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二次元オタクが突然日プ2の沼に落ちた話

そもそもKPOPどころかアイドル自体、全然詳しくないしハマったことのない人生だったんですよ。テレビによく出てる人なら見たことあるし、なんとなく話題曲だけ知ってるって程度。アイドルのCDも人生で一度も買ったことがなかった。(※二次元アイドルは除く)

それがどえらくしんどいコンテンツに出会ってしまった

実はこのエントリー、書き始めたのが2021年の7月頃。しんどすぎる自分の感情をまとめるために書いていたんですが、まあ色々ありましてまとめきれないクソデカ感情を持て余してしまって、そっとインターネットの片隅に保存していました。
そんな文章を何故引っ張り出してきたかと言うと単純明快、

本編の公開日が残り1週間を切ったから。

3X年間一度も三次元のアイドルにハマったことのなかった女が、気が狂うことになったコンテンツについて、そのきっかけとなる動画がまだ見れるうちに記録として残しておきたかったのです。


PRODUSE 101 SEASON2

布教してくれた友人が日プ2って呼んでたからそのまま呼称使ってるけど、シリーズ通してのプデュの方が一般的なのかな?よくわからんけど(こういうところがジャンルに対する浅さ)

いわゆるサバイバルオーディションです。合宿中やパフォーマンスの様子を配信しながら、放送期間のファンの投票によって、最終的にデビューメンバーが決まります。
※ちなみに同世代に説明する時は「ASAYANみたいな」って説明してる。大体通じる。

まあとにかくそこで出会っちまったんですよ、
推しに

宣材写真がびっくりするほど盛れてないで有名(?)な小堀柊(こぼり しゅう)くん。サムネのお顔かわいいねぇ。
正直、最初の頃は「この子高校生なのに髪色すごいなぁ。でもなんか俯きがちでもったいないな、こういう子は多分途中で脱落しちゃうんだろうなぁ」なんて少し斜に構えた気持ちで見てたんですよ。

(ちなみに、わたしは投票については友達にお願いされた子に投票したくらいで、自分の意思では一切関わらないまま、全て終わってから番組を見ました。今思えばなんと残酷か。)


落ちちゃう子推したらつらいから、とりあえず田島くん(最初のランキングで2位、元ジャニーズJr.で既に芸能人オーラ半端ない)あたりを応援しなが見ようかな…この子は受かるでしょ、たしか最後の方の投票にもいた気がするし…みたいなスタンスでずっと見てたんですけど。
なんだかんだでつい目に入る小堀くんが心に引っかかりながら、他のスキルを持った子の魅力に惹かれたり、いいエピソードを残した子達の涙と青春を消費しながら番組を見進めていたら、

最後のコンセプトバトル(簡単に言うとパフォーマンスのチーム戦です)のA.I.Mでガッツリ沼落ちしました。
こ、小堀……こんなにかわいかったのか……こんなに立派にパフォーマンスできるようになったのか……

と。これだけだと私がただ小堀くんがかわいいよと言ってるだけなので、プデュのしんどいポイントをご紹介したいと思います。


若い男の子たちの、青春を一方的に消費する贅沢


身も蓋もないですけど、これが一番の魅力です。(断言すな)
コロナ禍で制約のある中、10代後半から20代半ば頃の少年〜青年達が、がむしゃらにデビューに向けて、歌やダンスを練習してパフォーマンスを作り上げていく。
その過程でもがき、苦しみ、時には涙し、ライバル達と協力し支え合いながら夢を掴もうとする、
スポ根少年漫画のような、キラキラした青春の姿を、視聴者である我々は一方的に消費した上で、さらに投票という形で一方的に評価するという、

言葉にしたらめちゃくちゃグロテスクだけどそれがたまらなく沼にハマるんですよね。

元ダンサーが、ダンスという武器を捨てラップに挑んだり、チームメンバーの選出権を得た子が、自分がボーカルをやりたくてメンバーを選んだつもりが、結局ボーカルはできずラップ担当になって涙したり。
一緒に頑張ってきた子が順位発表で脱落して、自分は受かってもボロボロに泣いたり。もう成人してるような男の子たちが、抱き合ってボロボロに泣くんですよ。自分が落ちたことじゃなくて、友達が落ちたことを心底悔しがって。
そんなん沼でしかない。

成長の物語


プデュに出てくる男の子たち、もちろん先述の田島くんのように元々アイドル活動していたり、バックダンサーとしてステージに上がっていたりと、芸能界でセミプロ〜プロとしてお仕事をしているような子もいるんですが、圧倒的に素人の子が多い
経歴不問だし、スキルだけが評価されるわけじゃない、視聴者投票で選ばれるオーディションだからこそ、素人がデビューするってなったらここしかないって言うのもあるんですが。
ただの地方の高校生みたいな子と、プロ意識の高い社会人と、アイドルになりたくて練習生経験があったり有名スクールに通ってたりしてた子と、それぞれに意識の差も経験値もバリバリに差があって、でも一つのチームとしてパフォーマンスを作り上げなくちゃいけなくて。
最初はベソベソしてた子達が、ちゃんとアイドルとしてステージの上に立って、下手くそだったはずの歌をちゃんと歌って、へなちょこだったダンスがみれるようなものになってたりして、
そんな成長物アニメのクライマックスシーンみたいなものを短期間にバンバンバンとお出しされるから、オタクとしては満身創痍。
今まで気にもとめていなかった子の魅力を発見して、まさに「見つけた!」となる瞬間が楽しくて、見つけたら今度はそれまでの回を見返して、「この子はこの時ここにいたのか…」と感慨深くなる、二度も三度も楽しめるコンテンツなんですよ…。(配信終了が惜しすぎるので、本編そのまま円盤化して欲しい)

