えてしまう。

 一般化する際には、"問題全体をよく表している、その問題の中の一部の例” をサンプルとして抽出するように心掛けよう。偏った一般化にならないように、調査におけるサンプルの偏りを少なくしていこう。

 固定電話による世論調査のように、特定の手法で調査を行うことによって代表的ではない一部の層にサンプルが偏ってしまってはならない。

 スマートフォンの普及が進む中で固定電話の利用は今や主流ではなくなってきているし、固定電話を持っている家庭でも実際にその固定電話に出るのは一部の年齢層の人が多いかもしれない。

 固定電話による調査が行われる時間帯、すなわち被調査者宅に電話がかかってくる時間帯によってもサンプルの偏りが生じるかもしれない。

 もし日中に電話がかかってくるのであれば、働きに出ていることの多い層は調査を受ける機会が少なくなるだろう。それゆえに、比較的家にいることの多いリタイア層の回答が多く集まり、サンプルが偏ってしまうだろう。

 また、街頭アンケートやメールでの調査のように、調査対象者が調査への参加の有無を自分で選択できてはならない。すなわち、質問に答えるかどうかを調査対象者自身が選べてはならない。

 調査に参加することを選ぶ人の中には、自分の意見を積極的に主張したがる人々が多く含まれ、彼らは往々にして強い主張を持っていたりしている。そして、彼らは往々にして自分自身の満足のために話している。

 これはあくまで「傾向」の話である。調査に答えようとする人の中にはそのような人が通常よりも多く含まれ得るという話である。

 まぁ、このような「偏見」じみた話をしなくても、調査に参加したがる人ばかりが調査に参加したという偏りが生じてしまうことをもって、調査対象者が調査への参加の有無を自分で決定できてはならないことを説明できるだろう。

 ともかく、「選ぶ」という行為の恣意性がサンプルの偏りを生むということは重要な注意点である。






 

 




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?