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遊び心から生まれた芋人の原酒

銀ぱち通信43号より

 ミツバチのためにも屋上緑化を始めよう。育てるなら、収穫を楽しめるサツマイモはどうだろう。収穫したサツマイモをおいしく食べるだけでは、ちょっと物足りないよね。そうだ、焼酎の材料にしよう。銀座ミツバチプロジェクト副理事長の田中淳夫さんの自由で楽しい、遊び心ある発案から「芋人」プロジェクトは始まりました。


アルコール度数38 度の原酒 芋人の新商品誕生!

 そんな「芋人」に新商品が加わりました。アルコール度数38度の芋人の原酒です。今回の芋人の原酒が38度なのは「銀座ミツバチプロジェクトの焼酎だからね。ミツバチといえば38でしょ」と山田さん。遊び心から生まれた芋人らしい理由がありました。

商品名:クラフト焼酎imogine!38 アルコール度数:38 度 
内容量:500ml メーカー:後藤酒造 価格:オープン価格

味のポイント
芋の自然な甘みとうま味がほどよく調和し、スッキリした味わいが特徴です。芋焼酎は少し苦手という人でも、おいしく味わっていただけるはず。ギフトにもおすすめです。

デザインのポイント
原酒の“混じりっけがない”イメージから、透明ボトルに銀色のロゴマークのみ印刷しました。透ける特徴を生かし、ダジャレでもある度数の「38」を象徴的に見せています。

芋人 これまでの歩

1 田中さんひらめく

東京銀座新ロータリークラブで「銀座の屋上をサツマイモで緑化し、収穫したら芋焼酎にする」と発表。芋づる式の第一歩はここからスタート!

2 有名企業の参加

田中さんの奇想天外なアイデアを面白がってくれる賛同者が続出!銀座を拠点に活動する企業の屋上や花壇などが、次々とサツマイモ畑に。

3 後藤酒造の協力

「田中さんと私の父が知り合いで、焼酎をつくってもらえないかと相談されたのが始まりでした」と後藤酒造の後藤修一さん。芋人のプロジェクトをきっかけに、芋焼酎の製造を始めることに。「泡盛用の蒸留機で仕上げています。焼酎づくりで使っているのは珍しいんですよ」と杜氏の山田尚司さん。近隣には「乳の観音」と呼ばれる霊水があり、その伏流水を仕込み水として使用しています。

4 うまく育たない芋

初めての秋。サツマイモを収穫したら鉛筆のように細い芋も。

5 幻の原酒

原酒として発売しようと思ったら、度数が足りていないことが判明!

 一般的に焼酎は、アルコール度数36度以上で加水していないものを「原酒」と呼ぶことができます。「芋人を仕込み始めた当初は36度に満たなくて、原酒と銘打って販売することができませんでした」と話すのは、芋人の製造を手がける後藤酒造の後藤修一さん。杜氏の山田尚司さんは「米こうじを増やしたり、仕込み水の量を調整したり、配合を調整することで、安定して39度以上で仕込めるようになりました」と話します。

6 グッドデザイン賞

「銀座芋人」が受賞。審査員も遊び心に共感!チラシのデザインも評価されました。

考える余白のあるデザイン
 芋人という牧歌的な商品名と、筆記体でデザインした欧文ロゴ、そして深緑色が美しいシャンパンを彷彿とさせるボトル。いい意味でのアンバランスさ加減は、芋人らしさ。銀座の屋上でサツマイモを育てるという独創的なプロジェクトにふさわしいデザインです。「一体これは、どんな焼酎なんだろう」と、芋人への興味もそそられる。考えるための〝余白〞をたっぷり持たせた自由度の高いデザインとも言えます。
 デザインを手がけているのが、天宅正さん。この銀ぱち通信をはじめ、銀座ミツバチプロジェクトのロゴマーク、そして芋人に同封されているチラシも天宅さんがデザインしたものです。「銀座芋人」は、2016年度のグッドデザイン賞を受賞。デザインはもちろん、プロジェクトの仕組みも評価されています

7 イモリンピック

芋人プロジェクトに参画する皆さんと収穫した芋のサイズを競う、遊び心満載の「Imolympic(イモリンピック)」を毎秋開催!

8 全国に広がる

銀座のほか、巣鴨や札幌、名古屋、宝塚、下関など、芋人の活動は日本全国に広がっています。企業や大学など参画団体も増加中!