“ケミ推し“の魅力と絶望


この界隈にきて初めて知ったんですけど、KPOP界隈には「ケミ」という概念があるらしいです。

「케미칼:ケミカル(化学)」の略語で、そこから“化学反応”という意味が転じて
「人と人が出会い化学反応が起こる」という風な意味を持つようになりました。
…つまり、「男女が出会い強く惹かれ合ったり、ぴったりの相性を見せる」とニュアンスを持っています。

https://www.koari.net/entertainment/56520/

元は男女のカップルを指す言葉っぽいんですけど、オタクはむしろ同性に使ってる。まあそのあたりの気持ちは痛いほどわかります、二次元のオタクなので。別に腐女子でなくともね、顔がいい人間と顔がいい人間がクソデカ感情を持っていたりするともうそれだけで酒のツマミになるわけですよ。

まあそういうケミという概念が既にあるため、オタクたちが気になる二人をセットで語ることに抵抗がない。古のオタクとしては「そんな、カプ話を伏せ字使わずするなんて…!?」と動揺するレベルなんですが、彼らの関係は別にカプじゃないので堂々と語ります。
ジャニーズで言う「シンメ」に近いものはあるのかな、でもシンメとケミってなんか明確に違うよね、肌感覚だけど…。この二人はシンメだけどケミじゃないし、ケミだけどシンメじゃないとか、なんとなくあるもんな…。

そんなこんなでケミで推し始めると、出てる子達に対する解像度が一気に上がって、「この子とこの子、仲良いの?なんで?…○○のとき同じチームだからか!」と見つけだす楽しみがまた増え、またセットで覚えるから認知のペースも上がり、気づけば全員を箱で応援するような気持ちになるわけです。
今だから言います、本編に出てた60人みんな応援してるし開設してる子は全員インスタフォローしてる。みんな幸せになってくれ…。

そうしてケミ推しすることで、練習生(出演している男の子たちのこと)の解像度を広げ、オタクを軽率に沼落ちさせ、そして別れの瞬間の絶望度をより深いものにする
最高のケミ、君たちは一生一緒にいてくれ…とオタクが願う最高の二人のうち、片方が脱落し、片方が上に上がる。片方がデビューし、片方がデビューを逃す。そうなるともう彼らが一緒のステージに立つことはないのかと突きつけられ……あっ、ちょっと、ごめんなさい、まだ古傷が痛むようです。(もう9ヶ月くらい経ってるが)

そんなわけで、スポ根モノだけでなく、別離系のストーリーが好きなオタクにもおすすめです(最低)

トレーナー陣が最高


日プ2を語る上で絶対欠かせないのが、トレーナー陣です。
ダンス・ボーカル・ラップのそれぞれプロフェッショナルが彼らにレッスンするんですが、いやもう熱い
ハロプロオタクならみんな知ってる菅井先生、ダンサー界隈で有名な仲宗根梨乃さん、DA PUMPのKENZO、青山テルマ、ラップはKEN THE 390(別ジャンルでも楽曲提供していただいたりしてたので個人的に沸いた)…皆さんキャラクターが濃く、練習生にも本気で向き合ってくれ、発破もかけるし、煽るし、でもメンタルケアもしてくれる、サイコーのトレーナー陣です。
素人みたいな子も多い中、第一線のプロに指導してもらえる機会って本当に得難いものなんじゃないかな…わたしもズブの素人だけど、人生は練習生の子達より長く生きてるのでそれは感じるよ…。
プロフェッショナルたちはその世界でずっと生きてるからこそプロの世界が厳しいことを知ってるし、でもだからこそ、諦めず最後まで食いつく必死さがないと残らないことも知ってるわけで…
クラス分けのWhite loverというグループのパフォーマンスに「悔しい」って言った仲宗根先生の涙がわたしは好きです。

とにかくproduce 101 Japan season2を見てください


もっともっと語れるんですけど、とりあえず二次元のオタクが初めてハマった三次元コンテンツについて、今一番言いたいのはそれだけです。
騙されたと思ってGYAOのアプリをダウンロードして欲しい。パソコンならアプリ入れなくても見れる。

青春の煌めきと、投票制オーディション番組のグロテスクさと、そこから生まれる唯一無二のパフォーマンスを見てほしい。
あの時あの瞬間でしか見れない儚さと必死さが込められてるので……

最後に私が一番「日プ2が詰まってる」と思ってるステージを載せます。(推しはいない)
張り詰めるほどの真剣さと、見るものに訴えかける表情と、短時間で仕上げたとは思えないパフォーマンスの完成度、何よりしんどいのが二度とこのパフォーマンスは見られないこと。(もう一つのグループに比べてデビュー組の割合も低いんですよね…)



番組が終わり、デビュー組がデビューし、脱落した推しが、なんと主催の一つである吉本興業に拾われアイドルデビューをし(それまで一般人未成年のインスタを毎日チェックするやばいオタクだったのが、ちゃんとしたアイドルのオタクになれて、比喩でなく号泣した。その話はまた今度したい。)、今現在供給に追われてオタクとしては非常に楽しい日々を送っています。

それでも私はこの番組の、その時にしかなかった涙と青春の煌めきを浴びたくて、またGYAOを再生するのです。
いやマジであと少ししか公開期間ないから全人類見て欲しい。

願わくばあなたにも推しが見つかりますよう。
その推しがデビューできますよう。

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