Netflix「サンクチュアリ」ー聖域を見て
1 サンクチュアリ聖域を見たきっかけ
相撲を題材としたドラマ映画を今まで見た事がなく(実際になかったかも?)軽い気持ちで1話だけでも見てみようかと思い鑑賞したが、役者陣の演技力の高さ・熱量や作品のクオリティーの高さに圧倒され、あっという間に全8話を見終えてしまいました。
2 ストーリー
主人公演じる猿桜(一ノ瀬ワタル)は福岡で荒れた暮らしを送っていた。猿将部屋親方猿将(ピエール瀧)から相撲で大金を稼げると口説かれ、故郷を離れて相撲部屋に入門。だが、反抗的な態度を取り続ける猿桜は周囲から認められず、相撲にも真剣になれずにいた猿桜が様々な困難を乗り越え、成長していく一言で言えば「スポ根」のストーリー構成です。
3-1 見どころ 相撲を題材としたドラマ
先ず相撲を題材にドラマ作成するにあたり、伝統世界である相撲に対し協会側が撮影協力さえしてもらえない状況でありながら、相撲を題材としたドラマ作成にチャレンジ精神を持ち挑み、相撲の表側のストーリーだけでなく裏側の「親方同士の力関係」「猿将部屋力士同士のいびり」「二世力士の苦悩」等のストーリーが描かれ、かなり相撲に切り込んだ作品となっている。
3-2 見どころ 力士演じる役者陣
”猿桜”演じた俳優一ノ瀬ワタルさんの肉体づくりについて
相撲の稽古・肉体改造に努力を惜しみなく発揮しこのドラマにかける意気込みが垣間見える。普通の人間では役作りのために2年半費やす事が到底出来る事ではないと思う。
また、ドラマ序盤は相撲に真剣に取り組んでいないため締まりのないだらしない体であったが、ドラマ終盤では相撲に敬意を払い真剣に取り組み引き締まった体になっていた事もドラマ内容とリンクし素晴らしい。
猿将部屋「猿谷・猿空・猿河」を中心に龍谷部屋・虎空部屋・馬山部屋の力士演じる役者陣(一部の方は力士出身ではあるが・・・)も主役演じる一ノ瀬ワタルさん同様、専属トレーナー指導の下体づくりを行い全ての力士役の役者の方は、「本物の力士」と遜色ない体に仕上がっており、稽古及び取り組みの場面でも「体がぶつかる音」や所作が本物の力士でしかない出来であった。
まさに、大相撲記者担当を演じた時津敬一郎(田口トモロウ)のドラマ中のセリフとなるが、「異常の上に成り立つ異世界、それが角界なのだ!」
を体現したのが、本作品なのではないかと感じてしまう。
3-3 見どころ 力士を支える役者陣
清水(染谷翔太)
猿将部屋の元力士 相撲愛に溢れているが、早々に力士としての未来を諦めていた。猿桜と共に部屋から抜け出した後、力士として未来がある猿桜を説得し、彼を留めることに成功する。これを機に猿桜とも仲が良くなった。その後は呼出として猿桜たちと再会。以降は猿将部屋付の呼出「正喜」として相撲界と関わってゆく。
国嶋飛鳥(忽那汐里)
関東新聞社の相撲担当記者。帰国子女で、昨今の価値観にそぐわない相撲界の常識は変わるべきだと感じている。元は政治部にいたが、強引な取材、それを上司に庇ってもらえなかったことがきっかけで人事異動を受けた。猿将部屋の稽古の視察中に猿河を怒らせたことを(結果的に)庇った猿桜と出会い、彼の相撲を見るうちに興味を惹かれていき、彼を守るために犬嶋親方に土下座をするほどにのめり込むようになる。猿桜の入院中に七海といざこざを起こすなど、異性としても猿桜をほのかに意識している。
猿将親方(えんしょうおやかた) ピエール瀧
猿桜の師匠、猿将寛一。猿桜の才能を見初め、相撲の世界にスカウトする。現役時代の四股名は猿風(えんふう)で、最終的な番付は大関。低い姿勢から鋭く当たる取組が得意であり、名力士と謳われていた。
問題行動ばかりの猿桜にはたびたび手を焼かされており、時には彼が恐怖を覚えるほどの剣幕で叱りつけることもあるが、基本的には気に入っており、なんとか解雇されないよう手を尽くす。
小瀬早苗(余貴美子)
猿桜の母。幼い猿桜に愛情を注ぐ良き母であったが、借金で店を潰した夫に愛想を尽かして出て行って以来、借金をしては踏み倒したり、男を渡り歩いたりなど奔放な生活を送る。夫のことは忌み嫌っており、寝たきりで口を利けないのを良いことに愛人を連れ込み病院のベッド脇で痛罵するなど、夫婦仲は修復不可能の状態にある。しかし母親としての情は完全に失っておらず、猿桜が力士を解雇されそうになった時は直接東京に乗り込んできて腑抜けた彼を激しく叱咤し、再起のきっかけを作った。
4 セットについて
国技館や相撲部屋を模したセットは製作するまでに長期間かかり、ディテールにもこだわりがあり本物さながらのセット・本物さながらの力士役を揃えた事に驚愕した。
5 まとめ
本ドラマの魅力を伝えるには言葉だけでは伝わらない事も多くまた、多くの内容を伝えたい気持ちはありますが、先ずは一度鑑賞して頂きたいです。とてもおすすめのドラマとなります。
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