9 毎年5000本 参加企業約60社

ストーリーのある芋人は、来訪者の手土産や、大学への寄付の返礼品などにも活用されています。

都会そだちの芋たち 銀座から全国へ

 銀座から始まった芋人のためのサツマイモづくりは、現在、日本各地に拡大しており、サツマイモづくりに参画する企業や団体は約60社以上。芋人の種類も、札幌芋人、巣鴨芋人、長者町芋人、宝塚芋人、下関芋人など増えています。後藤酒造の後藤さんは「私たちの地元・福岡をはじめ、日本各地の地域を盛り上げていくことに貢献したい。それが参画する理由のひとつ」と話します。銀座ミツバチプロジェクトの田中さんは「銀座のある会合で芋人の構想を話してから、芋づる式で広がっているんです」。各地でつくったサツマイモの出来栄えを競う「イモリンピック」も毎秋開催しています。ダジャレのネーミングも、なんだか楽しげです。そんなアットホームな活動も、芋人の広がりを後押ししています。

既成概念にとらわれない取り組みに共感、楽しそうな熱量は伝播する

湖山医療福祉グループ代表 湖山泰成さん

「東京銀座新ロータリークラブで田中(淳夫)さんと初めて出会ったときから、なんだか息が合ってね。それからずっと彼の活動を応援しているんですよ」と話すのは、湖山医療福祉グループ代表の湖山泰成さん。湖山グループは、銀座ミツバチプロジェクトをはじめ、芋人の活動も立ち上げ当初から参画してくれています。

「田中さんはまず、自分自身が楽しんでいるのがいいんですよ。しかも、今までにない新しくて面白いことをひらめく発想力があり、革新的なことを実行する力もある。ワクワクしながら活動している様子を見ていると、私も楽しくなるんです」。湖山グループは銀座を拠点に、全国各地で高齢者施設や療養病床を運営しています。湖山さんが働く銀座の本部への来訪者も多い。「銀ぱちのはちみつと芋人を手土産として渡しています。ストーリーがあるからね。喜ばれていますよ」

サツマイモづくりをきっかけに、立ち入り禁止だったテラスは学びの場に

大正大学 地域構想研究所 教授 古田尚也さん

 大正大学の教授、古田尚也さんは、都市の緑化の研究に取り組まれていた2016年ごろ、銀ぱちの田中さんに養蜂の相談をしたそうです。そのとき「実は新しく面白いことを始めたんですよ」と薦められたのが、芋人のプロジェクトでした。「とりあえずやってみようと苗とプランターを10個いただき、大学のテラスでサツマイモを育て始めました。

 最初は私ひとりで取り組んでいたのですが、『手伝いたい』という学生が現れ、そこからサツマイモ以外の野菜も育てるようになりました」。以前は立ち入り禁止だったというテラスは、今は季節の野菜がのびのびと育っています。3年ほど前からは地域活動を単位として認める「サービスラーニング」という授業のメニューに昇格。

「大学のある巣鴨の歴史をひもといたら、種苗問屋が建ち並ぶ街として栄えた歴史があることが分かりました。商店街にアンテナショップをオープンして芋人を販売したり、地元の小学校児童に芋掘りをしてもらったり。芋人をきっかけに地域とのつながりも生まれています」

東京・銀座から全国に広がっています。参加企業や団体は60 以上!

株式会社紙パルプ会館 | 株式会社銀座ミツバチ | 銀座ミツバチプロジェクト | 銀座ブロッサム中央会館 | マロニエゲート銀座1 | 国際紙パルプ商事株式会社 | 株式会社山櫻 | 時事通信社 | 時事通信出版局 | ラウンジ日比谷 | 松屋銀座 | 銀座三越 | 日本工業倶楽部 | 湖山医療福祉グループ | 千葉商科大学人間社会学部 | 株式会社熊谷組 | コートヤード・マリオット銀座東武ホテル | ルコ・ネットワークサービス株式会社 | 株式会社升本総本店 | 株式会社石井鐵工所 | 立教大学経済学部大山ゼミナール | 栗原紙材株式会社 | 城南信用金庫営業部本店 | 城南信用金庫銀座支店 | 第一勧業信用組合 | 銀座郵便局 | 大正大学 | 株式会社木屋 | 株式会社丸治 | 株式会社スカウト | ちよだプラットフォームスクウェア屋上スカイファームクラブ | 法政大学人間環境学部高田ゼミナール | 丸ノ内ホテル | ソマール株式会社 | 株式会社三ツ矢 | 銀座料理飲食業組合連合会 | 銀座ベルビア館 | 森陶管株式会社 | 王子エフテックス株式会社 | 王子ホールディングス株式会社 | 株式会社宝塚すみれ発電 | 生活協同組合コープこうべ | 近畿大学藤田ゼミナール | 錦二丁目エリアマネジメント株式会社 | サッポロ・ミツバチ・プロジェクト | 東京神楽坂組合 | ソーラシェアリング上総鶴舞 | ホテルグランバッハ東京銀座 | 銀座香蘭社 | 合同会社有機の里 | 標津町 | 株式会社上田組 | 丸山技術コーディネート研究所 | NPO 法人きらり工房 | 株式会社ヒューエンス | 北海道鹿追町 | 合同会社テクノサイエンス
Collaboration:株式会社日進産業《GAINA 芋人》
Special Thanks:後藤酒造合資会社 | ジオファーム八幡平 | 社会福祉法人恵光園の放牧豚たち | 社会福祉法人敬愛会

