【ERP導入②〜移管完了・まとめ】
「皆さん、ERPとは別にビューアーを用意されてますね…」
MRPの納期設定がうまくいかない問題について中ボスコンサルはこう言った。
「誰?ERPだけで仕事しろって言ったんは?」
この続きです。後半は200円とさせていただいています。
旧ホスト再稼働
それを聞いて動いたのが、ERP導入後に解散すると囁かれていた工場のシステム課だった。なんと!システム課はIT統括部と交渉して旧ホストをビューアーとして再稼働させたのだ。
ここまで来ると正直何のためにERPを導入したのかよく分からないが会社の業績と生産管理は救われた。勿論、新規手配はできないがERPのデータを使って計算して在庫推移予定の画面を使えるようにしたのだ。
生産管理の担当者は旧ホストのその画面を見ながら、ERPの MRP予定オーダーの納期を欠品しない納期に変更して手動確定できるようになった。これにより数ヶ月かけて材料手配は正常化し工場長や管理職の焦りも徐々に消えていった。このシステムと運用はこれもその後10年近く運用され、後年、ERPと接続したサブシステムに統合された。
部品に間接費を計上できない!?
ある日、生管の原価担当が言った
「これPO(注文)の部品を入庫しても間接費載ってへんよ」
えっ?そうなると、工場の部品手配や納期管理業務はタダ働きになり、工場業績も製品原価もむちゃくちゃになってしまう…。ここでも中ボスコンサルが登場。
「これは御社の場合、本社の集中購買部が伝票を発行してるからですね。集中購買部のみ間接費が載せられ回収されてます。」
「システムの仕様としては分散購買にすれば工場で間接費を回収できますが御社の場合、グループ再編みたいな大ごとになりますね…。」
これの技術的な対応は割愛するが、実務も筆舌に尽くし難いものであった。ERP側で工場でも間接費を計上できる準備をして、我々は全仕入先に経緯と対応を説明し、部品の納入を一週間止めてもらい、全POの注残を取消して赤黒で再手配した。仕入先も伝票差替えに大慌てである。なお、この際、取消はコンプライアンス上、IT統括部での一括取消しは許されず何千枚にも及ぶ「紙」の取消依頼書を工場で作成し集中購買部に「社内メール」で郵送して集中購買部にて「手作業」で取消された。
特注品はどうやって作る?
ERPでは受注生産品は受注紐付きで生産指令が自動登録された。困ったのは設計から受注する特注品である。図面がないのだから自動登録された生産指令は勿論空っぽである。IT統括部に相談すると、
「出図されたら生産指令の中に生産工程と部品構成を手入力して下さい」
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