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#2118 リベラルは悪か

リベラル(自由と平等な権利に基づく政治的及び道徳的哲学)について最近考えることが多くなり、皆さんの意見を伺いたいです。

きっかけは植松聖死刑囚の起こした「津久井やまゆり園殺人事件」です。ご存知の方も多いとは思いますが、知らない方は調べていただきたいです。

このように、リベラルな考え方に基づきみんなを平等に救おうとする社会にした結果、社会に歪みが出てきている場面が多いなと感じます。

具体的には介護疲れ殺人や、ジェンダー論争、ハラスメントの複雑化、年金問題などです。

リベラルは悪なのでしょうか?
私の考え方の是非も含めて議論したいです。

#1

社会の歪みと表現した部分についてもう少し具体的に書きます。
「(意思疎通の取れないほどの)重度障害者は社会に価値がない」という植松死刑囚の考え方は恐ろしくて怖いと思ってしまいます。
しかし、障害者などを平等に扱おうとしたためにそれに従事し苦しんでいる人たちがいるのも事実です。それは社会が普段は見て見ぬふりをしている現実です。ある意味、このリベラルの皺寄せのようなものが事件となったのだと考えています。この事件は凄惨ですが、現実を捉える問題提起としては必要だと考えます。

#2

リベラルとはご承知の通りリベラリズムのことで、文字通り「自由主義」です。
自由主義とは、ネットの辞書によれば、「政治権力に対抗して個人の自由を強力に擁護する主義」のことですが、歴史的には様々な変遷を経てきています。

『アフター・リベラル』(吉田徹著)によれば、近年大きな広がりを見せているのが、「寛容リベラリズム」と呼ばれる類型です。

このリベラリズムは、「特に民族や宗教、ジェンダー的なマイノリティの権利を擁護し、寛容の精神を説く流れ(同書より)」です。ですから、障害者の生きる権利などを世間に訴えかけていくものでもあります。

GIRON主さんのおっしゃる事件や現象などは、こうしたリベラリズムの広がりに対して、何らかの形で反発したり、あるいは曲解したりしたために起きた事件だと考えます。

それは、リベラリズムそれ自体が悪いのではなく、そうした考えを持つ人たちが悪いと考えるべきです。

ミャンマーのように、民主主義を転覆させようとして、クーデターを起こした場合、それは民主主義が悪いのではなく、クーデターを起こす側に問題がある、と考えるべきでしょう。

反民主化の動きに対して「民主主義は悪か」という“お題”を付けるのがおかしいように、このGIRONのお題も相応しいお題であるとは思えません。

#14

マイノリティを優遇することでマジョリティを不遇にしている。言葉狩りやメディアや政治家による思想の押し付けは不愉快極まりない。お釜がテレビに出る、質屋や金貸しが表通りに店を構える社会はごめん被る。リベラルが悪いのではない。リベラルを振りかざして、妬み嫉みを満たす人間です。

#18

リベラルは悪なのか? ということで、思想の善悪について意見を述べます。

リベラルに限らず、思想というのは道具でしかありません。
道具は道具に過ぎず、悪を為すのはそれを使う人間です。

一方で、善悪の基準を決めるのも人間です。あるいは複数の人間からなる社会です。

かつて世界中から悪だと断罪されたナチス・ドイツ政権は、民主主義的な選挙から生まれました。
彼の政権が行ってきたことは、全く許されざる行為だったと思います。
しかしWW1後、莫大な賠償金債務を背負い、明日をも知れぬ身となった当時のドイツ国民たちに、あの悪夢とは別のどんな希望を見せられたのかと考えると、私には想像もつきません。

到底許容しかねるナチズムという思想が、少なくとも当時のドイツで、社会によって正義と支持された時代があるのです。

こういった事例は、歴史を振り返ると数え切れないほどあります。
悪や正義というのは、それほどまでに移ろいやすいものです。

大切なのは、自分にとって価値ある物とは何か、幸せな状態とは何なのか、常に問い続けることだと思います。

途方もない話に聞こえるかもしれませんが、そんなに難しい話ではありません。

ある物事が、自分にとって快か不快か。
そう感じたとして、それが自分に実益や損害をもたらすのか。その程度はいかほどか。
あるいは、自分の家族がそのことで大変そうか、友人が辛そうではないか、行きつけのコンビニの店員が暗い顔をしてないか、もしそう感じたら、その状態は自分にとって許容できるのか、など。

自分や、一緒に生きている人たち、同じ空間を共有している人たちを、ほんの少し意識してみるだけでいいのです。

善悪という曖昧な指標にすがって、悔いの残る選択をしないために。
その入り口として、まずは歴史を学んでみるのもいいかもしれません。

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