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弁護士ばんぶうの不倫裁判百選

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弁護士 齋藤健博が、不倫判例を独自の理論で、わかりやすく解説しています。
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#日記

不倫裁判百選84日記の中で,被告との関係を「恋愛関係」と記載してある日記?

0 はじめにある試論を展開しました。 今回は、日記の内容を詳細に検討しつつも、慰謝料請求を認めていない事例を紹介します。日記はメールと違い、いつでも修正可能なように思われますが、裁判例では、結構重視しているものが多いです。 1 事案の概要(1) 当事者等 ア 原告と原告の妻であるB(以下「B」という。)は,平成8年4月21日に婚姻し,原告とBの間には長女(平成11年○月○日生)及び二女(平成13年○月○日生)がいる。なお,Bは,岩手県釜石市出身である。(甲1,弁論の全趣旨

不倫裁判百選68『悪いことに日記の抜粋を不倫相手に送りつけて復讐することも考えた。』

0 はじめに加害者側である不倫した女性当事者から不倫された妻である被害者に対して、復讐することはあるのか? 訴訟は権利救済やバランスの取れた解決を志向する場であって、復讐の場ではもちろんありません。加害者側から関係の悪化した不倫相手に対し、手紙を送る行為は、被害者である原告(妻)に対して不法行為責任を負うのか? 1 事案の概要東京地方裁判所において平成15年11月26日に出された裁判例は、被告からの手紙の送付を以って、被告が不倫相手と修復するための性質のものだと認定した事