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「頑張れ」は「お前はそこに吊るされてろ」である

「頑張れ」という言葉は鬱の人に禁句とされており、また鬱とまではいかなくても「なんかキモチワルイから嫌だ」と思ってる人も多いだろう。

私もなんとなく嫌いだ。「頑張ります」とつい使ってしまうことがあるが、使ったあと気持ち悪い感覚が残る。無理矢理いやなことを強制されてるあの感じ……あれだ。「奴隷になれ!」と言われてる感じだ。

さて、この「頑張る」のキモチワルさについて解明して、この言葉を解体することができないだろうか?とふと思った。しかし自分ではなんともならなかったので、ちょっとGoogle先生に聞いてみた。

おあつらえ向きに出てきたのがこちらの論文だ。↓

一番面白いのは最後に出てくる
この表だ。

「頑張る」における構造と変化 川岸克己 安田女子大学紀要 (39), 11-19, 2011-02-28


頑張る、やっぱりキモチワルイな……
おしめ濡れてるようなもんだもんな……

頑張るのキモチワルさを変えたい場合の方策。
その1
快になるために「頑張らない」になる
快を求めるは人として当然。
しかしパフォーマンスは著しくダウン、もしくは完全にストップする。
→生きていくことがかなり困難に。

その2
不快を我慢しすぎて「頑張れない」になる
おしめ濡れたまま放置しまくったらそら不衛生で病気になって死ぬの当たり前よな。
→生きていくことがさらに困難に。

その1もその2も生命活動になかなかに差し支える。
で、その3だ。

「?」
……わからんのかーーーい!!!

論文を読むに、どうやら「フロー状態」の状態である。日本語ないんかい。

「無我夢中」
 これかァ……

 でもどちらも「頑張る」ほどの言葉の戦闘力がない。さらにいえば動詞がいい。使いづらいからね!

「フロる」
 風呂かい。
「無我夢中る」
 長いわ!

 確かに難しい。

「楽しむ」
 これは論文中にも出てきてて。
 たとえばスポーツ選手が「楽しんできます」と表現してるけど、あれ聞いてる方はナンカチガウ感(先生はもっときちんと書かれてます)がするからボツだなあ。
 遊びに行くんかよテメーは、と反感買うんですよね、「楽しむ」は。

 無我夢中やフロー状態、ゾーンに入る……
 この物足りない感じ……

「頑張る」を倒すには圧倒的に戦闘力が足りない。

 言葉は「使ってる人がめっちゃ多い」という言葉の戦闘力が必要。

 今、特にないということは、だ……
 インパクトのある新語が必要だということだ!

 たとえば「イケメン」なんて元々なかったのに、いつのまにかどっかり居座ってそこにいる。
 そのように新たなる言葉を!!

「?」である空白の言葉。
 新たに考えようぜ!!

 言葉が考えられ、それが人々に広まり、一般概念になれば。人々は不快な「頑張る」を手放せるのではないか?
 それこそが活力に満ちた快適な世界なのでは?

 ……と、私は愚考する次第です。
 吟遊詩人妙遊のひとりごとでした。

(川岸先生、大変身になる論文をありがとうございました!!)

追伸
タイトルの「お前はそこに吊るされてろ」というのは、論文中で英語で頑張るに当たるであろうという"Hang in There"を見て、ウワァ……と引いたところから(川岸先生はこんな乱暴な訳はされていません。そこんとこ誤解のないように)

「わー、北欧神話のオーディン様みた〜い👏👏」と呑気にも思いました、が。
 オーディン様はみずから望んで「自分を生贄にして、知識を獲得したい!!」という、特殊なタイプなので……へ、変態なので……(でもこの手の努力は楽しいですよね )

普通は、
「お前が嫌だとかしんどいとか苦痛とか一切聞く気はない。お前はそこで力の限りを尽くして、頑張り尽くせ。死ぬならお前はそこまでの人間だったということだ。この能無しめ」というような有言無言の圧力を延々とかけられまくって「ふざけんなよ!」という事態に陥りがち。
奴隷や畜生扱いですもんね、それ。
人間への扱いではない。
嫌に決まってる!!

そういうキモチワルイ「頑張る」を滅ぼして、
①「頑張る」の持つ意味合いを変えてしまう
②新しい言葉を生み出してしまう

どちらかをやった方がいいのではないか、という提案でした。

だって「頑張る」が蔓延ったせいで、日本中にゾンビな人溢れてるじゃん。
ゾンビをやめて、生きた人間になろうぜ。

とりあえずフロることにしよう。


追伸2
あと6月に北欧神話のライブをするので、ご興味のある方はお越しいただきたい。4月6日土曜の10時から予約を受け付けている。

もちろんオーディンも出てくる。

浮き沈みはげしき吟遊詩人稼業を続けるのは至難の業。今生きてるだけでもこれ奇跡のようなもの。どうか応援の投げ銭をくださいませ。ささ、どうぞ(帽子をさし出す)