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【東京六大学野球】2022年春季リーグ戦 明治大ー立教大の見どころ

こんにちは、宜野座パーラーです。白熱の東京六大学春季リーグ戦も第6週まで終了し、優勝争いは明治大と立教大に絞られました。しかも、「第7週の直接対決で勝ち点を取った方が優勝」というシンプルかつ熱い展開となっています。ここでは、両校のここまでの振り返りと、直接対決の見どころを取り上げていきます。

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 第3週までの振り返りは以下の記事でも取り上げています。

第6週までの戦い(明治大)

 明大はここまでの4カード中3カードで第3戦以降までもつれ、粘り強く戦うことで勝ち点4の首位で最終カードを迎えます。3カード目の法大戦は4回戦まで、4カード目の慶大戦では3回戦まで戦い、総力戦での試合展開が続いています。
 投げては蒔田稔(③九州学院)村田賢一(③春日部共栄)が活躍を見せ、揃ってリーグトップタイの4勝。2人合計の投球回はチーム全体の70%以上を占めており、先発が試合をしっかり作っていると言えるでしょう。蒔田のK/9は8.87とリーグトップで、力強い直球を武器に三振の山を築くタイプです。一方の村田は奪三振こそ少ないですが、BB/9は2.25とリーグトップで、WHIPも1.05と大崩れしないことが強みの投手です。
 両先発に加え、リーグ戦中盤から頭角を現し、いまやリリーフエースとして君臨するのが髙山陽成(④作新学院)です。6登板のため表中に記載はありませんが、ここまで防御率2.70、WHIP0.98、K/9は7.43と好成績を残しています。法大2回戦では5回無失点、同4回戦では4回1失点と、長いイニングを任せることができる点でも心強い存在です。
 打っては開幕から好調を維持する宗山塁(②広陵)に加え、上田希由翔(③愛産大三河)の状態が上がってきた印象です。宗山は直近の慶大戦3試合で10打数3安打にとどまりましたが、それでも打率.465で首位打者の座をキープしています。上田も昨年までの定位置である4番に戻ると、直近の慶大3回戦では3安打3打点と大当たり。さらに直近まで7試合連続で打点を上げており、ここまで13打点はリーグトップです。

第6週までの戦い(立教大)

 立大は2カード目の慶大戦こそ勝ち点を落としましたが、その後の東大戦、早大戦は負けなしの4連勝。勝ち点3の2位ながら、勝率では明大を上回っています。
 総力戦の試合展開が続く明大に対し、立大はエース・荘司康誠(④新潟明訓)の奮闘が目立つ印象です。ここまで5先発を含む6登板で2勝はやや物足りないですが、防御率2.29、WHIP1.22、K/9は6.88と、もう立派にエースの活躍です。荘司に頼らざるを得ない台所事情もあってか、リーグ戦中盤にはやや疲れも見られた印象で、東大1回戦では7回2/3を4失点と、必ずしも万全の状態とは言えないのが少し気になるところです。
 池田陽佑(③智辯和歌山)の離脱で空いた2回戦の先発の席は、島田直哉(④龍谷大平安)沖政宗(②磐城)のリリーフ陣で小刻みに繋ぐことで何とか埋めています。特に沖は1先発を含む7登板でWHIP0.89と、現状のリリーフ陣で1番の安定感を誇っています。一方、昨年までの実績からリリーフエースとして期待していた宮海土(④國學院栃木)の状態はいまひとつです。6登板でBB/9は10.13と、不安定な成績にとどまっています。
 野手陣では、打率3割をキープする山田健太(④大阪桐蔭)宮﨑仁斗(④大阪桐蔭)黒岩陽介(④静岡)が好調です。直近の早大戦では3番宮﨑、4番山田の出塁で作ったチャンスから、6番黒岩のタイムリーで得点するような流れも見られました。不調で苦しんでいた柴田颯(④札幌一)も早大戦2試合では1本ずつヒットを放っており、復調の兆しが見られます。

直接対決の見どころ ~もつれた展開になればなるほど明治大が有利か~

 明大と立大は「今週末の直接対決で勝ち点を取った方が優勝」というシンプルかつ熱い展開の直接対決を迎えます。その根拠は以下の通りです。
 ・ 明大が勝ち点 → 明大が勝ち点5で優勝
 ・ 立大が勝ち点 → 勝ち点4で並ぶも立大が勝率で上回り優勝
個人的には優勝決定戦までもつれたり、最終週の早慶戦の結果次第で決まるような展開の方が好きですが、分かりやすい展開なのでこれはこれはアリですね。
 各大学の展開予想はこの後に書く通りですが、投手起用に余裕がある分、もつれた展開になればなるほど明大が有利かと個人的には思っています。

明治大:蒔田・村田の両先発と後ろに控える髙山が盤石

 明大の投手起用ではこれまで通り、1回戦は蒔田、2回戦は村田が先発し、最後を髙山が締めるのがメインプランでしょう。3回戦にもつれても、この3投手での継投で押し切るのが最も堅い展開となるでしょう。ただ、リーグトップのチーム防御率2.51が示すように、この3投手以外にも右投手では下江秀弥(④盈進)渡部翔太郎(④千葉黎明)、左投手では渡部慎之介(③桐蔭学園)松島元希(②中京大中京)などの好投手が多く控えています。
 野手陣では明新大地(④明大中野)に注目です。慶大1回戦で途中出場し本塁打を放つなどの活躍を見せると、続く同2・3回戦ではスタメンに抜擢され、慶大戦3試合で12打数7安打と大当たりしました。勢いそのままに立大戦でも1番での起用が予想されますが、明新が出塁し、3番宗山、4番上田で返す展開を見せられれば、有利に進められるでしょう。

立教大:荘司のフル回転と柴田颯の完全復活に期待

 立大は2回戦の先発に不安があるため、荘司をフル回転させることもやむなしでしょう(いちファンとしては無理をさせたくないような気もしますが)。これまでの起用を考慮すれば、1回戦の先発は間違いないでしょうし、2回戦のリリーフも3回戦の先発も当然のようにあるでしょう。となると、1回戦は是が非でも勝利して、その後をなるべく有利に進めたいところです。順当にいけば2回戦は島田か沖が先発でしょうが、どこまで持つのか読めないのはやはり不安材料です。
 打線では山田の後ろに控える柴田颯の復調次第かと思います。山田はここまで打率.321ながら、出塁率.512はチームトップです。山田自身が強打者であることはもちろん、5番打者以降の状態を加味して無理に勝負しない場面がかなり多い印象でした。状態が上向きの柴田颯が完全復活となれば、山田と勝負せざるを得ない状況も増え、得点力は自ずと高まるでしょう。

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