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私と家族と保険証

保険証

健康保険組合に加入すると、その証明書として「健康保険被保険者証(保険証という)」が交付されます。医師にかかるとき、保険証を病院の窓口に提出することで、医療費の一部を負担して必要な治療が受けられます。
保険証の記載事項を勝手に直したり(住所欄は可)、他人に貸したりすることは禁止されています。また、保険証は身分証明書の役割をする大切なものですから、保管には十分気をつけてください。しまい忘れたり、病院に預けたままにしないようにしてください。保険証をなくしたり、記載事項に変更があったときは、すみやかに健康保険組合に届け出てください。(けんぽっぽnetより)

出会い

簡単に言うと最初から持っていた。みんなと同じように生まれて、諸々の手続きをして、私にも保険証があった…あの一件までは。

あの一件があってから私は保険証に異常に執着するようになってしまった。

私と保険証

大学進学を機に私は都会の祖母の家に引っ越した。この家には祖母とDV男である父の兄が住んでいる。

この家での生活と大学に慣れた頃、私は口の中に痛みを感じる。それは親知らずが生えてくる痛みだった。もともと顎が小さく歯がぎゅうぎゅうに詰まっている私の歯並びは、横に生えてきた親知らずに押されていたのだ。今まで二枚歯や抜けない乳歯など歯科トラブルに慣れた私は、さっさと抜いてしまおうと考えた。

しかしここであることに気づく。保険証がない。引越しの時に母親から受け取るのを忘れていたのだ。私はすぐに「歯医者に行きたいから保険証送って」とLINEで連絡した。そこで衝撃の事実が判明する。

「保険証ないよ。妹の送るから誤魔化して使って。」

よくわからない。よくわからないけど異常な状況だ。

私はその後うつになり、常に死を意識した学生時代を送るのだが、最初の原因がこれだ。大学の事務に相談すると当然、医療系の大学なのもあってバレるとやっかいなため使わないようにと言われた。歯医者では1万円、発熱で病院に行けば薬と合わせて7000円。うちの親は仕送りなんてしないから全て自腹だ。

でも友達はみんな持っている。

私だけが持っていない。

次の日、登校はしたけれど教室には入れなかった。

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