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うつ病治療の課題 柏瀬 宏隆

今回、本書籍を取り上げた理由としては最近私自身がうつ病に関する興味が湧いたことが挙げられる。
原因がうつ病とされる芸能人の死亡例が連日ニュースを騒がせている事や、自身の身近な存在にうつ病の可能性を持った人物がおり、知見を広げたいとの強い思いがあった。

 うつ病を治療する上で必要な治療薬は様々あり、それぞれに効能が存在している。
今回は多くの図を用いて、それぞれの症状に関する効能があるのか無いのか一目で見てわかりやすく理解できるように書かれていた。
また、日本国内で使用可能な抗うつ剤をリストアップして、それぞれの一日に使用可能な量を明記するなど、うつ病に理解のない読者にもわかりやすい内容になっていた。うつ病の今後の形態が変化するだろうという見通しも書かれていて、長い目でうつ病を考慮した論文になっていた。

 だがテーマを「うつ病治療の課題」とした本論文では、心の病のかかりつけ医が必要だという内容でまとめられていた。
ただ単純に心の病のかかりつけ医が必要という事実は誰でも理解できる内容であり、非常に浅はかなまとめだとも捉えられる。内容の8割を薬の種類や効能でまとめているのであれば、具体的な薬を挙げて、それによって今後の大きく改善される展望があるなどの専門的なまとめ方でも良かったのではないかと考える。

結論として、うつ病と聞いてイメージしやすい自殺に追い込まれるまで悪化した事例だけがうつ病とされているのではないという点がある。
うつ病には多くの種類とそれぞれの段階が存在する為、うつ病を理解する為には幅広い知識が必要になる。また、うつ病は芸能人を初めとしたセンシティブな職業に携わっている人だけがなるものでは無い。
病気と同様、いつどのタイミングで罹患してもおかしくないれっきとした病気なのだ。その為、気力で治すようなものではなく、抗うつ剤を摂取して治療に専念させることが大切だ。
本論文でも言われているように、うつ病の薬には多くの種類があり、それぞれに細かい効能がある。それらをうまく利用する事で、日常生活をスムーズに過ごせるようになるだろう。

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