芋づる式で広がるネットワーク

札幌

活動団体:サッポロ・ミツバチ・プロジェクト
本拠地:北海道札幌市中央区南1 条西5 丁目8
私たちは、屋上養蜂を通じてミツバチからこのまちの環境資源の豊かさをたくさん教えてもらっています。そしてまた、まちを遊ぶセンスの屋上のイモづくりがこの場所をもっと好きにさせてくれます。北の雪国で多様な人が主体的に楽しめる芋人コミュニティをつくっていきたいと思います。

銀座

活動団体:銀座ミツバチプロジェクト
本拠地:東京都中央区銀座3-9-11 紙パルプ会館
「そうだ!屋上で芋を植えよう」とひらめいて始まったイモジン・ネットワーク。芋がコミュニケーションツールとなって、育てる人は「芋人」この焼酎を飲む人も「芋人」。街中に広がるイモジネーションをImagine するプロジェクト。今銀座から始まったプロジェクトは芋づる式に全国に広がっています!都市の農的活動が地域をつなぎ社会を変える、あなたの街の芋人待ってます!!

巣鴨

活動団体:大正大学
本拠地:東京都豊島区西巣鴨3 丁目
大正大学のある巣鴨・庚申塚は、旧中山道沿いに野菜の種屋が立ち並ぶ「種子屋(たねや)街道」として知られ、江戸から昭和初期にかけて大いに繁栄しました。当時は中山道を行く旅人に焼き芋を売る店も大人気だったと伝えられています。そんな街の歴史と記憶を取り戻すべく、街の皆さんと連携して芋と野菜で緑を増やす活動を始めました。

長者町

活動団体:錦二丁目エリアマネジメント
本拠地:愛知県名古屋市中区錦2 丁目
名古屋の都心地区に立地する長者町繊維街。まちを活気づける志のあつい人が集まるまちです。地域活動の後は、美味い酒を呑みたい、ならば芋から育てよう。そんな芋人の輪は、屋上や小さなバケツ菜園という形で広がっています。まち自慢の飲食店で「お店と人と緑」の縁のつながる長者町極上の一杯をお楽しみください。

宝塚

活動団体:宝塚すみれ発電
本拠地:兵庫県宝塚市大原野字壱坪17
宝塚すみれ発電所4 号は、全国で唯一のソーラーシェアリング市民農園です。ソーラーパネルの屋根の下、33区画の畑でたくさんの人たちがサツマイモを作っています。市民はもとより、コープこうべの組合員活動の場でもあり、大学のフィールドワークとしても使われており、畑はいつも賑やかで愉快な笑い声に包まれています。

NEW 下関

活動団体:有機の里
本拠地:山口県下関市豊浦町川棚5644
下関市の奥座敷である川棚温泉を中心に有機農業・ソーラーシェアリング・農泊事業等を展開し、関係者が有機的につながる地域づくりを目指して活動をしています。農業や里山活動で汗を流し、温泉に入って、芋人を一杯いかがでしょうか? みなさまのお越しを心よりお待ちしております

ここで買えます!

銀座ミツバチオンラインショップ

銀座ミツバチオンラインショップ
芋人をはじめ、銀座ミツバチプロジェクトとコラボレーションした日本酒「積善GINZA」や「純米吟醸 精一杯」なども購入できます。


松屋銀座 B1

松屋銀座 B1食品 〈GINZA フードステージ〉
酒売り場で銀座芋人が販売されています。
東京都中央区銀座3‐6‐1


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