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魂の燃焼

起業して3年。
BARで日々頑張ってくれているスタッフやお客様と接していくうちに、
自然と起業家として大切なことを身につけ、ポリシーを学んでいる。

中でも、
会社を営む人たちの考え方や心の持ち方は、
いつも私にグッと熱く喝を入れてくれるものがある。

経営者が兼ね備えてるものの一つは、情熱。
情熱を持ってお客様のことを考え、
情熱を注いでスタッフを育て、
情熱に溢れた想いでお金を借りる。
情熱の熱さ、情熱の強さでみんなが着いてくる。              
                                     誰よりも持っていなきゃいけないものであって、
それを忘れちゃいけない。

と。

別のある日、
カウンター8席のお寿司屋さん。
静かで清らかな空間の中、

新鮮なマグロを握りながらしゃがれた声で話す大将の言葉。

「仕事ができるから、給料が上がるわけじゃない。
 売上が良いから、給料が上がるわけでもない。だってそうしたら皆
『売れれば良いんでしょ』になるよね。
 
 そうじゃなくて、責任感!
 責任感があるから、給料は上がる。
 自分のことだけじゃなく、お店のことや皆のことを考えられることが大事。
 
 そういう人が、稼げる人に育って行くんだ。」

と。

大将が部下を一人前の職人に育てることに、中途半端な優しさはない。
厳しい目つきで、当たり前の様に言っていた。


思わず深くうなずいたのは、
最近私が少々悩ましいスタッフから「どうしたら給料が上がるのですか」と質問をされたことがあったから。


人に責任感を養わせることは、そう簡単ではない。
どうしたら、人に、真の責任感が生まれるのでしょうか。と、聞きたかった。

板前さんのように夢がある人、
何も言わなくても勝手に成長してくれる人も居れば、
何事もやる前からイマイチ努力を重ねることができず、仕事への理解をする事もないまま不満が出る人もいる。
後者のようなタイプの人間にだって、
いつも誰かが何でも教えてくれるわけじゃないので自分から聞いたり学んだりして欲しいけれど、こっちに向かせるようヒントを与え続けるしかないのだろうか。


アルバイトと社員が共に働く環境において、主に違うのは働き方と待遇だけだと考えている。
バイトリーダーという言葉が使われるように、アルバイトにも関わらず強い責任感と使命感を持ち、自分より優れている人は居て、尊敬する。
素晴らしい意見は積極的に受け入れドンドン頼りにしていくし、そこに役職や年齢などは一切関係なく過ごしている。
そうやってみんなと共に仕事をする企業を楽しむことが、私のやり方でもある。


だからまずは、どんな人にも
"今この店を作っているのは自分達"という自覚を持ってもらわなくちゃいけない。
仕事へのやりがいと、楽しさと、それを実感しながら培われてくるのが責任感なのか、と考えた。
だから私なりに何度も角度を変えながら伝えるしかないと、時より眉間にしわを寄せながら必死に言葉を考えていた。


そんな最近、サスペンダーをした少し大柄な先生が語っていた一言がある。

お金は、人を喜ばせた数だけ与えられるもの。
だから、どれだけ人を喜ばせ、幸せにしたか。
あるいは、人の役に立てたかで結果はついてくるもの。

「ああ、この言葉か、、、!!」と、脳にヒットした。

その瞬間先生の体の大きさが一気にすごいオーラに見えて、
つい難しく考えてしまう体の細い私はまだ青いと感じた。
こんなにも分かりやすい言葉があったのか。


こんな風に、
私はスタッフやお客様、先輩方や職人さん、
出会えた人によって考え方を大きく変えながら一生懸命人生を歩んでいる。

銀座に勤めていて面白いことは、
沢山の人に会えること。
単純だけど、そこが一番楽しい。

色んな世界で生きている人をおもてなしするのには、いつでも気を張っていて、
柔らかい笑顔で凛としていたい私がいる。
そして心に刺さった人の考え方を、時にはこっそり自分の物にしている。
それがまた面白くて、私にとっては丁度いい刺激をあたえてもらえる場所。

魂を燃焼させながら、
一歩一歩成長していく模様をここに記していこう。


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