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『はるヲうるひと』を、

こんばんはクラちゃんです。

今の仕事と言っても会社をたたむ打ち合わせなので、終わると気分を上書きしたくなります。
こんなにややこしいとにした過去の自分に
過去のわたしにタイムスリップして耳打ちできるならば

#できないよ

小学生の私には
「その集めてる付録のシールは今すぐ使っちゃいな!」
と言いたいし、一人で仕事し始めた20年前の私には
「会社にしないでやって行った方がいい」
と強く言いたいです。

#究極のたられば

さて、打ち合わせが終わって早速上書きに、今日がサービスデーの映画館に。
でも今日は、もう一つ何か観て気分を上書きしたくなるようなちょっと辛めな作品でした。(終わってからバカリさん観た)

『はるヲうるひと』

はるヲうるひと』を観ました。

役者の佐藤二朗さんが初監督、山田孝之さん主演となれば近年の面白路線かと思いきや、監督が以前自分の劇団で舞台でやったものを映画化しており、これはシリアスな重めの作品。

とある島には一日に二回の連絡船が来ます。島には置屋が点在していて、観光客の目的地は主にそこ。女性を買いに。
置屋の3兄弟の次男が山田さん演じる主人公です。

何故か(何故かは後からわかります)兄に頭の上がらない彼は、そこで働くとおそらく一生島から出られない遊女4人と、病気なのに酒と煙草づけの妹の世話をしています。

物語は置屋の居間での会話が多いです。彼女たちそれぞれのエピソードがそこで、というシチュエーションが固定気味なのは舞台的で、先日見た伊藤沙莉さんの『タイトル拒絶』を思い出します。


これ事実もすごかった

映画からちょっと離れますが、以前ネットの記事で東海地方のとある離島の島が1990年代までそんな感じだったと読んだ事があります。
今は普通に観光地になっているとか。(よく知らないのと読んだ記憶で書いているのでぼかしてざっくり書いてます)

一度島に働きに入るとかなりの確率で出られない。実は騙されて本島から売られた女性もいたらしい。そして命懸けで泳いで逃げた人のはなしも。

これ平成の話ですよね??あまりの事に驚きました。
世の中の片側しかまだまだこの歳になっても知らないと思わされましたし、こういう言い方どうかわからないけど女性として辛いことです。

この島はバブルの時期には社員旅行で使った企業もあったとか。
私の知らないあまり表に出てこない『最近の』はなし。
わたしにとっては1990年代なんて『最近の』で、そんな昔話に感じられないからです。(over the sunです)

さて映画では

そのままだと、事実のドキュメントが映画のエピソードを超えてしまう。だからなのか?どうなのか。
特にハッキリそこがモチーフとは言ってないから考えすぎなのか。

映画では親子関係や兄弟の話、遊女のうちの1人の恋とか、別の何者かになりたかった女。
なんていうエピソードをからめて見ていて辛くなるシーン多数です。
さてまともな暮らしって?

でも視点が違うのでしょうか。終盤の親子関係の誤解の伏線回収は、実は私は、ええっ?てなりました。絶対なくはないけど敢えての物語化なのか。
でもそれは作家さん、ここでは佐藤二朗さんの自由で私は観客ですから。よかったら感じてみてください。

「笑え、殺したいほど憎くても」

私はさっき書いた
以前に読んだ記事をつい被せて考えてしまいホントの事みたいな物語って難しいなと今回は特に感じてしまいました。

「笑え、殺したいほど憎くても」
というメッセージが印象的です。笑うしかない状況。
よく噛み締めて考えて1人で観る映画としてはおすすめですが、
ちょっと特殊なのでデリケートな皆さま、是非心に余裕あるときに。

ついでに言えば(あとがき)


私は映画館で年間に軽く100本くらいは映画を観てますが、もし私が2時間あまりの映画を作って良いならどんなのにしようかな?と監督や映画会社でもないのに、むかしからよく想像します。

#妄想好きなお気楽者です

今日わたしが行った映画館はシネコンではなくミニシアターなので
趣旨を理解したお客が多いと思いますが、こんな風にちょっと変わった作品だと、もし久しぶりに映画館に来たならびっくりするのでは無いか?
たまにシネコンは途中で出る人も見ます。

シネコンが多くなってだいぶ経ちますが、人気テレビドラマや漫画原作を人気者が演じるポップな作品が多いのはやはり当然なのかもしれませんね。

そしていまやお茶の間の人気者になった佐藤二朗さんが世に投げた作品は、ややこしいけど貴重で、

彼はものすごい勇者なのかもです。

ではまた

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