『蜂蜜酒とドラゴン』
皆様こんにちは、吟遊詩人の妙遊です。
昨日は『蜂蜜酒とドラゴン』というお題で、ブリテン島を襲った三つの災厄の物語を配信させていただきました。
一つめが、異世界からの小人の襲来。
二つめが、すべてのものの生気を奪うドラゴンの叫び声。
三つめが、集めた食糧をぜんぶ盗んでいく大男。
第一の災厄の小人は毒虫を混ぜた水を浴びせて殺しました。
殺虫剤みたいな感じでしょうか。
たとえば植物の精油ですが、あれ、人間には無害(量によるでしょうが)でもネコちゃんには毒だったりもする。
今回のお話も同様に、人間には無毒、他の生物には有毒。そういうタイプの毒なのかなあと。
小人さんは、原典ではコラン人と書かれています。このコラン人。研究者さんの解説を読んでいると、異界の小人とわかるんですね。
そして異界の小人とわからないと、このお話は異民族皆殺しみたいでめちゃくちゃ怖い。なので、研究者さんの解釈をフル活用してお届けしました。
第二の災厄、人々を恐怖に陥れる声をあげるドラゴンは埋められてしまいましたね。
埋めるといえば、大阪の一番の中心地の梅田。もともと埋田というんですが、梅田に名前を変えてるんですよね。
そう聞いて以来、なんとなく梅田にゾンビがいっぱい埋まってる気がしてしまう。梅田ダンジョンにゾンビがいっぱい。なかなかスリル満点です。
ちなみに梅田で歩いていても、あんなに人が多いのにそんなにぶつからない。みんな爆速で歩いてるんですが(笑)
大阪、全体的に皆気忙しいので、ノリが似てる者同士はぶつかりにくいのでしょう。大阪、特に梅田は地元民メインですからね。
さてお話に戻りまして。
このドラゴンのお話、埋めるだけで殺しておらず、ほんのりやさしいんですよね。単にドラゴンを殺せる金属がなかっただけかもしれないですけれども。
後にウェールズは赤いドラゴンを旗に描いているくらいなので、赤いドラゴンに愛着があるせいかも……?ドラゴンが大事にされていると嬉しいですね。
ドラゴンといえばファーストインパクトが『ドラゴンボール』の神龍&『にっぽんむかしばなし』の子供が乗ってる龍。
どちらも怖いというより、強いけど優しいイメージ。なので西欧の敵扱いされてるドラゴン見ると「あれに勝てるのスゲー!」と思いつつも「でもかわいそう……」とどうしても思ってしまうんですよね。
なのでドラゴンが西洋でもいい扱いされてるとちょっと嬉しい。まあ、現代では『ヒックとドラゴン』とか『エラゴン』とか『エルマーとりゅう』みたいにドラゴンと友達な描写が多いですけども。伝説はほぼ悪役ですからね……
ちなみに後日譚では、マーリンがヴォーティガン王とドラゴンを掘り起こしちゃったわけですが。
掘り起こしても良かったの??あかんやつでは??
……まああれを掘り起こさないとマーリンは殺されてたでしょうからね。仕方なかったんでしょうね。
このお話、諸説ありまして。赤いドラゴンが勝つバージョンもあれば、白いドラゴンが勝ったり、なんか猪出てきたりとかもするバージョンがあります。なぜ勝つドラゴンすら変えてしまうのか……
これから読まれる機会があります方は「これは諸説の1バージョンなのだな」と思いながらお読みください。他のバージョンを見聞きした友と、話が食い違うかもしれませんから……
第三の災厄は大男が人を眠らせてる間に食糧をちょろまかしていくという。兵糧が奪われるの地味に一番痛いよな……という災厄でした。
眠いなら、冷水浴びて眠気冷ましを!という、むっちゃシンプルな解決策出してくる弟よ。兄は超寒いぞ。頑張るけどな!!
そして兄、どうやって大男投げたの。重くない?馬鹿力なのかな??
大男の命乞いを聞き入れて、ちゃんと食糧返してもらうのも大事ですね。
返してもらわないと四次元ポケットみたいな籠に入ったっきりなので、食糧。大男許してあげて食糧返してもらった方が合理的ではある……兄、ちゃっかりしてるな。
そうそう、原典見てると兄が艦隊つれてくるのとか弟が大艦隊つれてくるのとかわりと謎なんですよ。とにもかくにも、艦隊連れてくる。
とりあえず双方とても小人を警戒してるらしい。
厄介ですよね、風を伝って会話を聴く小人。
現代だと、電波の傍受?みたいな何かなんですかね。盗聴器っぽくもある。
昔の人にもそういう概念があったのでしょうね。
このお話の一番の肝は、兄弟の信頼関係ですね。嫉妬深かったり疑り深かったりすると、こんな協力はできない。
兄弟愛が眩しいぜ……
というわけで、蜂蜜酒とドラゴンでした。
お聴きくださった皆様ありがとうございました!!
このお話大好きなので(兄弟愛が眩しいから)またブラッシュアップしてどこかで披露する機会があればいいな、と思っております。