見出し画像

一人暮らしのキッチングッズ。すぐに買わない方がいいものと、その理由


友人が一人暮らしを始めるというので、最初はおすすめ器ショップのURLでも送ろうと思っていたのだけど、思いのほか伝えたいことが溢れてきたので、文章にまとめ、ついでにnoteに公開することにしました。

ここに書かれていることは私の経験から基づくおすすめ+最近のキッチングッズ事情を元にしたもので、当然「これが唯一解」ということではないです。楽しい一人暮らしライフの参考にしてもらえたら幸い。ちなみに、本文は唐突に「~だ」「~である」口調になっているよ。

◆一人暮らしにおすすめ<キッチングッズ編>

いざ一人暮らし!となったとき、「あれを買わなきゃ」「これもいるよね」と、一般的に想定されるアイテムをリストアップして、ニトリや東急ハンズに駆け込むだろう。が、じつはそこに最初の落とし穴がある。

新生活を始めるとき、とにかく大事なことは「一気に買い揃えようとしてはいけない」ということ。
家電や大皿といった大物だけでなく、100円ショップの便利グッズなどもそう。とにかく、初めからものを増やしてはいけない。

理由は単純で、処分が面倒だからである。
これはキッチングッズに限らないことだが、生活していくうえで馬鹿にならないコストのひとつが「ものを捨てる」こと。人生で初めて親元を離れる場合、その認識が抜けていることが多い。
ゴミをまとめて、集荷日の朝に忘れずに出す。まずこれだけで時間のコスト、手間のコストがかかる。24時間対応のマンションであっても、コストがゼロになるわけではない。
これがさらに「不燃ゴミ」(2週間に1回しか集荷されない)「粗大ゴミ」(事前申し込みが必要なうえ集荷代がかかる)になると、さらにコストがかかる。
親がやってくれていたこれらの面倒な作業を、今後はすべて自分ひとりでしなくてはいけないのである。ルーティーンが身につくまでは、面倒くさかったり忘れていたりで、ゴミ捨てのタイミングを逃すことも多々あるだろう。ただでさえ狭い部屋が、不要なものに占められていくストレスは、QOLを著しく下げる。

というわけで、ものを買うときは、捨てるときのことまで考慮しなければいけない。
ちなみに親は暮らしのベテランではあるが、一人暮らしに関してはほぼ素人なので、親の言うことを鵜呑みにするべきではない。
私は18歳で上京したとき、「洗い物に使うでしょ」とデカいたらいを持たされたが、一人暮らしのシンクにハマるサイズではなく、そもそも一人暮らしの皿洗いにたらいなど不要で、シンク下に突っ込んだまま次の引っ越し、またその次の引っ越し…と時間を重ねることとなった。

夫と二人暮らしの今、ようやく数か月に1回、食器のオキシ漬け(オキシクリーンという酸素系漂白剤で漂白すること)で出番があるが、ここまで12年以上かかっている。そして12年間持ち続けた理由は、「親に悪いから」「いつか出番が来るかもしれないから」ではなく、「捨てるのが面倒だったから」の一点に尽きる。

前置きが長くなってしまったが、ここからは具体的なアイテム名を挙げていく。
20~30平米の部屋で、ガスもしくはIHのコンロがあり、節約面でも健康面でもそれなりに自炊したい、20代社会人を想定しています。

●調理ツール
最初はフライパン1つ、片手鍋1~2つといったところだろうか。どちらも18~22cmくらいが目安。自分が使いやすいサイズでいいと思うが、同じサイズにすればフタを兼用できるメリットがある。

片手鍋は、ひとつ選ぶなら雪平鍋より、フッ素加工されているもののほうが個人的におすすめ。煮込みや汁物に使うだけでなく、フライパン代わりに簡単な炒め物にも使える(ただ雪平鍋は伝導性が高く、お湯が沸きやすいので、災害時などは便利)。

料理が好きな人、大量につくって冷凍しておきたい人、炊飯器を持たずに鍋でご飯を炊きたい人なら、両手鍋を加えてもいいかもしれない。

包丁は1つあれば十分。そして、ちょっとした作業はキッチンバサミでやる、という方法もぜひ覚えてほしい。葉物野菜やキノコはもちろん、肉だってキッチンバサミで切っていい。まな板を出す必要がないうえ、小回りが利く。
ハサミ=文房具の印象があるかもしれないが、まったく別物の刃物として捉えてください。

ザル、ボウルは料理するなら必ず使うので、忘れずに。菜箸も2~3セットあってよい。計量カップもあるとよい。まな板も1枚。
これに無印良品の590円の名品「シリコーン調理スプーン」(炒める、混ぜる、よそうなどマルチに活躍)を加えれば、基本的な調理はすぐ始められる。

画像6

https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4548718428342

●皿洗い、掃除グッズ
スポンジと食器用洗剤に加え、除菌や掃除に使えるアルコールスプレー(パストリーゼなど)があれば、まずは十分だろう。
丁寧な暮らしに欠かせないアイテムことふきんは、日々洗ってきれいにするハードルが高いので、個人的にはあまり勧めない。使い捨てのペーパータオルで十分。

そして心から伝えたいのが、「そのキッチンに水切りカゴを置いたらどうなるか、を考えてほしい」ということだ。
一人暮らしのキッチンはとにかく狭い。何も考えずに適当な水切りカゴを設置した日には、キッチンの主はあなたではなく水切りカゴになってしまうだろう

画像5

最近はマイクロファイバーやシリコン製の「水切りマット」が多数出ている。またティータオルというイギリス発祥の厚手のタオルを使う手もある。
一人暮らしの夕飯の食器(茶碗、中皿、お椀、箸、グラス)を乾かすだけなら、大掛かりなカゴは不要と言える。

●家電
個人的にマストだと思うのは、電子レンジと電気ケトル。前者は説明不要だろう。後者はとにかくお湯が沸くのが早い。コーヒーやお茶を飲みたいときはもちろん、料理の時短化にもなる(パスタをゆでるためのお湯をつくるなど)。もちろんカップ麺をつくるときにも便利。

炊飯器は場所をとるので、「毎日炊き立てのご飯が食べたい」という向き以外は、本当に買うべきかどうか検討することをおすすめする。週末に鍋で炊いて冷凍しておくこともできるし、サトウのごはんですませてもいい。
また最近は1人用の小型炊飯器や、電子レンジで1人分を炊飯できる便利グッズも出ている。検討する価値はあるだろう。

トースターは魚焼きグリルやフライパンで代用することもできる。が、毎朝パン食の人なら、場所を取るとしてもトースターがあったほうがよいだろうし、このあたりは自分の生活スタイルから選んでください。

●お皿、カトラリー、グラス
ワンプレートに盛りつけ派、小皿をたくさん派、すべての料理を丼で食べる派など、世の中にはいろいろな流儀があるので、「何cmのこの皿を何枚買うべき」というようなことは、ここでは言わない。

どんな皿にしろ、普段使いするものは割れにくい丈夫なものがいい。
うっかり皿を割ったときのストレスは半端ではない。後悔、怪我、危険な破片の処理、掃除、不燃ゴミとしての処分……。
一方で、相反するようだが、そういった経験を重ねることで「形あるものはやがて壊れる」という学びを体得できる。それも暮らしの妙味のひとつである。

と言いつつ、100円ショップの皿とヤマザキ春のパン祭りの皿に限っては、割れてほしいのにマジで割れてくれないので、迂闊に増やさないことをお勧めする。好みの皿を買い揃えるまで、とりあえずのラインナップと割り切るならいいだろう。

ひとまず使いやすい器をということなら、ニトリやイケアで十分使えると思う。「もう少しお金を出していいから、おしゃれな器が欲しい」という向きは、このあたりの器を見ておけば、2020年現在まず間違いはない。

・SAKUZAN(美濃焼)

画像6

https://sakuzan.stores.jp/

岐阜県土岐市にある美濃焼のブランド。カラフルなのにシック、シンプルで洗練されたラインナップ。おすすめはオーバル(楕円)。取り入れると一気にこなれて見える。

・波佐見焼

画像2

https://uchill.jp/blog/pottery-area/hasamiyaki/

日本各地の焼き物のなかでも、普段の食事に取り入れやすいと感じるのが、長崎県の波佐見焼。扱いやすく、モダンなデザインのものが多い。白山陶器やAIYUなどは定番人気。写真はNISHIYAMAの「デイジー」シリーズ。そばちょこを使っているが、ちょっとした煮物に使ったり、また茶器としてもちょうどいい大きさ。

・KINTOのガラスウェア

画像6

https://kinto.co.jp/collections

無駄のないガラスウェアといえばKINTO。「CAST」シリーズのミニボウルは、冷蔵しておいたおかずをそのまま食卓に出したいデザイン。ナチュラルカラーの磁器のシリーズ「ATELIER TETE」も、ちゅるんとした佇まいで、使いやすいラインナップ。

器は、白地だけでは味気ないし、柄物ばかりでも難しい。ブルー系、ガラス、木のプレート、土の風合いのする器あたりを足すと、合わせやすいうえに、よいアクセントになる。長方形や楕円形も思いのほか使いやすいので、ぜひ試してみてほしい。

●おわりに

あれこれ書いたけれども、私は一人暮らしほど自由で楽しいものはないと思っている。なので、どんどん試行錯誤して、自分のスタイルを見つけていってください。新生活、おめでとうございます。

この記事が参加している募集

買ってよかったもの

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?